01.虚空ヲ掴ム
02.THE ONLY WAY
03.賽の河原
04.THE VOID
05.DOUBLE-BLIND DOCUMENTS
06.SPECULATION
07.露命
08.BEYOND THE MOUNTAIN
09.SEE OFF
10.BASIS
11.新曲
12.FAR FROM...
13.遠国
14.警醒
15.鼎の問
16.初期衝動
「原発事故、楽しくねえ。なのになんの補償もしない政府、楽しくねえ。NO NUKES、俺はこの楽しいイベントが、早くなくなることを願ってます。ありがとうございました」
という言葉に続いた“鼎の問”では、ヴィジョンに福島第一原発で働く男たちの写真と名前とコメントがひとりずつ映しだされ、その合間に、作業中の原発内部の写真や、原発付近の町や山や海の写真がはさまれていく。オーディエンスみんな、じいっとステージに集中している。
RONZIのライド・シンバル連打で始まったラスト・チューンは、最新アルバム『超克』のオープニングを飾る “初期衝動”。BRAHMANの音楽は、ライヴは、というか存在そのものは、常に「で、おまえはどうすんの?」ということを聴き手に突きつけてくる。震災前からそうだと思う。ライヴが終わって4人がステージを下りたあともしばらくの間、 TOSHI-LOWの「どこで無くした衝動」というシャウトが脳内でループしているような感覚に囚われた。
ステージ転換の間を使って、昨日と同じくドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて 第二部』のトレイラー映像(http://nuclearnation.jp/jp/part2/)がヴィジョンに映し出されたあと、SEの“最後の国(Introduction)”が鳴り響く中、ACIDMANが登場。
次の“アイソトープ”は、ギター・リフとオーディエンスのレスポンスのかけあいでスタート。ますますフロアの温度が上がる。曲終わりでサトマ、思わず「みんな熱いねえ、最高だー」とひとこと。続く4曲目は「静かな曲もあればラウドな曲もある」とか「アンビエントな曲もあればストレートな曲もある」ではなく「1曲の中にすべてがある」このバンドの特性がダイレクトに出た“FREE STAR”だった。
01.リピート
02.造花が笑う
03.アイソトープ
04.FREE STAR
05.赤橙
06.アルケミスト
07.EVERLIGHT
08.Stay in my hand
09.ある証明
(encore)
10.ALMA
「MCしづらい空気に、あの人はしてくれましたねえ」
フロア、ドッと笑う。しかし、さっきいじられたことに対して絶妙な返しのセリフをキメて拍手を浴びたり、「こういうことを言ってるときれいごとって言われる。でも、2年前にも言ったけど、ミュージシャンがきれいごと言わないで誰が言うんだよ」という言葉にさらに歓声が起こったりしたあと、「福島の富岡町に年に1回行っています」という話を始める大木。インディー時代に一緒にやっていたスタッフが富岡町の人で、現在も避難生活をしているそうです。「その人とインディー時代に作った曲、聴いてください」と歌われたのは、“赤橙”だった。曲が終わってもドラムは止まらず、サトマがフロアにハンドクラップをうながし、そのまま“アルケミスト”へ。
アンコールは“ALMA”。「TOSHI-LOWさんなんて絶対元不良じゃん。なんで不良の言ってることのほうが正しいんだろう、といっつも思うんだよね。こんなイベント、早くなくなってほしいし」という言葉に続き、“ALMA”をどんな思いを込めて書いたのかを語り、「坂本さん、難波さんが元気になることを願って、“ALMA”、聴いてください」と、歌い始める。最後にもう一発どーんと盛り上がって終わり、というのとは正反対の、3日間のエンディングだった。で、最高のエンディングだった。
まさに“ALMA”もそうだが、3・11以前に書かれた曲なのに、今聴くとそれ以降に書かれたようにしか思えない曲が、この3日間でたくさんあった。全5アクト、すべてがライヴの現場で鍛えぬかれてきた人たちだったが、観ていてはっきりとわかるほど、「『NO NUKES』だから」ということを念頭に置いた上でステージに立っていた。そして、驚くほど、どのアクトもすばらしいライヴ・パフォーマンスをやった。そんな3日間だった。(兵庫慎司)