かのノエル・ギャラガーに「銀河系の未来はこのバンドのアルバムにかかっている」、「このバンドの曲をかけないBBCレディオ1はクソだ」とまで言わしめ、とにかく兄貴から途轍もない期待（とプレッシャー）をかけられているのがこの新星テンプルズである。なお、銀河系の未来がかかったデビュー・アルバムは来春リリース予定で、本作は日本独自編集のデビューEP。彼らの初期2枚のシングルの収録曲と最新シングルのBサイドをコンパイルした格好のイントロとなっている。現時点での彼らの最大の武器はとにかくサイケデリック！　しかももろマッドチェスターだったピースなどと比較するとダンス・グルーヴ系からアシッド・フォーク系まで各種幅広いサイケのバラエティを既に搭載しているのが特徴で、加えてサイケ・「ポップ」色が強いUSオルタナ勢の向こうを張ってUKのバンドらしくサイケ・「ロック」を鳴らしているのが頼もしい。ノエルが肩入れしているのも彼らのこの骨太感故だと思う。アルバムで文字通り銀河に広がるエピックなサイケに展開していくのか、もしくは逆にタイトに的を絞ったものを作ってくるのか。来年要注目です。（粉川しの）