ダンスボーカルの概念を更新し続ける、Da-iCEにインタビュー!“CITRUS”の大ヒットから最新曲“Kartell”までを語る

ダンスボーカルの概念を更新し続ける、Da-iCEにインタビュー!“CITRUS”の大ヒットから最新曲“Kartell”までを語る

サビをちゃんと歌う、歌詞がしっかり立っているっていうのは、昔EDMっぽいジャンルをやっていた時にも決して崩してはいなかった(工藤)

──それで、6ヶ月連続リリースの集大成としてリリースされたのが、6thアルバム『SiX』でした。これはまた、Da-iCEが確実にネクストフェーズに入ったと思えるアルバムでしたが。

大野 そうですね。今まさにアリーナツアーが始まって、改めて大変な曲たちが集まったアルバムだなと実感しているところです(笑)。ライブができてなかった期間が長かったので、より、音源だけでもいいものをと思って作っていましたけど、やっぱりDa-iCEの曲は振りがついてこそっていうのがあるので、ライブパフォーマンスができるようになって、より『SiX』の良さに気づいたところもあります。

──ダンスパフォーマンスもまた世界が広がったように感じます。たとえばBLUE ENCOUNTとの共作曲“Revolver”や、“CITRUS”でのダンスパフォーマンスなどは、個々のダンスにも、より深いエモーションが宿っているように感じました。

和田 そうですね。“CITRUS”ではソロもあったり、徹くんだったらこういうダンス、大輝くんだったらこういうダンスって、それぞれの個性に合わせた振り付けがあって。ちょっとずつ年相応な、大人っぽい感じも出てきていると思います。

岩岡 “CITRUS”は、パフォーマーのソロだけじゃなくて、逆にパフォーマーは止まっていてボーカルふたりが踊るという箇所があったり、そういうのは今までなかったので。楽曲含め、ひとつ総合的な転機を迎えた楽曲だなあと感じています。

──そして今年は結成10周年を迎えた年でもあって、今、いろんな経験が自信になっていると思うんですが、Da-iCEの楽曲への向き合い方はどう変化してきたと思いますか?

工藤 この10年でほんとにたくさんのアーティストと対バンしてきたし、いろんなものを見て研究して、吸収してきたと思います。結成したばかりの頃──2011年から2013年くらいの頃はまだ、ダンスボーカルはEDMっぽい曲っていう先入観があったと思うんです。そこから時代が変わって、USの流行というか、ブルーノ・マーズの影響はすごく大きくて、音数の少ないトラックでグルーヴを出すとか、それをいち早くキャッチしたのがK-POPであったり。そういう流れもあって、僕らがというより、ダンスボーカル自体の振り幅が大きくなったとは感じますね。

花村 でも結構早い段階で、リーダーはEDMやりたくないって言ってたよね。まだクリス・ブラウンが全然EDMやってた頃。

──おお。それはなぜだったんですか?

工藤 EDMは、やっていらっしゃる方が他にたくさんいたので、そのジャンルに未来を見出せなかったっていうことです。そこに追随できるイメージが湧かなかった。あと僕らのテーマでもある、サビをちゃんと歌う、歌詞がしっかり立っているっていうのは、昔EDMっぽいジャンルをやっていた時にも決して崩してはいなかったんですよね。絶対ドロップのサビはやらなかったり。「Da-iCEって歌を絶対しっかり歌うグループだよね」って言われるのも、そこだと思うんですよね。

(“Kartell”について)僕はただ、ボーカルのふたりがどうやったらライブで爆発できる曲になるかなあって思って作っただけ(工藤)

──最新曲“Kartell”は、そんなグループのブレないテーマを踏襲しながら、大胆な新機軸を見せる楽曲ですね。工藤さんの作詞・作曲で、ダークなファンクサウンドの、すごくかっこいい曲が出来上がりました。不穏なメロディとメッセージ性の強い歌詞も印象的で。

工藤 これもコンペというか、いくつかの曲が提出される中で僕も出させてもらったんですけど、“CITRUS”の件を経て、もういろんなことを考えるのをやめたんです。僕はただ、ボーカルのふたりがどうやったらライブで爆発できる曲になるかなあって思って作っただけで。

花村 だから、コンペの内容と全然違うんですよ、これ。

工藤 はははははは。

花村 僕もコンペ出したんです。確か「ポップで明るくて、野外フェスの青空の下でタオルを振り回せるような、だけどサウンドはおしゃれ」みたいなテーマというかお題が出されてたはずなんです。それを目指してくれって言われたので、僕はその通りのものを作ったんですけど。

工藤 想太は真面目なタイプなので(笑)。職業作家としてはいちばん正しい曲だったと思います。

花村 なのに、みんな口を揃えて「コンペの内容的にはこの(花村の)曲なんだけど、かっこいいのはこの(工藤の)曲だな」って(笑)。

大野 想太、大事なのは過程じゃなくて結果なんだよ。

全員 はははははは!

──工藤さんはなぜ、あえてお題に背くような曲でコンペに挑んだんですか?

工藤 いやいや、背いたつもりはないんですけどね(笑)。

花村 だってこれ、タオル回さないじゃん、絶対。

工藤 (笑)。まあ真面目に話すと、その発注の前に「今年のDa-iCEはどういうテーマでやっていくか」っていうのがあって、僕はそっちのほうが強く残っちゃってたんですよ。今年は“CITRUS”(のヒット)もあるし、ブルエンとの“Revolver”もありましたから、わりとロック的なアプローチで対バンで勝負したいっていう話だったので、たとえばフェスに出たとして、そこで数々のバンドの、エネルギーがある方々にダンスボーカルのグループが勝てる絵面を想像した時に、ボーカルふたりがクロスでやってる絵しか浮かばなくて。それは今までにないからやったほうがいいと思って、むちゃくちゃな感じなんですけど、ちょっと入れさせてもらって。

花村 “CITRUS”の最高音を超えたんですよ、サビ中で。勘弁してほしいですよ(笑)。

工藤 想定としてはファルセットだったんですけど、ミックスボイスで出すっていうから、じゃあ出していただこうかなっていう(笑)。

大野 そしたら、最後ハモリに入ってくれって言われて、俺まさかの上だよ? 自分のスケールを超えたんですよね。なのでライブで責任持てないです(笑)。

花村 でも、死ぬほど魂込めて歌いたいですね。

工藤 うん。大爆発したいですね。

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