
昔、「挑戦」のイベントに誘った後輩が来てたんですよ、「㐧六夜」の八王子に。当時そいつ高校生で、今もバンドやってて。そいつがつぶやいてたんです。今日ホールでグッドモーニングアメリカのライヴ観て、すげえ夢があったって(たなしん)

──まわりの人も変わったんでしょうけれども、まず第一にバンドが変わったんですよね。「挑戦 㐧五夜」と「㐧六夜」の間にすごい長い時間があるわけですけれども、「㐧五夜」のグッドモーニングアメリカと「㐧六夜」のグッドモーニングアメリカは全然違うバンドだったんじゃないかって思うんですよ。
金廣 そうでしょうね。間違いなく。
──そういうふうに変われたことが、今まで物語をつなげてきたという。
金廣 そうですね。
たなしん そういえば、昔、「挑戦」のイベントに誘った後輩が来てたんですよ、「㐧六夜」の八王子に。当時そいつ高校生で、今もバンドやってて。今いい歳になってて、20代になってバンドやってて、ちょうど当時の俺らみたいな立ち位置なんですよ。なんとか前に進みたいけどなかなか突破口が開けない。そいつがつぶやいてたんです。今日ホールでグッドモーニングアメリカのライヴ観て、すげえ夢があったって。それはすごく意味があったし、嬉しいことだなと思いました。
──大阪でのTOTALFATとの2マンはどうだったんですか?
金廣 素晴らしかったと思います、ほんとに。忘れられない日になりました。「ROAD TO BUDOKAN」、八王子はワンマン、大阪はゲスト呼ぼうかってなって、もう考える暇もなくTOTALFATって名前が出てきて。武道館、もちろん悔しいって気持ちはあると思うけど、頑張ってこいよって絶対言ってくれてるし、そいつらとお世話になった大阪でやるっていうのはすごく意味があった。ほんとにTOTALFATがいなかったらこのバンドも組んでないと間違いなく思うので。そういうやつらとできたこの夜は、ほんとにすごい素晴らしかったと思います。
渡邊 裏話が1個あって。TOTALFATのヴォーカルのJoseくんが――僕ら、彼らとスプリットで過去に出してるんですよ、for better, for worseとTOTALFATで。それで何ヶ所か一緒にツアー回って。その時にTシャツつくったんですけど、なぜか知らないけどJoseくんちにそれが30枚くらい余ってたらしいんですよ(笑)。10年経った今も。Joseくんの実家に。それをみんなで着て最後にお客さんバックに写真撮ったんですけど。その写真、僕個人的にはすごい好きで。すごい嬉しかったですね、それ。
金廣 結構きれいに畳んでたねえ(笑)。
──いい話ですね。
渡邊 ほんとJoseさんいいやつだなって。ははは! 人柄滲み出てましたね。
たなしん 10年前のTシャツってヤバいよね。
──「凌ぎ合うツアー」も始まって、全15本。
金廣 そうですね。初日が名古屋でBIGMAMAとなんですけど。
たなしん それもヤバいよね。
渡邊 TOTALFATで始まって、ライヴハウスツアーがBIGMAMAからっていうのもすごい僕らにとっては意味のあることだなと思うし。
金廣 ライヴハウス、そんな大きなところは回らないんですけど。そこで武道館が見えるようなライヴをしていきたいなと思いますね。キャパが250だったら250のところで武道館のライヴをしたい。それがありがとうございますってことだと思うし。少しでも恩を返せたらなと。
もう、みんなで成功させたいです。ほんとに自分たちにしかできない武道館が絶対にできると思うので、一緒につくり上げたい(金廣)

──でも、ほんとに原点回帰なんですね、いろんなお話を伺ってると。それはどうしてなんだと思います?
金廣 駆け抜けてたら忘れちゃうと思うんですけどね。なんか、考えるバンドなんじゃないですかね。あとは、たとえば『inトーキョーシティ』でめちゃめちゃ成功してたら全然違ったベクトルのまま武道館とかやってたような気もするんですけど。そこで思ったほど伸びなかったこともあって、どうしなきゃいけないんだろうっていうのを、武道館が決まってる状態で改めて考えなきゃいけなかったっていう。それが自分たちにとって原点回帰、「開いていく、届けていく」っていうのを今までやってきたでしょっていうのを、ちゃんと自分に言い聞かせる作業だったというか。それをじゃあどうやって成功にしていくか、どうやって楽しんでいくかっていうのを改めて考える機会になったと思うし。そういう意味で、それこそ八王子で悩んでたりした時期と同じような感覚で、もちろんスケール感は違うかもしれないですけど、同じように悩んでるし、同じようにみんなの力借りなきゃできないなっていう危機感も感じてるので。だから偶然なんだけど偶然じゃないというか、結果的に全部いい感じになってるような気がします。そうじゃなかったら、ストーリーがあるようでなかったような気がしますから。だからすごい、いい意味か悪い意味かわかんないですけど自分たちっぽいっていうか、グッドモーニングアメリカとしての武道館をほんとに成功させるための道ができたなっていうのはあります。
──だから、ほんとにどういう景色がそこに生まれるのか楽しみですし、半分ドキドキしてる部分も当然ありますけどね(笑)。
金廣 いや、ほんとそうですね。『(in)トーキョー(シティ)』ですんなり行ってたら、すんなり武道館をやってたと思うんですけど。それもそれでかっこいいっちゃかっこいいですけど。自分たちにとって思い描いてた武道館っていうのは、音楽始めた時とか、そういうもんじゃなかったと思うし。もっと重いもんだったと思うので。そういう武道館に自ずとなったことがありがたいですね。
渡邊 ほんとにバンドにとってひとつのターニングポイントだと思ってるし。もちろんその先ももっともっとあると思うんですけど、そのためにはこれをなんとかして、みんなで力を合わせて成功させなきゃいけないなと思うし。今自分たちの持ってるもの全部出して、最高の武道館にしたいなっていうふうに思ってます。
ペギ 俺、岡山県でバンド組んで東京出てきたんですけど、解散しちゃってこのバンドに入ったんです。前のバンドメンバーとかも武道館、すごい喜んでくれて。で、決まった時に、絶対行くよっつって。もちろん親も地元の友だちも来てくれるし、岡山から。そんなこと初めてなんです。そんなに大事に思ってくれとったんやっていうのを最近ほんとに感じることが多くて。ほんとに成功させたいなって。
たなしん 俺、Bunta(TOTALFAT)と住んでるじゃないですか。で、やっぱりあいつ熱いから、最近も対バン多くていろいろ語るんですけど、近い人の顔が浮かぶんですよね。親もそうだし。あんたチケット大丈夫なの?とか(笑)、毎回メール来るし。頑張るよ!とか言って。みんな応援してくれるし、心配してくれるというか。そういう人にまず、終わった時に良かったよって言ってもらいたい。そういう人たちみんなで良かった!って言えるような武道館にしたいです。だし、応援してほしいです、ほんとに。
金廣 夢を見続けられてるっていうのは、すごいありがたいなっていうのを感じてて。もっと大きな夢を叶えていきたいっていうのも心から思うし、そのうちのひとつが、武道館。だからそこは、ラッキーっていう言葉で片づけちゃえばラッキーなだけかもしれないですけど。4人だけじゃなく、いろんな人がいてつかんだ武道館だなって心から思うので。もう、みんなで成功させたいです。ほんとにたぶん、自分たちにしかできない武道館が絶対にできると思うので、一緒につくり上げたいなと思います。

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