ロッキング・オン主催のアマチュア・アーティスト・コンテスト「RO69JACK 2013」で優勝した4人組バンド・QOOLANDから、1stミニアルバムが到着。2013年は115本のライヴを行ったという彼らのステージは、汗とか鼻水とか日々の鬱憤とかが一気に噴き出るようなエネルギーがあって爽快だ。この『教室、千切る.ep』は全曲でメンバー同時の一発録音にチャレンジ。前のめりで疾走するメロディーが、緊張感をもって封じ込められている。しかし彼らがもつロックの本質は音だけでなく、勝負の世界で戦っていこうとする意志にある。後半3曲は『るろうに剣心』『はじめの一歩』『ヒカルの碁』という有名漫画をモチーフに、勝負に人生を賭ける主人公とバンドの姿を重ねて歌詞を綴っていてユニークなのだが、言葉の引力がすごい。《負けないように狂ってもいたい》（“熊とフナムシ”）とか、《勝つまでが戦争だー！》（“勝つまでが戦争”）というちょっと振り切れた言葉は、ライヴで起きる奇跡を知っているから生まれるのだと思うし、強い覚悟が滲む。この骨太バンド、ぜひ注目してほしい。（小新井知子）