“The Power Of Love”で幕を開けたこの日のステージ、前半はゴージャスな生オケをフィーチャーしたアップテンポなヒット曲の連打で、セリーヌは「みんなと一緒にこうしてツアーを始めることができて嬉しい、初日でちょっと緊張しているけど」と言いつつも、そのパフォーマスは声の艶、ハリ、物理的声量も含めて頭から完璧に仕上がっている。この日のショウは途中でバンドのインスト演奏によるインターミッションを数回挟み、そこがセリーヌの衣装変えとブレイク・タイムとなっていたが、それ以外の時間は一瞬もダレることないプロフェッショナルなステージングで、曲のキーを落として歌うこともほとんどない。ベテラン・シンガーとしては稀な若々しさなのだ。「次は映画の主題歌です。ああどうしよう、曲名ど忘れしちゃった……(ジェスチャー付きで)ほら、あれよ、水に沈むやつ……深く沈んでいっちゃうやつ」とセリーヌ。ここで我々は誰もが「『タイタニック』! こんな中盤でもうやっちゃうの??」と思ったわけだけれど、始まったのが『デッドプール2』の主題歌“Ashes”で、「ああそっちか!」となる数万人。『デッドプール2』の劇中映像をバックにセリーヌがドラマティックなバラッド・チューンである本曲を朗々と歌い上げる、かなりシュールかつ贅沢な時間だった。
中盤はキャロル・キングの“The Reason”のカバーや、セリーヌのフランス語曲として最大のヒットとなった“Pour que tu m'aimes encore”など、しっとり歌い上げるバラッド系のナンバーが続く。セリーヌが最愛の夫、レネを亡くした2016年にP!NKが彼女のために書き下ろしたナンバー“Recovering”の熱唱は、歌と共に生き、歌によって生かされてきた彼女の宿命をも感じさせる痛切なパフォーマンスだ。そこから“All by Myself”の圧巻のアカペラに至る流れは、この日のクライマックスのひとつだったと言っていい。
そして後半、バイオリンとチェロの四重奏をバックにしたアコースティック・セットから、バンドが主役のファンク・セッション(マーク・ロンソン“Uptown Funk”やジェームス・ブラウン“Sex Machine”などの豪華メドレー)を挟み、プリンスの“Kiss”、“Purple Rain”をソウル・ディーバ・モードで歌い上げるセリーヌとバンドの掛け合いが、『ソウル・トレイン』みたいなノリで最高に楽しい! アイク&ティナ・ターナーの“River Deep, Mountain High”のカバーも含め、90分歌いまくった最後の最後で最もフィジカルでタフなナンバーを立て続けに歌いこなしてしまうという、底なしのパワーなのだ。そしてアンコールはもちろんこの曲“My Heart Will Go On”。映画『タイタニック』と共に会場の数万人のそれぞれの中で20年以上にわたって記憶されているこの曲を、その美しい記憶を損なうことなく今まさに再び昇華していくような、セリーヌの歌声にはそんな崇高な永遠が宿っていた。(粉川しの)
※レポートは東京公演(6月26日)のものですが、ライブ写真にはラスベガス公演のものも含まれています。
なお、このライブの模様はWOWOWで8月25日(土)にオンエアされることが決定している。番組情報は以下。
●番組情報
「セリーヌ・ディオン ライブ・アット・東京ドーム2018」
2018年8月25日(土)放送本番組ではハイブリッドキャストを活用し4K視聴実験を実施します。
放送中「4Kで見る」ボタンがテレビに表示された方は、番組を4K映像でお楽しみいただけます。【プレゼント情報】
抽選で10名様に、セリーヌ・ディオン オフィシャルツアーTシャツをプレゼント
応募期間:6月26日(火)16:00~8月31日(金)22:00
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