KEYTALK@CLUB QUATTRO
2016.04.28 20:00
ひと月後の5月24日からは全国ツアーもスタートしようというところだが、それに先がけてこの4月に東名阪クラブクアトロの近距離戦で繰り広げられている「クアトロ灼熱の小旅行 〜燻らせ肉の雫〜」。4/15・渋谷クラブクアトロ、4/25・名古屋クラブクアトロ、そしてファイナルは4/26・梅田クラブクアトロ。当然の如く全公演がソールドアウトである。その初日・渋谷公演の模様をレポートしたい。昨年秋の武道館後初音源となる、4人がそれぞれ作詞・作曲を手掛けた4曲の『HELLO WONDERLAND』を引っ提げ、次なる快進撃を宣言するような熱いステージになった。

密度の高い歓声が上がると、それを横一線に並んだ首藤義勝(Vo・B)、八木優樹(Dr・Cho)、寺中友将(Vo・G)、小野武正(G・MC・Cho)の4人が真っ向から受け止めて拳を突き上げながらスタート。さっそく盛大なクラップとコールを巻き起こし、オーディエンスを黒いうねりのように跳ね上がらせ、踊らせてしまう。確かに、いきなりそれかよ、というえげつない選曲ではあったのだけれど、それだけではなくてKEYTALKのサウンドの質が変わっている。『HELLO WONDERLAND』の音源に触れたときにも感じたのだが、4人のアクロバティックな機動力はそのまま、一発一発の音のウェイトが増している感じなのだ。とても迫力に満ちている。

最新シングルの4曲はもちろんだが、キャリアを広く見渡したセットリストでガンガン飛ばしてゆく。なんでそれだけ頭を激しくシェイクしながら、その鮮やかな単音ギターメロが弾けるんだ、という“サイクル”の後に武正は「いやー、アツいね、アツい!(暑い、なのか熱い、なのか、両方なのか分からないのでカタカナ表記)まるで夏ですね!!」と楽しそうに告げて、夏を先取りするような1曲へと飛び込んでゆく。まだまだ序盤のはずなのに、フロアはもう春とは思えない、ムワッとした温度と湿度が立ち込めていた。がっちりとハーモニーを歌い上げながらも、巨匠・寺中を中心にわちゃわちゃとじゃれたりしつつステージが進む。
錐揉みするようなコンビネーションから爆走する“color”や、記憶の中の青春の1ページに目一杯胸を焦がす“グローブ”の合間に、メンバー4人の個性が最新の形で結実する4曲も繰り出されていった。義勝作の“HELLO WONDERKLAND”は八木の猛烈なビート連打にバンド一丸の鮮やかな転調が映え、義勝ならではのセンチメントとロマンを抱えたままひた走る。一方、借り物の赤いSGは自分と同い年であることを伝える武正は、シニカルな視線で抉る詩情を通じて夢の形を捉え、踊るようなギターフレーズをぶっ放していた。
そして、オートチューンを噛ませたメタル焼肉アンセムで肉の雫を滴らせる巨匠作“One side grilled meat”は、リリース日の2日後であるにも関わらず、オーディエンスにがっちり分かち合われていて見事だ。4曲のうち最後に届けられたのは八木による“Combat Song”だったが、ゴリッゴリの推進力と実にエモーショナルなサビメロが歌詞を運ぶさまが素晴らしかった。途中、“夕映えの街、今”で巨匠のギターにトラブルがあったのかハンドマイクで歌いまくる場面があったり、いわゆるメロイックサインを作った手で人差し指と小指がくっつく、という義勝の特技(?)にフロアがどよめく一幕もあったが、ほぼ休みなく楽曲群を畳み掛け、何よりも楽曲の力でフロアを笑顔まみれ汗まみれにしてしまうライヴだった。
「2013年ぶりのクアトロワンマン、ってツイートしたんですよ。そしたら、二千年以上活動されてるKEYTALKさん、って(笑)。日本語って難しいね!」と告げる武正は、武道館ライヴ映像作品に『HELLO WONDERLAND』、5/18の『MATSURI BAYASHI』とリリースが相次ぐことを語り、5月からの全国ツアーも始まらないうちに9月の東名阪ツアーを発表(詳細ニュース記事はこちら→http://ro69.jp/news/detail/141799)。「今年もKEYTALK、攻めていきますんでよろしくお願いしますー!!」という宣言も残してゆくのだった。初の武道館ライヴという大きな節目に大勢のファンと感動を分かち合ったあと、この4人だからこそ、というクリエイティヴィティを爆発させて勢いよく新章に突入してみせたKEYTALKは本当にすごい。(小池宏和)