あいみょんの青春が詰まったHY・大塚 愛との愛溢れる競演! 対バンツアー「ラブ・コール2」全公演レポート〜Part1・名古屋編〜

●6.26 vs. 大塚 愛

あいみょんの青春が詰まったHY・大塚 愛との愛溢れる競演! 対バンツアー「ラブ・コール2」全公演レポート〜Part1・名古屋編〜
そして翌日。この日のゲストはあいみょんとは初対面だという大塚 愛。“CHU-LIP”でパワフルにライブをスタートさせると、キュートなボーカルに一気に会場は沸き立った。着けていたサングラスを外して“PEACH”へ。思いっきり飛び跳ねながら歌う大塚の姿にオーディエンスも乗せられて力強くハンドクラップ。もちろん一世を風靡した大ヒット曲というのもあるが、前日に引き続いてこの日のお客さんもちゃんと楽曲を大切にしている。そして瞬く間に全員を巻き込んでいく大塚の求心力もさすがだ。

あいみょんの青春が詰まったHY・大塚 愛との愛溢れる競演! 対バンツアー「ラブ・コール2」全公演レポート〜Part1・名古屋編〜
2曲を終えて「あいちーん!」と客席から声が飛ぶ中、「こんばんは、大塚あいみょんです!」と挨拶する大塚 愛。なんでも、彼女は自身のライブで時折こうやってあいみょんの名前を使って自己紹介しているらしい。「暑かったね、今日。そんな中みんな来てくれた。でも残念、もっと暑くなる、ここ!」と気合十分の言葉に拍手が送られる。「こんなイベントに呼んでもらえるとは。びっくりしちゃって、どこのあいみょんかと思いました。本物だったね」と対バンに呼ばれた喜びを口にすると「だから今日は、全曲あいみょんに歌ってほしいなと思うセットリストで固めました」と宣言して、「暑いので涼しげな曲を」とキーボードの前に座り弾き語りで歌い始めたのは彼女を代表するバラード“金魚花火”。イントロからあたたかな拍手が広がり、みんなその切ないメロディに聴き入っていた。さらにこちらも名曲“プラネタリウム”。“金魚花火”同様弾き語りから始まり、そこにバンドが入ってきて、大きなブレスから大サビへ。息を呑むような迫力に、オーディエンスも圧倒されたように静まり返った。

「いやー、名古屋あったかいね」。“ネコに風船”を終えて嬉しそうに笑顔を浮かべる大塚。「もうあとラスト2曲やから。みんな、あいみょんに会いたいやろ、正直」と笑いを取りつつ、「ホッティーなやつでいくから!」とライブはラストスパートに入っていく。ハードなギターリフに思わず体が動く“ゾッ婚ディション”では大塚と一緒にオーディエンスもジャンプ。ポップなメロディが弾け、どんどん会場のボルテージは上がっていく。時折客席を指さしたりしながら率先して飛び跳ねる大塚もノリノリだ。

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そしてここで投下されたのがご存知“さくらんぼ”! 待ってましたとばかりに客席は沸騰状態に突入していく。手を振りながら、ステージを右に左に動き回り歌う大塚。もちろんお客さんの合いの手も「もういっかい!」のかけ声もバッチリ。「歌えますか?」という言葉にサビの大合唱が巻き起こった。「サンキュー、あいみょん! 最高の時間をありがとね」とライブは大団円……かと思いきや、これでは終わらなかった。「……やっぱり、あいみょんが歌ってくれないとつまらないんじゃない?」と言って「みょーん!」と声をかけると、袖からあいみょんが飛び出してくる。

裏で「大塚あいみょんです」と言っているのがバレて呼び出されたのかと思った、とか言いつつ「なんで呼んでくれたんですか?」とあいみょんに尋ねる大塚。「なんでやろ」と首を傾げながら「ソロの女性アーティストの方と一緒にやることってほとんどなくて。それで『おるやん、関西人の!』って」とあいみょんが答えると、大塚は「おるおる、ずっとおる」と大きく頷く。大阪・住之江出身の大塚と兵庫・西宮出身のあいみょん、関西人同士の軽妙なトークはまるで漫才のかけ合いのようだ。

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そんなふたりで「せっかく音楽で繋がっているので、漫才よりは……」と、声を合わせてのタイトルコールから一緒に歌ったのは、あいみょんのリクエストだという“ビー玉”。1番を大塚が伸びやかに歌うと、2コーラス目ではあいみょんが全力で追いかける。大塚はあいみょんの声を「純度が高い」と表現していたが、それは大塚も同じ。のびのびと広がるふたりのボーカルに会場も盛り上がる。最後はふたりで顔を寄せ合ってゴール。会った瞬間にグッと距離が近づいたふたりの絆が見える、最高のコラボレーションとなった。


