ドアーズの日本盤シングルをリリース順に網羅した日本独自企画シングル・ボックス・セットである。実際のアメリカ盤リリースと比較すると4枚ほど少ない勘定になるが、デビュー・シングル〝ブレイク・オン・スルー〞だけが日本盤としてはリリースされなかったことが惜しまれるのみで、日本盤でのオーダーでまったく遜色はない。ドアーズの楽曲の選別についてはいろいろ試みも好みもあるはずだと思うが、こうやってシングルのみを追うというのは実に正当で、なおかつ説得力にも満ちた経験となり、いろんな発見もあって楽しい。ドアーズ・ファンにありがちなファーストを偏重した選曲ができないため、逆にセカンド以降のバンドの脂が乗った状態がよく伝わってくるオーダーになっていて、リアル・タイムで聴いていた頃はきっとこうしたドアーズの醍醐味が受けていたのだろうなどという発見もあって面白い。また、ジム・モリソンが他界した後のドアーズも聴かなければならないわけで、これもなかなか自分からはできない経験なので、自分の都合だけで聴かせてくれないところが却ってバンドへの理解を深めてくれる音源集になっている。(高見展)