Galileo Galilei、ついに本格再始動! 5枚組『Tsunagari Daisuki Box』が示す「原風景」と「未来図」

Galileo Galilei、ついに本格再始動! 5枚組『Tsunagari Daisuki Box』が示す「原風景」と「未来図」

仲よしこよしでファンとやってきたわけではない。そうやって僕らは、自分たちの音楽を今の形に仕上げてきたと思っているので

――今回、活動再開後では初のリリースとなる『Tsunagari Daisuki Box』には、DISC1としてメンバー自身の選曲によるディスクが収録されています。この選曲のポイントは?

「僕らは活動終了のタイミングで『車輪の軸』っていう、ベスト盤的なものを出していて。あれって、『Galileo Galileiってこういうバンドだったんだ』だったんですよ。で、これは『Galileo Galileiはこういうバンドなんだ』っていう――これから先の名刺代わりにしたいなっていう想いが、お話をいただいた時点であったので。選曲もそういう感じにしたいなと思って。僕は『車輪の軸』の選曲をまったく覚えてないんですけど――」

――(笑)。

「今、仮に丸かぶりしたとしても、『今入れたい曲はこれなんだ』っていう気持ちでやろうって。なので、ここが今後の軸になる、っていうのは確実なんですよね。これは結構大事な作品なんじゃないかなって思っていて。過去作っていうよりは、『これからを見据えたひとつの新しいアルバム』と思って聴いてほしいですね」

――それこそ「閃光ライオット」初代グランプリという、ティーンズロックの象徴的存在でもあったGalileo Galileiが、音楽的な進化と挑戦を続けた末に「Galileo Galileiではないもの」を求めてバンドの活動を終了させたわけですけども。それから6年が経った今、さらなる音楽的な進化と挑戦を求めた先に、Galileo Galileiの活動再開がある、っていう流れは面白いですよね。

「そうですね。今回のボックスセットに入っている、自分たちが手売りしてたインディーズ盤――僕のお父さんのパソコンでレコーディングして、お父さんがミックスしたやつなんですけど(笑)。僕的には『よくもみんな、ここに魅力を見出してくれてたな』って、今でも思っていて。僕らは、今やってる自分たちの音楽にはすごく自信があるし、これからやることに対しても自信があるんですけど。でも、この頃の自分たちが思ってたこともそうだし、実際に今の僕が聴いてもそうなんですけど……ポテンシャルにあふれてるようにも聴こえないし(笑)」

――いやいやいや(笑)。

「僕らの場合、『閃光ライオット』で優勝して以降、レーベルもついてくれて、僕らの規模に対して絶対に多い数の聴き手がすでにいたわけですよ。その人たちと一緒に僕らは成長してきたし、その人たちと――喧嘩じゃないですけど、その人たちの反応にムッとして『こういう曲を出してやるんだ』ってやったりもしてたし。仲よしこよしでファンとやってきたわけではないと思ってるんですね。お互いに『裏切られた!』っていうタイミングって絶対あっただろうし。そうやって僕らは、自分たちの音楽を、今の形に仕上げてきたと思っているので。その関係って、僕らにとっては大きな財産でもあるし、それに苦しめられてきたこともあったし。『一緒に人生を過ごしてる』っていう感覚が、僕らのファンとか、僕らを気にかけてくれてる人たちの中にある気がしていて。でも、それが当時、周りからは『温室育ち』みたいな感じで見られてたのが、ギャップで嫌だったんですけど。むしろ、そこにいたからこそできた成長だなと思っていて。だからたぶん、このメンバーはいつも、ファンとの関係性を重要視してるのかなって。それが僕らの音楽を作ってるので」

メンバーみんな真面目だし、一緒にいて飽きないんですよね。で、飽きない相手と一緒にいると、冒険できるんですよ

――DISC1には新曲“4匹のくじら”も収録されています。

「古いカントリーとか、ブルースの元になったような感じの曲とか、みんなでやりたいよねって話をちょうどしてたりして。僕ら全員、Galileo Galileiが活動していた当時、イギリスのボンベイ・バイシクル・クラブっていうバンドが大好きで、めちゃめちゃ意識してたんですよ。そういうのも思い出したんですよね。もっとキラキラと、インディーロックを追いかけてたなあと思って。Galileo Galileiって、BBHFとかwarbearと違って、『現実からどういう逃げ方をするか』をずっと追っかけてきてると思っていて。それを思い出しました、“4匹のくじら”をレコーディングしてて。歌詞も自ずとスラスラッと出てきて。『ああ、そうだ。俺ってこういうことを歌ってたんだ』っていうことを思い出してるから、それについて書こうと思って。今まで楽曲に出してきた、自分が気に入ってるテーマを並べて、一個のお話にしたのが“4匹のくじら”ですね」

――今の音の肉体で、バンドの原風景を見てるような感じですね。

「そうですね。『こういう物語がありました』っていう曲です。で、その後どうなりますか?って」

――「その後」はこれから始まっていくわけで。いろんな再始動の形があると思うんですけど、ちゃんと「前に進むための再始動」だなあと思って。今日の話を聞いて、ますます楽しみになってきました。

「メンバーみんな真面目なので。お互いの関係性についても真面目だし。すごく長く一緒にいるんですよ。岩井くんとかもBBHFのプロデュースをやってくれたりして。BBHFのDAIKIくんもそうですけど……一緒にいて、飽きないんですよね。で、飽きない相手と一緒にいると、冒険できるんですよ。ガリレオのメンツは――さすがの和樹に対しても、弟に対しても飽きてない(笑)。最近は和樹も、めきめきと何かを得ていて。最近は曲も書いたり、和樹の曲が僕のデモのアイデアになったりもしてるぐらいで。すごく面白いですよ、メンバーが。だから、すごくいい形でスタートできるし、ツアーが本当に楽しみなんですよね。Galileo Galileiが作ってきた物語、これから新しく作っていく物語を、どれだけ素敵な形でみんなの思い出に残せるか?ってすごく考えてて。照明とかも大事だし、仕掛けも作りたいなと思って……ずっとワクワクして準備してるんで。幸せなことだなと思ってるし。それはファンが作ってくれたことなんで。相棒じゃないけど、ツーカーの仲でいたいなって」

――ツーカーの仲だけど、気は抜くなよ、っていうことですね。

「そうですね。俺らも気が抜けないから(笑)。みんなが作った僕らだよ、って」

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