「SINGLE JUKE BOXにようこそー! 今日はこんな感じで、60分のノンストップ・ミックス! 激しいナンバーだけじゃなく、こんなふうにメロウなナンバーも。次は “Hey,Brother”(映画『間宮兄弟』主題歌)。監督と皆さんに捧げます!」とRYO-Zが挨拶するのも束の間、ヒット・シングル乱舞のミックスは続く。イントロでRYO-Z×SUが鮮やかなダンスを決める“黄昏サラウンド”は、個人的に好きなSUのヴァースがカットされていてちょっと残念だったけれども、それぐらい矢継ぎ早な展開なのである。で、文末に載せたセット・リストを見て頂ければ分かると思うのだが、この辺りの序盤戦はメロウ・チューンの固め撃ちになっている。ということは、このままシングル曲のノンストップ・ミックスが続くとなると、後半戦はマジで休む暇もないアッパー・チューンの連打となってしまうわけだ。
くるりとコラボした“ラヴぃ”から“GALAXY”という繫ぎがいいなあ、と惚けていると、突然金髪のヘアピースを被ってシャ乱Q“いいわけ”を歌い出したり、縄跳びを始めてしまったりと予想外の遊び心が盛り込まれて気が抜けない。“FUNKASTIC”以降は熱く濃密なファンキー・タイムに突入し、「雨の中ありがとう。ビッチョビチョだねえ。そういうの大好きだ!」「今日は思う存分、嫌なモヤモヤとかを吐き出していってください、お手伝いします!」と言葉を投げ掛ける。更には、テック・ハウスに踊る“ブロウ”から纏わり付くような“熱帯夜”でコール&レスポンスを巻き起こし、ここに来て快速ドラムンベースとタオル回しでかっ飛ばす“JOINT”である。
ロレッタ・ハロウェイ“Runaway”が鳴り響く中、ツナギの上半身をはだけて半袖シャツ姿になり、意気揚々と「お風呂に入るためだけにジムに行くんですが、昨日のライヴが終わって、今日またジムに行ったら、体重が2キロ減ってました。楽しく遊んで、楽しく痩せる、RIP SLYMEです」と語るRYO-Z。FUMIYAは、メンバーから飛び交う言葉をカットアップして遊んだりしている。そしてこの後には、このところ制作に打ち込んでいたという新曲のお披露目タイムへ。「身も心も移り気な女の子の歌で、でも俺のものにはならない、みたいな……」「ヤリマンですね」「ヤリマンて言うな。まあビッチですね」と紹介された“POPCORN NANCY”は、ギター・リフ押しのブギーなトラックかと思えば、後半はラテン・パーカッションが前面にせり出すという、リップの雑食グルーヴが全開になったナンバーだ。続いてもう一曲のシングル“FEEL”は、「自分だけの高まり、俺たちだけの高まり。“SLY”に続く、オトナなダンス・チューン」と説明された、ピアノのリフレインにも彩られる煌めきの一曲である。
アンコールでは、シングル・ボックスを模したディスプレイ用オブジェを来場者にプレゼントするための抽選が行われ、はたまたPESが「縄跳びを成功させたい。出来るはずなのに、出来ないと思われるのが嫌だな」と負けん気を発揮。ILMARIの縄跳びの中に飛び込んで見事に二人跳びを成功させていた。「自分たちで大道具も兼ねるという、身ひとつで見せるライヴでした(笑)」という言葉の後には、インディーズ時代からのフレッシュなラップ・リレー“UNDERLINE NO.5”を決め、あらためてスタッフとファンに感謝の言葉を投げ掛ける。来年にはニュー・アイテムを届けてビシッとツアーしたい、という意気込みも語ると、コール&レスポンスから突入する“マタ逢ウ日マデ”で、今回のパフォーマンスはフィニッシュ。FUMIYAがリフターに乗り、「ADIOS!」の文字を貼付けて手を振るのだった。
RIP SLYMEは12/23に、所属レーベル主催の「unBORDE Xmas PARTY 2014」に出演を予定し、その翌日12/24には恒例のクリスマス・ライヴ(今回のタイトルは「CHRISTMAS ON THE BEACH」)を開催する。さて、こうなると年末COUNTDOWN JAPAN 14/15のライヴはどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。こちらの出演は12/28、18:00からEARTH STAGE。ぜひお楽しみに。(小池宏和)
■セットリスト
01.STEPPER'S DELIGHT
02.Dandelion
03.BLUE BE-BOP
04.ロングバケーション
05.One
06.Hey,Brother
07.黄昏サラウンド
08.STAIRS
09.SPEED KING
10.Hot chocolate
11.雑念エンタテインメント
12.楽園ベイベー
13.ラヴぃ
14.GALAXY
15.FUNKASTIC
16.ジャングルフィーバー
17.太陽とビキニ
18.ブロウ
19.熱帯夜
20.JOINT
21.SLY
22.POPCORN NANCY
23.FEEL
24.Tales
25.I・N・G
26.RUN with...
27.SCAR
28.Good Day Remix
29.Good Times
(encore)
30.UNDERLINE NO.5
31.マタ逢ウ日マデ