PENGUIN RESEARCHは初のアリーナ公演で何を掴み取ったのか?

PENGUIN RESEARCHは初のアリーナ公演で何を掴み取ったのか?

これからの新曲とかライブで僕らが見せるものが「楽しい」「苦しい」のどっちかだけにならないように気をつけたい(堀江)


――このライブはPENGUIN RESEARCHの新しい次元のステージだったと思うし。「横浜決闘」というタイトルですけど、どこかお客さんも含めた決起集会みたいな空気感があったなあと思うし。

新保 ああー、わかる(笑)。

――MCでも言ってましたけど、別にお客さんとPENGUIN RESEARCHが「決闘」する場ではなくて。会場一丸となって価値観を共有し合って、時代とかそれぞれの日常に闘いを挑んでいくっていうか。PENGUIN RESEARCHの音楽の爆発力って、何かをデストロイするためのものではないし。聴いた人が何かに立ち向かっていくためのエネルギーというか熱量というか、そういうものだと思うし。それがちゃんと伝わってるんだなあっていうのが、あの場で改めて確認できた気がしました。

生田 ありがとうございます。

堀江 ちょうどこの日の“ハードロック★パラダイス”がここ(アンコールの最後)に入ってることが印象的で。最近メンバーでも、「いろいろあれど、楽しくなくちゃね」って話したばっかりで。しんどいところ、苦しいところ、逆境っていうところを歌うことが多いですけど。ただ、生身の人間だから、よく漫画で見るような「人生の9割9分が絶望」っていうキャラみたいには、人は生きていけないし。全部つらかったら、生きていく理由がなくなっちゃうから。どんなにつらくても、楽しい瞬間がないと――それがあってようやくエンタメとして成立すると思うし。どんだけしんどくても悲しくても、それがいつかちゃんと楽しいっていうことに結びつく、っていうことが伝わればいいな、っていう話をしていたので。これから新曲を出したりライブがあったりすると思うんですけど。僕らが見せるものって「楽しい」「苦しい」のどっちかだけにならないように気をつけたいなって。

――アリーナ一面のヘドバンとともに轟く《柴﨑 of the 洋輔》の気分はいかがでした?

柴﨑 いやあ、うちのおかんがびっくりしてました(笑)。音源聴いた時もそうだったけど、ライブで観るとまた「何事だ?」と(笑)。

自分が一番元気ない日も、イントロが始まると「曲に相応しい自分」に勝手になる。ペンギンをやってるとそれをすごく感じる(堀江)


――そして、4月4日のLINE CUBE SHIBUYA公演「FIVE STARS JOURNEY」に続けて、全17公演のワンマンツアー「FIVE STARS JOURNEY TOUR」が始まるわけですが。

生田 そうなんです。ヤバいです(笑)。学生の頃とか、自分の好きなバンドが「全国回ります!」とか言ってるのを見て、「すげえなあ。でもバンドってそれが普通なんだろうなあ」ぐらいに思ってたんです。でも、いざ自分がバンドで歌い始めて――去年の8公演でも、わりと肉体的にも精神的にもクることがあって。「2ケタ行くのってすげえんだな」って思ってたら、今年もう17じゃないですか(笑)。僕が夢見てた、全然関係ないと思ってた人たちの領域に、ちょっと一歩足を踏み入れた感じもあって。あと、今回は「みんなの地元に行く」ツアーでもあって。僕は高知なんですけど、四国にライブに行くってなってもだいたい香川とか松山なんで、「やっと高知行けるか! 四国初やで!」っていうのもあるし……地元でライブをやるっていうことに対して、変なドキドキがあるんですよね(笑)。

新保 8公演でこうだったのが、今回倍以上だから。よくなるのか、悪くなるのか――いろいろあると思うんですけど(笑)、楽しみです。

神田 僕はもう、土俵ですよ。帰ってきた感がありますね(笑)。ずっとハイエースで箱根の峠越えてたから、下道で(笑)。

柴﨑 地方によってキャパも違うし、やってみてどうなるかは楽しみではありますね。よりバンドとして、ライブに向けて一致団結して、弾丸のようになって頑張りたいと思いますね。

堀江 「横浜決闘」でも思ったんですけど――ライブの後半とかに「頑張れ」っていうような曲があるとして、あんまり自分自身はステージに上がる寸前までとか、その曲をやる寸前まで頑張る気はなかったような気もするんですよ。「元気出せよ」っていう曲を歌いに行くのに、自分が一番元気ないっていう日もあるんですけど。でも、その曲をやるってなった時には、イントロが始まると「その曲をやるに相応しい自分」に勝手になるところがあって。それをペンギンをやってるとすごく感じるんですよね。音楽がまずあって、そこにいろんな気持ちが混ざっていくというか、そこから気持ちが生まれていくようなというか……本来、音楽のあるべき形のひとつだと思うので。そういう瞬間がたくさんあるツアーになればいいなと思いますね。

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