広島発RED in BLUE、時代に噛み付くワンコインシングル『FRANKEN MUSIC』にこめた意思

今回はリスナーのほうから店頭に行ってCDを決めて買う、みたいなことをさせたいと思った(田口)


――メッセージ性っていうキーワードが出ましたが、今作は伝えたいことがすごく明確で。《生活に溶け込む蝕む ポップは不健全だ/贅沢に横着に摂り過ぎている》とか、テーマも挑戦的ですよね。

田口 そうですね。でも、挑戦的に聴こえるように作った、っていうのがほんとのところで。歌詞カードを見たり、一聴した時に、言いたいことっていうのはある程度の人はわかると思うんですよ。YouTubeだったり、サブスクリプションとかSNSで音楽を聴けることに対して噛み付いてるみたいな……そう見えるようにあえて書いたんですけど、もう一個ちゃんと伝えたい意味があるんです。今、眺めてるだけでどんどん勝手にオススメをしてくれるじゃないですか。音楽だったりコンテンツだったり、ある意味口をあけて待ってるだけで、スクロールしてるだけで耳に入ってくるし、目に入ってくる。で、結局トピック性の強いものがどんどん目に入ってきて、濃い味のものに慣れていくっていう感覚があって。だからこそ、今回はリスナーのほうから店頭に行ってCDを決めて買う、みたいなことをさせたいと思ったんですね。それで、限定店舗で100円で販売するっていうところに結びつきました。そのかたちも含めて、《君にぴったりのミュージック》っていう歌詞にあるとおり、僕らのほうから、君へのオススメですって言っている曲なんです。皮肉にも聞こえるけど、すごくちゃんと前向きな曲になったと思っています。

――まさに、メッセージと発売形態がリンクしていますよね。聴くだけじゃなくて、買いに来てくれ!っていう。

田口 そうですね。そこまでがセット。

磯村 そのための100円です。無料よりずっと聴いてもらえると思って。

高橋 買うっていうのが大事だよね。もらうじゃなくて、もう買いに来い!ってくらいの。

磯村 そうそう。

――CDで聴いてほしいって気持ちは、やっぱりありますよね。

田口 ありますねえ。

磯村 サブスクも全然否定派じゃないですけど……。

田口 全員使ってます(笑)。

磯村 でもCD世代だから、CDが好きですね。そこは間違いないです。

――《君を生かす血肉となりたまえ》っていう歌詞が象徴的だなあと思ったんですけど、聴いて終わりじゃなくて、その先に行動を促すというか。リスナーにエンジンをかけたい!って気持ちが伝わってきました。

田口 《君を生かす血肉となりたまえ》は、書いた時に自分でもすごくグッときたんです。その人の生活の中で息づいてくれて、この曲で朝起きたり、通勤の時とか、帰りに聴いてテンションあげてくれたり、そういうものになってくれると万歳だと思って書きました。

――強いワードですよね。歌うほうとしてはいかがですか?

高橋 そこは歌っていてもすごく気持ちいいです。気持ちいいという意味では、最後の《踊るのさ 舌の上で》っていう落ちメロからの♪オエオエオ~に繋がるところ。抑揚と爆発みたいな展開は、すごくレコーディングでも意識したところです。

――そこからの転調もいいですよね。歌詞に《最後の一口まで》ってあるように、最後まで聴かないと一番気持ちいいところにたどり着けない展開になっていて。このアレンジについてはいかがですか?

田口 これでも、めちゃめちゃ削ったんですよ。この曲をより濃いものにしていこうってなった時に、たくさん削ぎ落として、贅肉になり得る部分を全部とって、アスリート体型にして出しました。最初はものすごく手の込んだ転調の仕方をしていたんですけど、もっともっと短く、わかりやすくって。僕の中のプレイヤー気質なところを1回排除して。

――珍しく、ギターソロもないですもんね。

田口 ないです。弾きたかったんですけど(笑)。言葉とメロディが主役の曲っていうところで作れたと思います。今までできなかったことです、こんな引き算。

――削ぎ落としていこうっていう田口さんの方向性について、みなさんは?

山崎 僕としては最高でしたね!(笑)。

高橋 ははははは!

山崎 その気持ちは僕の中にもあったんで、いい成長だと思います。

磯村 僕も、もう大賛成って感じでした。一番印象に残るところは残せたし。たぶんリフが一番印象に残ると思うんですけど、最後は全パートでリフをユニゾンして終わるっていうところまで、ストーリーを感じるアレンジにできました。

田口 メンバーそれぞれがフォーカスするポイントが合っていたというか、察しながらできたかもね。背中を預け合いながらできた感じがあります。でも、何年もバンドをやってきて、それぞれプレイヤーとしての癖があるので。だから、どれだけシンプルに削ぎ落としても、滲みでてくる部分があると信じています。そうは言ってもいろいろやってると思いますし。

磯村 さっきも、バンドのリードトラック、強みが何か考えた時に、絶対メロディだっていう話がありましたけど、今回のシングルも、極論メロディを聴いてもらえたら、RED in BLUEってわかってもらえる曲になったので。いくら削っても自分たちらしさっていうのは残っていると思います。

自分たちがもっと強くなりたい、かっこよくなりたいって過程の中で、次の行動をみんなと一緒に起こしていきたい(田口)

――さらに、この『FRANKEN MUSIC』発売にあわせて、ミニアルバム『MUTANT CIRCUS』のリリースが解禁になりました。

田口 めっちゃいい曲できてるんで! “FRANKEN MUSIC”で振り向いてくれた人は、次も気にしてもらいたいですね。1曲の中にあれもこれも詰め込むんじゃなくて、ミニアルバムって作品の中に、この曲はこれ、ってそれぞれ役割を与えながら作れたと思います。作った時は、この曲普通すぎませんか?って思うくらいだったんですけど(笑)、しっかり癖もでてるし、めちゃめちゃいい曲だよって言ってもらえた曲とかもあって。

磯村 逆に、テクニカルな曲も入ってるし、激しい曲もあったりします。

田口 そう、ギターがピロピロしてる曲もあります。もう我慢できひん!みたいな(笑)。

――いろいろやりたいことを、今度はそれぞれの曲に落とし込めたんですね。

田口 そうです。

――“FRANKEN MUSIC”に込めた、聴くだけじゃなくてリスナーを動かしたいって意思はアルバムにも続いていますか?

田口 はい。やっぱり、自分も音楽に突き動かされてきた人間なので、今度は動かす側になりたいです。でも、引っ張っていくぜ!っていうたちの人間ではないので、どちらかというと、自分たちがもっともっと強くなりたい、かっこよくなりたいって過程の中で、次の行動をみんなと一緒に起こしていきたいなって。もともとマイナススタートの人間が始めた音楽なので、俺らでもここまでなれたから、全然君たちも大丈夫だよ、というのが常に前提にある気がします。背伸びはほとんどないかな。歌詞も、ほんと等身大だったり、なにかしらに投影して書いてるし。

高橋 僕らも音楽と一緒に変わってきたので。特に僕なんかは、もっと全然うじうじクヨクヨしてるタイプの人間だったんですけど、ライブをやって変わってこれたし、まだまだ変わりたいと思ってますから。音楽で、自分に言い聞かせている部分もあるしね。言わなきゃ何も始まんないくらい、足が動かない人はたぶんいっぱいいると思うので、そういう人の背中を押せたらいいなと思っています。

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