UNISON SQUARE GARDEN @ 赤坂BLITZ

UNISON SQUARE GARDEN @ 赤坂BLITZ
UNISON SQUARE GARDEN @ 赤坂BLITZ
UNISON SQUARE GARDEN @ 赤坂BLITZ - pic by TSUKASA MIYOSHIpic by TSUKASA MIYOSHI
赤坂BLITZに足を踏み入れると、まずステージ上部に設置されたオブジェのような格子状のセットが目に飛び込んでくる。真っ白で、潔癖な、真四角の物体。フロアには同じく真っ白の3本のラインが描かれていて、主役の存在を無言のうちに告げている。1階席はもちろん、2階席までオーディエンスでいっぱいとなった場内。さぁ、いよいよUNISON SQUARE GARDENのツアー・ファイナルが幕を開ける。

定刻を5分過ぎた18:05、鈴木(Dr)、田淵(B)、そして斎藤(Vo/G)と、メンバーがひとりずつオン・ステージ。興奮を抑えきれないオーディエンスをなだめるように、ゆっくりとした足取りで。そして、しばしのチューニングの後、いきなり耳を劈くような大爆音で一曲目“カラクリカルカレ”へ! 一時に「ワ――ッ!!」という大歓声が沸き起こり、なんだか訳のわからぬまま絶頂点に達してしまったBLITZ。「UNISON SQUARE GARDENへようこそ!」と斎藤がシャウトし、間髪入れず“サンポサキマイライフ”に雪崩れ込めば、オーディエンスも声を限りに叫び、目いっぱい腕を突き上げて応えている。その熱狂を前にして、「興奮するね!」と斎藤。「後ろの方まで全部観えてるから。(2階席を見渡して)いつもお世話になってる関係者さんも今日は容赦しないよ!」と笑顔で全面闘争宣言! “若手ギターロック・シーン最強”と言って過言じゃないリズム隊を原動力として、そして切実で説得的な斎藤のハイトーン・ボーカルを突破力として、どこまでもボルテージを高めていくユニゾンであった。

全国22ヵ所のツアーを経て、よりタフになった3人のステージングには頼もしさすら感じられたけれど、なかでもベース・田淵の暴れっぷりは尋常じゃなくて、「あんたはTHE BACK HORN菅波かい!」と突っ込みたくなる鬼のようなパフォーマンスには終始圧倒されっぱなし。もしユニゾンに対して“下北界隈の青春的なギターロック・バンド”という偏狭なイメージを持っておられるとしたら――僕自身、少し前までそうだったのだけれど――その野心的かつ好戦的なステージを目の当たりにしたら一発で考え変わると思う。昨年末、BRAHMANの主催イベントにゲスト出演した彼らを観てつくづく思い知らされたから。「これは、すごいライブ・バンドだ!」って。逆に言えばまだ音源としてバンドのすべてを伝えきれていないとも言えるわけで、そのあたりが今後のユニゾンのひとつの命題と言えるかも知れない。

中盤には、ツアー中に作ったという新曲も披露され、その力強くもキャッチーな曲調で既発曲に劣らぬ盛り上がりを見せていた。その後にプレイされた“WINDOW開ける”の、動と静の振れ幅はものすごいもんだったし、終盤の「赤坂のみなさんにパーティの時間を用意しました!」(斎藤)と披露されたダンス・ナンバー“MR.アンディ-party style-”ではBLITZ中がダンス! ダンス! ダンス! ミラーボールのきらめくなか誰よりも踊り狂っていたのが実のところベース・田淵であって、その超人的なスタミナにはほとほと感服……(単純に生き物としてスゴい!)。

最後は「ここからがUNISON SQUARE GARDENのクライマックスです! いくぞ、アカサカ!!」と斎藤が幾度もフロアをアジテートして、“ガリレオのショーケース”→“センチメンタルピリオド”と怒涛の勢いで疾走。減量には失敗したものの(ファイナルまでに「3kg減」を宣言したドラムス・鈴木だったのだけれど、結果1kg増!笑)、急成長っぷりをまざまざと見せつけて全国ツアーを大成功におさめたユニゾンだった。たしかな実力とスター性も兼ね備えたこの共鳴は、まだまだデカくなるぞ!(奥村明裕)
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