あいみょんの青春が詰まったHY・大塚 愛との愛溢れる競演! 対バンツアー「ラブ・コール2」全公演レポート〜Part1・名古屋編〜
そんな大塚 愛のステージを経て始まったあいみょんのライブは、当然ながら最初から大盛り上がり。オーディエンスの手拍子がのっけから鳴り響き、センチュリーホールは心地よい一体感に包まれる。“桜が降る夜は”の落ちサビを歌うあいみょんの声はどこまでも透き通るようで、先ほど大塚 愛が言っていた「純度」という言葉がしっくりくる。「名古屋2日目、ようこそ! 改めまして、大塚 愛です!」と意趣返しの自己紹介を繰り出すと、みんなが大塚を「あいちん」と呼んでいることに触れて「でも、私もほぼあいちんやんな? いいよ、私のことも『あいちん』って呼んで」と言うと、さっそく客席から「あいちーん!」の声が飛ぶ。それを受けてノリノリで“CHU-LIP”を一節歌い始めるあいみょん。今日も心から楽しげである。そして「今回の『ラブ・コール』っていうのは私が好きなアーティストさんにラブ・コールをかけて、それを受けてもらってっていうツアーなので、みんなより私のほうが好きなのよ。だから感情が忙しくて。先に出られるやんか。なんか、モチベーション上がるどころか下がんねん。『めっちゃ盛り上がってんねんけど』『ヒット曲多すぎー!』みたいな」と独特の表現でこのツアーの面白さを語る。

前日のライブ後の打ち上げで今日の大塚 愛のセットリストを見ながらバンドメンバーやスタッフと盛り上がったらしく、「こんなことが起きるなんて思ってなかったし、みんなが盛り上がってるのを見て私も嬉しかった」と感無量の様子だ。「私も負けじと喋り、歌い、とやっていきたいと思います」とライブを再開すると、その後もステージは終始楽しげにノリノリで進んでいった。MCもノリノリで、曲が止んだ合間に「あいみょーん!」と名前を呼ばれると「だから『あいちん』だって、忘れんな!」と切り返しながら、「対バンには対バンならではのいいところがあるじゃない? ああやって歌わせてもらったりさ……私も歌ってよかったんや、“プラネタリウム”とか。でも私は歌えるなら、バラードだとあれをやりたいな、“黒毛和牛上塩タン焼680円”」といきなり歌い出す。「はい!」とマイクを客席に向けるとお客さんも声を合わせて《お味はいかが?》。なんというか、あいみょんのゲストに対するリスペクトや愛情が、きちんとファンにも伝わっている感じにほっこりする。前日のHYもこの日の大塚 愛もあいみょんにとっては青春のアーティスト。「みなさんがいなかったら私は音楽に出会っていなかったかもしれないし、同じステージに立てていることが……マジ、神」という言葉に喜びが溢れていた。

あいみょんの青春が詰まったHY・大塚 愛との愛溢れる競演! 対バンツアー「ラブ・コール2」全公演レポート〜Part1・名古屋編〜
そのほかにも、この間ひとりで名古屋に来てロングコートダディのライブを観たとか東山動植物園の名物コアラ「おもち」がかわいいとかのご当地トークも繰り広げつつ、ライブ後半ではアコギをかき鳴らしながら“ふたりの世界”を披露。軽快なリズムの中、もちろんみんなで《セックス》コールで盛り上がる(歌い終えて「大塚 愛さんのファンのみなさん、言わせてごめんなさいね」)。そして終盤ではこのツアーで演奏するのはこの日だけかも、という“彼氏有無”。バンドメンバーが鳴らすロックンロールサウンドに乗ってリラックスした表情で歌うあいみょんが、会場をさらに一段盛り上げていった。そして最後の曲を前に憧れ続けてきたアーティストと同じステージに立った名古屋の2日間を振り返って「マジ平成! 『平成エモい』ってどこがエモいねんって思ってたけど、この2日間エモかった!」と総括すると、「私もいつか、もっと長く音楽やって、『あいみょんさんの音楽聴いて始めました』っていう子に出会ってみたい」と決意を新たにしたあいみょん。自身の原点を振り返るような、そして音楽への愛を確かめるような2日間は、こうして幕を下ろしたのだった。(小川智宏)

あいみょんの青春が詰まったHY・大塚 愛との愛溢れる競演! 対バンツアー「ラブ・コール2」全公演レポート〜Part1・名古屋編〜

AIMYON vs TOUR “ラブ・コール2”
2024.6.25&26 名古屋国際会議場 センチュリーホール

●HY/セットリスト(6.25)
01. no rain no rainbow
02. AM11:00
03. Ocean
04. 帰る場所
05. 三月の陽炎
06. 366日(Official Duet ver.)
07. ベンジャミンベンジャミン
08. 明日種~アシタネ~
09. ワラッタラッタ
10. ホワイトビーチ

●大塚 愛/セットリスト(6.26)
01. CHU-LIP
02. PEACH
03. ⾦⿂花⽕
04. プラネタリウム
05. ネコに⾵船
06. ゾッ婚ディション
07. さくらんぼ
08. ビー⽟


Part2・福岡編(w/ドミコ・yonige)
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