BIGMAMA@Zepp Tokyo

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「今日は全国のお母さん……と我々BIGMAMAが、1年に一番大騒ぎする日でございます!」と語りかける金井政人(Vo・G)の言葉に、むせ返るようなフロアの熱気と歓喜がさらに高まっていく……最新アルバム『The Vanishing Bride』のリリースツアーとして約半年に及ぶ『The Vanishing Bride Tour 2015~消えた花嫁を探せ!~』を開催中のBIGMAMAが4年連続で行った「母の日Zepp Tokyoワンマン」、今年のタイトルは「The BestMAMA's Day 2015」。文字通り、BIGMAMAの道程と「今」が放つ輝度と強度の極致を結晶させた、全編クライマックス的な名演だった。

BIGMAMA@Zepp Tokyo
「昨日2アシストを決めたあの方が海外からお祝いに駆けつけてくれました!」という陰アナウンスとともに登場したサッカー日本代表・本田圭佑……に扮したじゅんいちダビッドソンとの「BIGMAMA!」「グラッチェ!」コール&レスポンスに沸いたフロアを、冒頭の“the cookie crumbles”であっさりシンガロング&クラウドサーフの嵐へと叩き込んでみせるBIGMAMAの5人。リアド偉武(Dr)&安井英人(B)の疾走ビートのタフな安定感、金井&柿沼広也(G・Vo)のギターアンサンブルのエッジ感、東出真緒(Str・Vo)のヴァイオリンの荘厳な美麗さ……エモ/ロック/メロコア/クラシックといった多彩なルーツが、BIGMAMAという強靭な音の肉体へと昇華され、この上ないスケール感と包容力をもって響き渡る。「嬉しいな。今日はみんなの声がでかい気がするよ。イタリアからのゲストのおかげだと思う(笑)」と語る金井の表情も満足げだ。

BIGMAMA@Zepp Tokyo
中盤の「裏ベスト」的コーナーでは、メンバー各自のコメントとともにおすすめの曲=金井“春は風のように”(「季節柄そろそろやり納めかなって」)/東出“俯瞰show”(「この規模での『指パッチン』を聞きたい」)/柿沼“MISSION 481”(「昔作った時に『キター!』と思った。でも金井先生の歌詞がまさかの下ネタ」)/安井“Lovescape”(「一番好きなシャッフルのリズムの曲」)/リアド“『それはきっと天使が長く勤まらない理由』”(「あんなに速い曲が好きだった俺らが、なんでこんな綺麗な曲を?って今でも思う」)を披露。そして、「我々BIGMAMAは『今』がベストなんです!」という金井の宣誓から、『The Vanishing Bride』ツアーを高純度凝縮したアグレッシヴな後半へ突入。“Flameout”“Lovers in a Suitcase”など『The Vanishing Bride』曲はもちろん、“荒狂曲"シンセカイ"”“No.9”“Swan Song”といった『Roclassick』シリーズの楽曲も織り重ねて、狂騒の果てに無上の祝祭感を描き上げていく。「僕らの音楽には、不幸を遠ざける力があると、今も信じています。僕らの、バンドの人生を懸けて、あなたたちの不幸を遠ざけようと思います」という金井の言葉とともに本編最後に鳴り渡ったのは“Sweet Dreams”。渾身の力で響かせる《死ぬまで覚めない夢》が、満場の大合唱とともに広がって、至上の風景を繰り広げていた。

BIGMAMA@Zepp Tokyo
「名前に引っ張られて、BIGMAMAはすっごい大きくなって、すっごく愛のあるバンドになれるんじゃないかなって」「また生まれ変わってやるとしても、バンド名はBIGMAMAがいいなと、最近は思うようになりました」……そんな金井の言葉に拍手喝采が湧き起こったアンコールでは、“母に贈る歌”“CPX”に続けて「宇宙初披露の新曲」を披露。4つ打ちのハイブリッドなビート感と圧巻の表現力を織り重ねて、「BIGMAMA新次元」への期待感を強烈にかき立ててみせた。ラストの“until the blouse is buttoned up”では再び登場したじゅんいちダビッドソンとともに観客が高々とタオルを掲げ、割れんばかりの歌声がZeppの空気を震わせていった。「母の日だけは、来年も再来年も空けておいてくれませんか?」と繰り返し呼びかけていた金井。真摯な探究心と闘争心が、一点の曇りもないロックの開放感を描き出した、最高の一夜だった。(高橋智樹)


[SET LIST]

01.the cookie crumbles
02.#DIV/0!
03.かくれんぼ
04.Paper-craft
05.Mr.& Mrs. Balloon
06.Jeffrey Campbellのスケートシューズで
07.秘密
08.君想う、故に我在り
09.春は風のように
10.俯瞰show
11."MISSION 481”
12.Lovescape
13.『それはきっと天使が長く勤まらない理由』
14.Flameout
15.荒狂曲"シンセカイ"
16.神様も言う通りに
17.No.9
18.ワンダーラスト
19.Lovers in a Suitcase
20.Theater of Mind
21.Swan Song
22.A KITE
23.Sweet Dreems

(Encore)
24.母に贈る歌
25.CPX
26.新曲
27.until the blouse is buttoned up
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