あの5日間が蘇る! 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」をWOWOWで

あの5日間が蘇る! 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」をWOWOWで

ひたちなかに集う夏。その野外フェスの代名詞が広く親しまれるまでには、無数の人々の思いの積み重ねがあった


 通算20回目というアニバーサリーに、初の試みとなる2週・5日間、8月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日・祝)、12日(月・振休)というスケジュールで開催された「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」は、日本が広く不安定な天候に見舞われた今夏にあって、5日間とも奇跡的な快晴に恵まれた。2000年、2日間のスケジュールで初開催されたこのフェスは、荒天により2日目のステージを中断するという苦い経験を味わっている。日本のフェス文化が成熟を迎えている今日であっても、自然と真摯に向き合いながら野外フェスの喜びを見出してゆくRIJFのテーマは変わらない。

 RIJFの最大規模ステージとなるGRASS STAGEでは、開催日の朝に、フェス総合プロデューサー・渋谷陽一がトップバッターのアーティストを迎える前説を行うのが慣例となっているが、めでたく20回目の開催を迎えた今年は、東日本大震災直後の2011年夏、開催地ひたちなか市の強い後押しがあってフェス開催に踏み切ることができたことが語られていた。参加者、出演アーティスト、そして地元のサポートがあって初めて、20回という歴史は紡がれたのである。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」のロゴマークには、アニバーサリーの文字と共に、ひたちなか市の市制25周年が意匠化されている。

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さまざまなアーティスト、さまざまな参加者が参加することで、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」はまた一歩、理想に近づいた


 250組のアーティストが33万もの参加者と共に熱狂を作り上げてゆくということは当然、多様な価値観が入り混じることになる。たとえロックバンドと一口に言ってもその表現は千差万別。今回の開催はとりわけ、さまざまなアーティストとさまざまな参加者が巨大な坩堝と化すことで、フェスのバイブレーションが育まれていた。期待を超える驚きと喜び、その渦巻くような価値観のダイナミズムこそが、多様性の素晴らしさである。アーティストたちもステージ上から、多様性を極めるフェスの現場をポジティブに捉える言葉を発する機会が幾度となくあった。RIJFの掲げてきた理想が、ひとつの成果として結実していたと言える。

次のページ熱狂のトリガーとなるエネルギー。1日の始まりを告げるアーティストたちや、気鋭アーティストたちがもたらしたものは
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