NYオルタナのエキス

リー・ラナルド・アンド・ザ・ダスト『ラスト・ナイト・オン・アース』
2013年10月23日発売
ALBUM
リー・ラナルド・アンド・ザ・ダスト ラスト・ナイト・オン・アース
ソニック・ユース活動停止後、いち早くソロ作『ビトウィーン・ザ・タイムズ・アンド・ザ・タイズ』を発表したリーが、さらに一歩進みパーマネントなグループ、ザ・ダストを結成しての作品だ。前作でも参加のアラン・リヒト(G)にソニック・ユースの盟友スティーヴ・シェリー(Dr)、そしてブライト・アイズやノラ・ジョーンズの作品に参加しているティム・ランツェル(B)というまさに酸いも甘いも噛み分ける連中で、リーの狙いを具現化するには最高のラインナップだ。

実験&前衛サウンド・メーカーという顔は別にして、ソロでのリーの魅力はニール・ヤングの世界にも通じる曲にあり、それはソニック・ユースの激しい空間をふところ深く拡げる作用をしてきたが、前作はそれを改めて示す名刺代わりのものだった。そして今作はバンドという枠を作ることで、より曲やサウンドの隙間の部分がとても豊かに響き合っていく。単純なノイズやカオスがあるわけではないが(もちろんソレ的なのもある)、そうしたものを徹底的に追求したからこそ得られる真の安らぎが音のそこかしこから流れ出す。やっぱり好きだなぁー、リー。(大鷹俊一)
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