日本の人にSTARSETを 好きになってほしい（HYDE）

――HYDEさんも海外に行ったりすることが多い中で、逆に日本に招くっていうのはやっぱり特別な気持ちはありましたか？

HYDE　全然違いますね。向こうでは自分自身も戦ってる感じだし、慌ただしいけど、こっちは自分のホームだから、おもてなしって感じで（笑）。

――日本のオーディエンスにSTARSETを見せたいというか、一緒に盛り上がりたいっていう気持ちですか？

HYDE　そうそうそう。日本の人にSTARSETを 好きになってほしいから、そうなってくれたら嬉しいなって気持ち。それをやることが、僕にとってのプラスだから。僕がかっこいいでしょって言って、みんながかっこいいって思ってくれたら、今回のコンサートの成功かな。

――実際、日本とアメリカのオーディエンスの違いってありましたか？

ダスティン　全然違うね。アメリカの人って、楽しむっていうよりはじーっと見て、なんだろうって……僕たち、あんな格好してるので（笑）。

アダム　でも日本に来てみたら、もちろんちゃんと見てくれてる、じーっと見てる人もいるけれども、メッセージカードを出してくれてる人とかもいて。たぶんそれって、HYDEと僕らのバンドの世界観が似てるっていうところで理解してもらいやすかったのかなと。それは感謝してますね。

ダスティン　いわゆるアメリカの典型的な、「騒ごうぜ！」とか、「ライブはお互いのエネルギーのやりとりだ」みたいなバンドは、もしかすると日本に来た時にじーっと聞いてくれるお客さんに対しておとなしいって思う人もいるかもしれないんだけど、僕らは結局アメリカでもそうやってじーっと見てる人が多いバンドなので。わりと自分にとってはそんなに違いは感じないというか、ある意味似てるなという印象もある。たぶん僕らの演奏を見て、別世界に飛んで行っている――そんな感覚で見てる人が多いだろうから。エネルギーだけじゃない、そういうものを受け止める側の感覚としては、僕らから見る限り、もしかしたらアメリカも日本も似てるのかも。

――映像的な演出もそうですし、SFとか、STARSETのちょっとアニメっぽい哲学的な設定とか、日本人も好きですよね。

HYDE　うん、好きだと思う。

――日本での滞在が、これからの作品にインスパイアを与えたりしそうですか？

アダム　もちろん！

ダスティン　富士山の頂上まで行ったんだから、あれほどインスパイアされることはほかにないよ。

HYDE　次の曲は「Mt.FUJI」だね。「ロボットレストラン」か（笑）。

ダスティン　ははははは！

――（笑）。これからも海外のアーティストとコラボしたり、幅広く活動をしていきたいっていう気持ちはありますか？

HYDE　そうですね。気に入ったバンドを呼べたらいいと思うし。特にSTARSETは――僕もやっぱりアメリカで音楽を聴いてて、受け付ける曲と受け付けない曲があるんですけど、STARSETはきっと日本人も大好きだと思って。だから自信を持って紹介できたし。

――確かに、特に日本で人気が出る洋楽ってありますもんね。

HYDE　あるでしょ？　逆に向こうでは人気あるのに、こっちでは全然売れないとかね。

――そう思われたのは、メロディだったり表現方法だったりっていう部分ですか？

HYDE　いや、もう全部、すべてですよ。声もすごくかっこいいし。で、もし音楽知らなくても、ステージング見てるだけで楽しいじゃない。完璧ですよね。

ダスティン　ありがとう。

固定概念をなるべくなくしたくて。アルバムが最初になくてもいいじゃんって（HYDE）

――HYDEさんは今回ソロ再始動というタイミングで。活動としては、こうしてライブ先行で動き出したいっていうイメージがあったんですか？

HYDE　まあ、ちょっとスケジュール的な問題もありつつ、おもしろいかなと思って。アマチュア時代みたいな感じで、アルバムを見据えずにリリースしていって、それ自体が次のアルバムへのプロモーションになればいいなって。

――シングルを連続して出しつつ、ライブではがんがん新曲もやっていて、ワンマンをやったあとに海外のゲストも呼びつつ、さらに追加公演をやって――と、結構フラットに、おもしろいことをやっていこうっていう考えなんでしょうか？　活動の始め方として、まず１枚ソロのアルバムをしっかり作るってことも選択できたと思うんですが。

HYDE　固定概念をなるべくなくしたくて。ちょっといろいろリラックスして考えたら、アルバムが最初になくてもいいじゃんって。これまでも曲を作ってきたわけだから、ライブはできると。だから無理してアルバムを作らなくても、１年でいろんな経験をしながら、いい作品を作りたいなって。

――10月には早くも今年３枚目のシングル『FAKE DIVINE』がリリースされますが、シングルが連続するのは、作ってたものをちょっとずつ出してる感じなんですか？

HYDE　いやいや、一生懸命隙間にレコーディングしてます。次この曲をシングルにしようって思ったら、それを急いでレコーディングしてリリースしてって感じですね。

――シングルごとにタイプの違う楽曲っていう印象なんですが、リリースする曲を選ぶ基準ってあるんですか？

HYDE　あえて幅を持たせようというよりは、今新曲をライブでやりながら、ファンの子に「どの曲が好き？」ってアンケートをとっていて。“FAKE DIVINE”は一番じゃなかったんだけど、ハロウィンっていう時期もあったんで、ハロウィンに似合う曲で、上位で……とか考えて決めました。

――確かに。でもものすごくラフな決め方というか、スタンスが自由ですね。

HYDE　そうそうそう。このツアーもなんだかんだで結構やってるんで、ファンの子も曲を覚えてきていて。この曲がシングルになるよって言ったら喜んでくれたりとかしますね。

――そうなると、作曲の方向性もやっぱりライブで盛り上がる曲を、みたいな感じですか？

HYDE　そうですね、基本的にはライブで盛り上がる曲が多いかな。で、アメリカ人が好きな音楽と日本人が好きな音楽ってまた違うから。この曲は好きなんだ、こっちはあんまり好きじゃないんだとか、そういうので今、すごくアンケートがおもしろくて。

――じゃあ今後、HYDEとしても海外でやっていきたい気持ちも？

HYDE　そうですね。本当はもう今年から行きたかったんです。いろんな事情があって今年はあきらめたんですけど、来年からまた再開したいなって。

――なるほど。じゃあ、また次はアメリカで共演できるかもですね。

HYDE　いやあ、嬉しいなあ。

ダスティン　そうだね。楽しみです。

――STARSETも、これを機会に日本やアジアでもどんどん活動していってほしいです。

HYDE　ね！

ダスティン　シンガポールや台湾とかも、まだ行ったことはないんだけど、動いてはいるんだ。ファンからのリアクションが届いていて、ちょっと驚いてるくらいなんだけど。

――アジアのテイストも、世界観に合うと思うんですよね。

ダスティン　日本でビデオも作りたいよ。新宿のゴールデン街とかね！

HYDE　ははは！