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佐伯「忘れらんねえよさんは、いろんなネタをやってちゃんとお客さんを楽しませることができて、ちゃんと成立してるからすごいです」

柴田「失敗はみんなするから、もしきっかけがあればトライするのもありなんじゃない?」

──では質問タイムです。さよ今から柴田さんに質問はありますか?

柴田「なんでも答えますよ?」

菅原「なんで童貞喪失を隠してたんですか?」

柴田「いきなりそれですか……」

渋谷「(笑)一番訊かれるのつらいところかも」

柴田「……全然関係ないけど菅原くん、綾野剛さんに似てますよね?」

佐伯「あ、よく言われます」

渋谷「(笑)今、話をめっちゃずらしましたね?」

──後輩からの質問なんで、ちゃんと答えてあげてください。

柴田「すごいぶっちゃけて言うと、バンドだけじゃなくて、プライヴェートな友人関係でも、僕は童貞キャラで通っていたんです」

佐伯「へえー」

──あ、友達にも隠してたんだ?

柴田「そうですそうです。だって俺、最初に言ったのはたぶんメンバーが初めてですもん。童貞キャラはウケるっていうふうに思って。ずーっとそれで、童貞を中心に自分のアイデンティティを作っていって。そういう自分を気に入っていたんです。けど、あるタイミングで、事故的に童貞を失ってしまって。ほんとに事故だった」

佐伯「そんな……(笑)」

──女性からしたら最低な話じゃないですか(笑)。

佐伯「ちょっと後悔してます?」

柴田「後悔してますよ。だから返せって言いたくて」

佐伯「うわぁ、ひどい!(笑)」

柴田「でも、それまで童貞を武器に築いてきた自分の人間関係なり、パブリックイメージなり、ブランディング? 童貞ブランドを」

渋谷「すごい深い話になってきました……」

──そんなに深くないよ(笑)。

柴田「しかもそのキャリアを積みましたから。プロ童貞になっていて、他の追随を許さない、ダントツの童貞キャラで来てたし、そういう発言も繰り返してたから、童貞を捨てましたって言うことで、そのすべてが壊れてしまう感じがすーっごいしたんですよ」

菅原「そうですよね。なんか、意を決したっていうか」

柴田「うん。でも言うことでほんとは自分のアイデンティティは童貞じゃないよなっていうのに気づけたから。で、言うタイミングがたまたま今回だったっていう話」

菅原「僕も曲聴いたり、ライヴ観たりとかしてるんで、ある意味どうでもよかったのかなと思ったんですよ」

柴田「そう。お客さんはぶっちゃけどうでもいいと思ってて。9割ぐらいは『つまんねえこと発表してんじゃねえよ(笑)』みたいなのでわーって拡がってくれて。でもね、一部では『信じてたのに』っていう人たちがいてね。そこはほんとに、やっぱり裏切りだから、申し訳ないなっていう思いです。でもしかたなかった、言うしかなかったから。嘘つき続けるのは絶対イヤだし。そこはしょうがない、ごめんねっていう感じです。セックス!」

菅原「(笑)でも、嘘ついてんのつらいですよねえ」

柴田「すいませんでした!」

菅原「今謝るんすか(笑)」

──じゃあ次の質問!

佐伯「はい。全然おもしろい話じゃないんですけど、純粋な質問で。私たち、バンドを始めた最初の頃は、SEに代わって寸劇をやってたんですよ」

──やってたやってた。木背負って出てきたりしてた。

佐伯「木背負ったり、ライヴ中にトースターでトーストを焼いて、お客さんに配ったり、布団に寝転がりながらライヴしたりとか」

柴田「ヤベぇ! いいじゃん、って俺今思ってる(笑)」

佐伯「いや、私も大好きだったんですけど、今はやってないんです。忘れらんねえよさんもいろいろネタをやっていて、あれってやめろとか言われたりしないんですか?」

柴田「そこはねえ、自由にやらしてもらってます。でも『それやりすぎでしょ』ってこともあります(笑)。ああいうのってエスカレートしちゃうんですね。俺、この前ちょっとミスったなと思ったのは、新宿JAMっていうライヴハウスでイベントをやらせてもらったんですけど。なんかほしいなと思って、『新宿ジャム、ジャム……ジャムおじさん!』と思って」

佐伯「ははははは」

柴田「でもそん時はちょっと踏み込みすぎちゃって。ジャムおじさんって鼻が赤いじゃないですか。で、メイクを初めてしてみたんです。今まではヅラとTシャツだけでコスプレしてたんですけど。で、やったら、なんかちょっとやりすぎたっぽくて。そこまで行くとイロモノという、音楽が信頼できないぐらいのレベルまでちょっと行っちゃったみたいで(笑)」

菅原「ああ、難しいっすね、バランス」

柴田「そう。『あ、ここ行ったらだめなんだ』みたいな。だからトライ&エラーですね。スタッフはみんな許してくれてるけど、だからミスる時がある。でもそこはね、1回ミスしたら次はやんないって話」

