復活成功の理由

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ『ライヴ・フロム・KCRW』
2013年12月18日発売
ALBUM
ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ ライヴ・フロム・KCRW
今年2月にリリースした5年ぶりの新作『プッシュ・ザ・スカイ・アウェイ』がソロ作としては過去最大のヒットを記録し(全英3位)、ドキュメンタリー映画の制作(カイリー・ミノーグが友情出演)も伝えられるなど、俄かに活動が活発になっているニック・ケイヴの最新ライヴ盤である。タイトルの「KCRW」とはLAのラジオ局の名前で、本作はKCRWが今年4月に新作に合わせて企画したライヴ・セッションとなっている。会場はキャパ180と極小、と言うかそもそもライヴハウスではなくアポジーという著名なレコーディング・スタジオで、何よりも特筆すべきはスタジオ故の音響の素晴らしさ。ニック・ケイヴのあの癖のある低音ヴォーカルのビブラートが最深部まで捉えられているし、ケイヴのナンバーが持つシネマティックな奥行きに目茶苦茶ハマっている。新作のナンバーに加えて“ピープル・エイント・ノー・グッド”他旧曲も収録。ロウ・キーなパフォーマンスだからこそ「裏」『プッシュ・ザ・スカイ・アウェイ』としても楽しめるし、今後ミュートが予定している80年代の初期作のリイシューと併せてのレトロスペクティヴとしても。(粉川しの)
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