さあ、2日間を締め括る大トリは、3年連続出演のthe telephonesである。「メトロック」の語感は、石毛 輝(Vo・G・Syn)のあの突き抜けたハイトーンでコールされると本当にカッコいい。つい3日前に活動休止前最後のワンマン(初の武道館)を繰り広げたばかりのthe telephonesは、今回も“Monkey Discooooooo”に“D.E.N.W.A”と過剰なヴォルテージで必殺曲を連発。“Yeah Yeah Yeah”での長島 涼平(B・Cho)は、もの凄いベース音を繰り出している。芝のフィールドで繰り広げられるDISCOタイムは、ハイテンションなのに何か伝統的で身近な、盆踊りでも踊っているような既視感を伴っていた。ロックやパンクの意味が時代によって変化してきたように、テレフォンズはDISCOの意味を変えた。the telephonesに親しんで来た人にとって、DISCOには新しい、特別な価値が含まれているのだ。
「こんな、オリコン1位もとってないバンドを大トリにしてくれて、どうもありがとう。でもそんな数字とかじゃなくて、純粋に音楽を好きでいてくれるみんなに、最大級のリスペクトを捧げます」と石毛が告げて、フィールドに巨大なサークルが生まれた本編最後の曲は“Odoru~朝が来ても~”だった。更にはアンコールに応えて“Love & DISCO”でカチ上げると、総合プロデューサーの山本たかお氏(テレビ朝日)を迎え記念撮影。ひたすら高揚しつつもちょっと切ない、なんとも言えない記憶をメトロック史に刻んだのだった。(小池宏和)