次の季節が始まっている

SAKEROCK『SAKEROCKの季節 BEST 2000-2013』
2014年01月22日発売
ALBUM
SAKEROCK SAKEROCKの季節 BEST 2000-2013
ジャケット写真を見てまず涙。星野 源、伊藤大地、浜野謙太の3人からなる現在のSAKEROCK。でもそこには歴代メンバーである野村卓史と田中 馨の姿もしっかり写っているのだ。2000年~2013年に亙る彼らのストレンジで温かい活動の軌跡が、このベスト盤にはぎっしり詰まっている。結成して初めて作られた“慰安旅行(DEMO Ver.)”から年代順に並べられた曲の数々を聴くと、唯一無二のメロディセンスやちょっとひねくれた遊び心は結成当初から変わらないことに気付かされる。今や彼らの顔のひとつに定着したマリンバを使った曲、可笑しなスキャットが入った曲、インストバンドなのに歌ものの曲――一見ダサい、馬鹿馬鹿しい、掟破りと思われることも面白がって本気で取り組み、聴き手の既成概念をも覆す、最高に格好いい音楽を作り上げてしまった力は恐るべきものだ。今回新録された壮大且つ雄大でアクロバティックな“Emerald Music”は、これまでの功績が結晶化された珠玉の作品。この曲に集大成というより、次なる悪だくみ感をチラつかせている所に、彼らの面白みや頼もしさを感じる。(渡辺尚美)
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