佐伯「だめだよって言われてやらなくなるのと、自分たちでやって、ああこれはだめなんだと思ってやらなくなるのとでは、違いますか」

柴田「もしかすると違うかもしんないですね。それを続けていった先にある姿はたぶん、違う気がする。どっちがいいかどうかはわかんない」

菅原「でも、柴田さんもそうだと思うんですけど、曲聴いてほしいからやるんですよね」

柴田「そうそう。好きになってほしい、まず好きになってもらって興味持ってもらって、自信たっぷりの曲をやるっていう」

佐伯「すごい勇気づけられます。たぶんクオリティとかの話になるんですけどね。私たちは自己満足でやってたから、そういう、お客さんに観てもらうようなもんじゃなかったけど。忘れらんねえよさんは、ちゃんとお客さんを楽しませることができて、ちゃんと成立してるからすごいです。これから頑張ろう!みたいな」

柴田「ほんとトライ&エラーで。今日も反省点はあるし。今日、フロアの後ろから登場して、そのまままっすぐステージに行っちゃったから」

佐伯「ははははは」

柴田「フロアを蛇行したほうが絶対良かったんです。蛇行してみんなでわーってやってたらたぶん、1曲目のノリは変わっただろうなあという。ほんと変わるんですよ!」

佐伯「その反省がすごい」

菅原「蛇行したほうがいいって(笑)」

柴田「失敗はみんなするから、もしきっかけがあればトライするのもありなんじゃない?」

佐伯「はい! 嬉しくなりました。なんか嬉しい、気持ちが」

菅原「長くやりたいなという願望はあります。4人仲いいんで、バンドでつないでるっていう言い方は悪いですけど」

柴田「その感覚、すげえわかる。メンバーって友達でもないし親友でもなくて、バンドメンバーなんだっていう」

柴田「逆に質問してもいいですか? 曲のアレンジとかってどうしてんですか?」

菅原「うちは、ほぼやっちゃってるんですけど、宅録で。細かいとこは、たとえばギターのソロのフレーズとかもわからんし、ドラムも叩けないから渋谷に任せてるし。そういう細かいところはアレンジ任せてますけど」

柴田「でも骨は全部?」

菅原「骨は基本的には僕がやっちゃいます」

柴田「へえー。そうだね、キーボードもだって自分で弾いてるんだもんね」

菅原「そのへんもちょっとバランス考えながら。俺、ギター持てるように、1小節は自分は音なしにしとこうとか、そういうのも考えて曲作るのが最近、億劫ですね」

柴田「なるほどな。次の質問行っていいすか? バンド内恋愛ってあるんですか? やっぱ女子がいるから気になって」

佐伯「え、私?」

柴田「ここで告白みたいのが出たらすごい!」

渋谷「密かに想ってた、みたいな感じとか(笑)」

菅原「俺も大好きだよ」

菊地「俺も大好き」

渋谷「急にみんな、大好きに(笑)」

柴田「はははは。でも仲いいっすよね。みんなのトーンが合ってますよね、なんか。出会うべくして出会ったっていうか」

佐伯「ありがたいですね」

柴田「それで言うとこの4人で野望ってなんすか? 俺で言うと『Mステ』、武道館なんです。あと『カウントダウンTVをごらんのみなさま』ってやりたい」

佐伯「それ、観たい(笑)。うちの野望は?」

菅原「毎回訊かれるたびに答えるのは、楽器がうまくなりたいっていう」

柴田「やっぱ音楽に向かってんすね!」

菅原「いやいやいや! あまりにもヘタクソなんで、基準値まで辿り着きたくて」

佐伯「演奏がうまくなりたいっていう、切実な目標です(笑)。でもやっぱりバンドは続けたいなっていう」

菅原「長くやりたいなという願望はあります。人気とか、よくわかんないし、4人仲いいんで、バンドが終わっちゃうと空気的に気まずくもなっちゃうので。だから、バンドでつないでるっていう言い方は悪いですけど」

柴田「わかる! その感覚、すげえわかる。メンバーって友達でもないし親友でもなくて、バンドメンバーなんだっていう」

菅原「なんかジャンルがありますよね。家族があって、友達がいて。バンドメンバーっていうひとつのジャンルがあって」

柴田「そうなんだよな。友達と家族って比較できない。それと同じ。だって俺、3人で呑み行くなんてもう、ほぼ、ない。特に酒田とは行きたくない!」

──ははははは。

柴田「ギャグじゃなくてマジで行きたくない! バンドやってなかったらあんな奴と一緒にいない!(笑)」

菅原「なんでイヤなんですか?」

柴田「あいつの性格が(笑)」

佐伯「え、あんないい人なのに!」

──そこ掘るのやめようぜ(笑)。

菅原「僕らもまあ、喧嘩はしなくはないですけどね」

佐伯「八つ当たりとかする(笑)」

柴田「俺もたまに酒田にする。酒田が3分でも遅れたら、『もう来んなよてめえ! なんでメールしねえんだよ!』みたいな。それで俺が5分遅れてるの。『お疲れっす』みたいな(笑)」

佐伯「かわいそう、酒田さん……」

──はい(笑)。ありがとうございました。ではさよ今は改めて先輩にお礼を!

菅原「今日はありがとうございました」

佐伯「ほんとにありがとうございました」

渋谷「そこ、『先輩あざーす!』でしょ」

柴田「後輩、あざーす!」

提供:ランデブーレコーズ

企画・制作:RO69編集部

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