HAWAIIAN6 @ 渋谷クラブクアトロ

『Mr.200% tour 2008』と、なぜかプロレスラーのリング・ネームが冠されたHAWAIIAN6のショート・ツアー、そのファイナルが渋谷クラブクアトロにて開催。最終日のゲストは怒髪天、BEAT CRUSADERS、そしてFUCK YOU HEROES。当然のことチケットは即完となり、クアトロはTシャツ姿のキッズで超満員となった。

トップを飾ったのは大先輩・怒髪天。年明け1月7日リリースの“労働CALLING”など、世知辛い人生の悲哀をタフに笑い飛ばす痛快R&E(リズム&演歌)を威勢よく畳み掛ける。が、しかし――初見のお客さんも多かったからか、いささかアウェイなムードが……(なんでも怒髪天の出演はソールド・アウトしてから公表されたそう)。そんな空気を察してボーカルの増子、「しょ〜がないよね、ハンバーガー食いに来たのに豚汁出されたみたいなもんでしょ? でも言っとくけど俺ら楽屋での支持率は高いよ(笑)。ワンマンでやればいいのにねぇ」と自虐トーク炸裂で場内大爆笑。一気にキッズのハートをワシ掴み、ついには<生きてるだけでOK!>(“全人類肯定曲”)と大合唱を巻き起こす始末。見事な人心掌握ライブに感心&興奮しきりのステージだった。

二番手は“SASQUATCH”のSEに乗って登場したBEAT CRUSADERS。「シブヤ〜! 感じろぉ!!」とカトウタロウの絶叫で“CUM ON FEEL THE NOIZE”を繰り出すや、フロアにはオイ・コールとダイバーが続出! 堰を切ったような壮絶なフォーヴァーっぷりとなった。バンドも目下『popdod』ツアー真っ最中とあって、“BE MY WIFE”、“SHOOTING STAR”と、波長の合いまくったタイトなバンド・アンサンブルで突っ走る。恒例のオ●ンコールも盛大に(ヒダカは東京のオ●ンコールを聴くと「帰ってきた〜」という気持ちになるそう・笑)、本気汁ほとばしるライブ・アクトにとにかくシビれました!

続いては、HAWAIIAN6とパンク・フェス『1997』も共催する文字通りの盟友・FUCK YOU HEROES。セッティング時からドガドガドガッ!と本番さながらの爆音を響かせていた3人だが、“Doing life”で幕を開けるやエンジン全開で怒涛のファスト・チューンを絨毯爆撃! サークル・モッシュに沸くフロアにアンドリューの鬼のツー・バスが油を注ぎ、目も眩むような熱狂のもとクアトロをグッチョグチョに掻き回したFUCK YOU。まだライブ観たことないって方はバンド名を冠した渾身のライブDVDが出たばっかなんで、マストでチェックを!

時刻は21時20分。おなじみの“DANCING QUEEN”のSEにのって、いよいよHAWAIIAN6の登場だ。ステージ前に駆け出してTORU、腕を振り上げてオイ・コールをアオり、「YO、YO、YO、シブヤYO! Mr.200%ツアー・ファイナルへようこそ!!」となぜかラッパー調のHATANO。そして一発目の“THE LIGHTNING”が放たれるや、ダイブにモッシュにシンガロングにと、たちどころに狂騒的なクライマックスがクアトロに出現! 続けて“AN APPLE OF DISCHORD”、“Shadows Of The Sun”、“A CROSS OF SADNESS”と息つく間もなく畳み掛ける。中盤にHATANO、今回のツアー趣旨についてMC――「これはレコ発でもねえし、自分たちの尊敬する先輩や仲間をひとつでも多く見てもらいたいと。昔で言う“ブッキング”ってやつ。それをツアーにしただけなんで」。リスペクトしてやまないバンドたちの熱演とフロアの熱狂を受けて、いよいよ気合漲るハワイアン。シーン随一の熱血漢バンドだからして、本気で挑めば挑むほど倍返しの熱意で応えてくれる3人なのだ。そんな分かち難い信頼関係のもと――わずか30分とファイナルにしては短めのショート・ステージだったが――バンドもキッズも正しく200%のフル・パワーで完全燃焼。アンコールの“Rainbow, Rainbow”で再び絶頂を刻み、ファイナルは大団円を迎えた。そうそう、MCでハッチャンが言ってました。「来年はアルバムを出すつもりです」と! 「まだひとつも曲できてねぇけど(笑)」という注釈付きだったけれど、来年夏には『1997』も開催するとのことなので、ハワイアンのイヤー2009はヤバいことになりそう!!(奥村明裕)
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