Superfly@幕張メッセ イベントホール

Superfly@幕張メッセ イベントホール - all pics by 渡邉 一生all pics by 渡邉 一生
今年1月末にスタートして、全国11公演のスケジュールで繰り広げられたSuperflyキャリア最大規模の「Arena Tour 2016 “Into The Circle!”」。昨日の名古屋日本ガイシホールの2デイズをもって、全公演ソールドアウトという大成功のうちに幕を下ろしたわけだが、本項ではツアー初日となった1月30日・幕張メッセ イベントホールの模様を振り返ってみたい。

ファンキーなアフロジャズのオープニングSEに乗って、大きな羽根飾りの付いた帽子を被るSuperfly=越智志帆が、満面の笑顔を浮かべつつ先頭を切ってステージに姿を見せる。バンドメンバーをひとりずつ迎え入れてハイタッチを交わし、総勢7人のバンドで“Rollin’ Days”を繰り出すオープニングだ。大ぶりでブルージーなギターリフがSuperflyらしいライヴ体験に巻き込む“How Do I Survive?”へと繋いで、越智は「アルバムツアーとかじゃないので、皆さんもドキドキしていたんじゃないでしょうか。今回は、昔の曲から最新の曲まで、いろいろ盛りだくさんです。巨大な音楽のサークルを作っていけたらなあ、と思います!」と、アリーナツアーの趣旨を伝えるのだった。

Superfly@幕張メッセ イベントホール
その言葉どおり、サイケデリックな照明演出とエキサイティングなインプロを絡めてヒートアップする“誕生”など、歴代のアルバム曲も放たれる。“愛をこめて花束を”では楽々と歌メロをオーディエンスに委ね、まだライヴ序盤であるにもかかわらずほとんど最高潮と言える高揚感を生み出してしまっていた。ツアー「“Into The Circle!”」は、バンドメンバーがどんどん増えてくる、という趣向が凝らされており、メインとなるレッドステージから、アリーナ内に設置されたサブのグリーンステージへと移動する。

そのグリーンステージでは、サックス、トランペット、トロンボーンの「間一髪ホーンズ」が加わり、ギターとキーボード、パーカッションというハーフアコースティック編成によるトロピカルアレンジの“愛と感謝”を披露。素晴らしかったのは続く“マニフェスト”で、スウィンギン&ブルージーな、BPMゆったりめのじっくりと響かせるプレイになっている。リアレンジのおもしろさと、楽曲本来の真の強さが、どちらも光る名演になった。

Superfly@幕張メッセ イベントホール
さらに、紙吹雪舞うアリーナ内の通路を抜けて向かうのはブルーステージ。こちらでは、「声一発クワイア」と呼ばれた男女コーラス隊と共に、「小さい頃に思い描いた夢とかを、思い出しながら聴いてもらえたら」と、“プリマドンナ”の甘く優しい絶品ドゥーワップ・アレンジが届けられる。続いてゴスペルコーラス風の“輝く月のように”や、「あたし拍手がすごい好きで。すごいパワーがあって、疲れが吹っ飛びます。あたしからみんなに贈りたい」と、ヒューマンビートボックス入りの“スタンディングオベーション”でコール&レスポンスを巻き起こすのだった。豊かなコーラスの中から越智志帆の強烈なヴォーカルが抜け出てくる、という一幕だ。

コーラス隊がオーディエンスを導く形でメインステージに戻ると、バンドが「“Into The Circle!””」テーマ曲をセッションして、越智志帆の「新しいステージの幕を開けましょう!」という影ナレが聞こえてくる。メインステージは無数の白いバルーンを背景にしたホワイトステージへと変貌し、進むべき道を眩く照らし出す“Beautiful”に続いて、天井知らずのワクワク感をもたらすラテンファンクの新曲“新世界へ”が披露されるのだった。

Superfly@幕張メッセ イベントホール
最新アルバム『WHITE』の楽曲群がガンガン上昇線を描き出しつつ、「もっともっと大きなサークルを作りましょう!」と煽り立てる越智志帆は、率先して今のSuperflyのライヴを楽しみ尽くすかのように高く飛び跳ねて“タマシイレボリューション”を歌い上げてゆく。リボンやフープを携えたダンサー陣が舞い踊る“919”を経て、本編ラストを飾るナンバーは『WHITE』以降の新たなポップテイストが注ぎ込まれた“黒い雫”だ。背景のバルーンが黒く染まって溢れる演出から白黒の巨大バルーンがフロアに投入され、あらゆる音と熱狂を歌心に集約させてゆくようなステージは締めくくられた。

壮麗なサウンドに彩られた“On Your Side”でアンコールの催促に応えると、越智志帆は「たくさんの人がSuperflyに関わって、刺激的な変化が、ひとりでは描ききれない大きな円が生まれました。いつもSuperflyのそばにいてくれてありがとうございます」と語り、果敢に前へと進み出る“Wildflower”を、オリジナルよりもぐっと温かみに満ちたパフォーマンスで披露した。ルーツと未来、さまざまな人が織りなす現在を、彼女は大きな感謝と喜びをもって繋げてみせた。自由に、新たな命が吹き込まれる往年の楽曲群。そして新曲。すべてが意義深く感じられる、濃密なステージであった。(小池宏和)

●セットリスト

01. Rollin’ Days
02. How Do I Survive?
03. Beep!!
04. 誕生
05. 愛をこめて花束を
06. 愛と感謝
07. マニフェスト
08. プリマドンナ
09. 輝く月のように
10. スタンディングオベーション
11. Beautiful
12. 新世界へ
13. A・HA・HA
14. 愛をからだに吹き込んで
15. Alright!!
16. タマシイレボリューション
17. 919
18. 黒い雫
(encore)
19. On Your Side
20. 凛
21. Wildflower
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