ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo

ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo - All photo by オイケカオリAll photo by オイケカオリ

●セットリスト
01. あつまれ!パーティーピーポー
02. Bluetooth Love
03. sweet memories
04. ウェイウェイ大学生
05. ハッピーウェディング前ソング
06. はやく返してDVD
07. メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
08. 癒着☆NIGHT
09. NO MONEY DANCE
10. ヤバみ
11. 寿命で死ぬまで
12. Give me the Tank-top


ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo
「すごいことですよ。2018年に、『(日本)武道館やるぐらいやったら、Zepp Tokyo5デイズやる』とか言って。実現しました、ありがとうございます。ただ、気づいたら、なんか、10回やることになりました」

このライブでの、こやまたくや(G・Vo)の二回目のMCより。
2020年10月3日秋田Club SWINDLEからスタートした、ヤバイTシャツ屋さん、最新アルバム『You need the Tank-top』のリリースツアー。
新型コロナウイルス禍の中にあっても、ツアーを中止も延期もせず、感染予防対策ガイドラインに沿った形で「1日2公演」という方法で、全国35日程・70公演を巡る、その68公演目であり、Zepp Tokyoの5デイズ(3月2日、3日、5日、6日、9日)×2=10公演の10本目にあたるステージ。
という時点で、こやま・しばたありぼぼ(B・Vo)・もりもりもと(Dr・Cho)の3人にとっても、この瞬間に立ち会えたオーディエンスにとっても、特別なライブになるであろうことは始まる前から予想できたが、その予想をはるかに超えっぱなしの、全12曲・54分だった。

ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo
“あつまれ!パーティーピーポー”で始まり、“Bluetooth Love”、“sweet memories”、“ウェイウェイ大学生”、“ハッピーウェディング前ソング”と、前半は曲間を空けるのも惜しいくらいの勢いで立て続けに放っていく構成。
オーディエンスも、“Bluetooth Love”のサビではMVのあの振付で応える。「ルールの範囲でどれだけ楽しめるかな!?」というこやまのアオりから始まった“ハッピーウェディング前ソング”では、バンドの音と張り合う勢いで、ハンドクラップが響く。
その5曲を終えて、笑えて、しょうもなくて、グダッとしている、いつものヤバTなノリのMCを挟んだが、3人がそういうゆるい空気を作ったのは、この時だけだった。
あと、歌っている時は気にならなかったが、このMCの時に、こやまの声が嗄れていることに、気がついた。

ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo
ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo
「ヤバTの中のいちばん重たい曲聴いてください!」という紹介からの“はやく返してDVD”で、中盤スタート。続く“メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲”には、間奏で「しゃがめしゃがめ!」とオーディエンスをしゃがませてジャンプさせる、「10-FEET方式」の演出があるが、今日はこやま、「さあ全員座れ座れ、イスがあるから座りやすい!」。
そして、“癒着☆NIGHT”、“NO MONEY DANCE”を経て、冒頭で紹介したMCを挟み、ラスト3曲へ。

ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo
“ヤバみ”で、またハンドクラップの渦を巻き起こしてから、「今日はZepp5デイズ、ヤバイTシャツ屋さんの夢がまたひとつかなう日なんで、今までまだ一回しかやってない曲ですけど、特別な日なんでやります」と、“寿命で死ぬまで”を披露。
“気をつけなはれや”、“サークルバンドに光を”、“ゆとりロック”といった、「こやまたくやが本音だけを叩きつけた曲」の系譜にある、かつ、それらの中でももっともシリアスで切実な思いをこめて書いたこの曲を、今日、ここで、2公演目で、どうしても歌いたかったのだと思う。
3・11の時も実感したが、天災や疫病で世の中が窮地に陥ると、「自分の音楽になんの意味があるのか」という疑問と対峙せざるを得なくなるミュージシャンは多い。無理もないと思う。というか、当然そうなると思う。
が、しかし、そんな中にあっても、《あなたが居ないと寂しいけど/音楽の力はまじで凄いから/平気で何処までも届くと思った/大きい声で歌った》と堂々と歌うこやまは、本当にかっこよかった。で、そう歌う資格がある、数少ないボーカリストである、とも思った。

ヤバイTシャツ屋さん/Zepp Tokyo
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「ライブハウスに早く日常が戻ってきますように!」という雄叫びから始まった“Give me the Tank-top”でライブを終わらせたあとも、3人はしばしステージに残った。というか、こやまがしゃべりを終わらせないので、しばたともりもとも、ステージから去れない、という風情だった。
こやまは、とにかくステージから去りたくない、このライブを終わらせたくない、という気持ちだったのだと思う。涙をこらえながらしゃべっているような瞬間もあって、こっちも、また、グッときてしまった。(兵庫慎司)


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