LOW IQ 01 presents MASTER OF MUSIC @ JCBホール

LOW IQ 01 presents MASTER OF MUSIC @ JCBホール
LOW IQ 01のソロ生活10周年を記念するアニバーサリー・イベント「MASTER OF MUSIC」(通称“イッチャン祭り”)が遂に開催! っちゅうことで、イッチャンを祝い上げようとたくさんのキッズ(オーバー30な元キッズも多数!)が詰めかけ、早くからお祭りムードに沸くJCB HALL周辺。エントランスにはお祝いの献花がズラリと並び、場内は一種異様な高揚感に沸きかえっている。パーティへの準備は万端だ。

17時を少し回ったころ、おなじみのSEが場内に響き渡ると同時に、耳を劈くような歓声が沸きあがった。そう、トップバッターはBRAHMAN! 昨年7月に同会場で行われた「AUTONOMY」ツアー・ファイナルの熱演が未だ記憶に鮮明なブラフだが、今夜のステージもスゴかった。何しろいきなりカバー・アルバム『HELLO! LOW IQ 01』に提供した「WHAT'S BORDERLESS?」で無数のダイバーを量産。フロアに歓喜の地獄絵図を現出させ、なんとお次もイッチャンの代表曲「SUPER STUPID」! と思いきや、イントロだけで「The Void」へ急旋回! と、この夜ならではの粋なセットで場内を沸きに沸かせ、その後も息つく暇もない怒涛のメドレーを展開。マイク・スタンドをへし折る勢いで振り回し、「もっとこいや!」と言わんばかりのジェスチャーで扇動するTOSHI-LOWを筆頭に、血の滾りまくったバンド・サウンドで会場は極限までヒート・アップ。ラストの「THE ONLY WAY」(TOSHI-LOWがフロアへダイブ!)まで、文字通りフル・スロットル&ノン・ストップで駆け抜けたBRAHMANだった。

続いては、イッチャンらに多大な影響を受けて育った“AIR JAMチルドレン代表”と言えるACIDMANが登場。今年6月にはイッチャンとBEAT BREAKER名義でスプリット・ツアーを巡り、公私ともに良好な師弟関係(?)を築いている両者だ。がぜん気合い漲る3人は、オープニング「CARVE WITH THE SENSE」から苛烈なアンサンブルでJCBを牽引。ベース・佐藤がステージ前で幾度も腕を突き上げてオーディエンスを焚きつけ、「FREE STAR」では盛大なハンドクラップが場内に響き渡った。「イチさん、ソロ10周年おめでとうございます!」と最初のブレイクで大木。「いつも相談にのってくれたりして、俺にとってイチさんは良きアニキ。本当に尊敬してます。今日のメンツも、俺らが学生の頃から聴いてたバンドの人たちで、ずっとトップを走り続けてる人たちと同じ舞台に立てて本当に幸せです!」と興奮を隠し切れない様子だ。「俺らちょっと下の世代ですが、ジャンルもちょっと違いますが、気持ちは一緒です。この場所がひとつになればいいなと思ってます」と続けて「ファンタジア」へ。JCB HALLにロマンチシズム溢れる、雄大なサウンド・スケープを広げてみせた。最後に「ありがとう!」と繰り返して降壇する3人に、オーディエンスから万雷の拍手が送られた。

しばしの転換の後、ステージ上に「Ken Band」と記された小さな旗がセットされる。そして、盛大な歓声を浴びて”ケニー”ことKen Yokoyamaがオン・ステージ! Tシャツに短パン姿で登場したケニー。愛器・イグアナを抱え「Cherry Blossom」からライブをスタートさせれば、フロアは瞬く間にダイバーの嵐! ペットボトルもポンポン飛び交い、JCBの熱気はアッちゅう間に沸点に達してしまった。なおもケニー、「Come on, Guys!」と扇動し、「Puressure」、「Believer」と畳みかける。一転、MCでは「市川くん、ご入学おめでとうございます! いや、ご卒業おめでとうございます!」と笑いを誘いつつ、「俺は、祝うつもりは全然ない」と意味深に語りはじめるケニー。「まだまだ先は続くわけだし、10周年だからなんだってところはある。いや、悪い人だと思わないで。俺、ホントいいヤツなんだって!(笑) でも、ひとつのことを10年続けるって、結構大変だと思わない? だからなんだって感じなんだけど!」と、いささか煮え切らないケニーだったのだけれど、「早く言ったら?」とJun Grayがけしかけて遂には「市川くん10周年おめでとうございます!!」と大声でシャウト!(笑) 共にシーンを作り上げ、相応の歳月を経た今でも戦友・イチがこうして最前線で活躍してくれていることに感激を禁じ得ないケニーだったのだった。ラストの「I Go Alone」では「I Love You 01!」と心からの気持ちを届け、持ち時間をオーバーする熱演でイッチャンの新たな門出に花を添えた。

時刻は19時50分。いよいよ本日の主賓にして主催者のお出ましだ。場内が暗転すると、ステージ前面に降りた垂れ幕からBACK DROP BOMB・TAKAが姿を現し、「Are You Ready? Are You Ready!?」とフロアを焚きつける。そして、「Please welcome, LOW IQ 01 & MASTER LOW!!」とのイントロダクションで幕があけると、MASTER LOWの重厚なバンド・サウンドがホールに共鳴。TAKAからマイクを受け取ったイッチャンがダブルのスーツ姿で颯爽とステージに登場し、「F.A.Y(FIGHT AGAINST YOURSELF)」から一気呵成にキック・オフ! 続く「NEVER SURRENDER」ではステージ後方にイッチャンの名を刻んだ巨大なバック・ドロップが掲げられ、地鳴りのような歓声を引き起こす。さらにギア・アップして「MAKIN' MAGIC」に雪崩れ込めば、「ナーナナッナナナー!」の大合唱と共に場内の熱気は早くも最高潮へ! 盛り上がれば盛り上がるほどテンションを加速させるお祭り男・イッチャンのこと。ステージを所狭しと走り回り、オーディエンスとハイタッチを交わしたり、「NEVER SHUT UP」では『HELLO! LOW IQ 01』でカバーしてくれたTHE BAWDIESの歌マネやったりと、観衆の目と耳を釘付けにして意気軒昂にパフォームしていくのだった。

序盤を駆け抜けてイッチャン、「今日最高だね。ホントに最高! いいショーやりますよ、バッチリなライブやりますんで4・6・4・9!!」と得意満面に告げて、さらに「No Shame」、「SWEAR」と歴代の代表曲で畳みかけていく(続く「Rules」ではTOSHI-LOWがイッチャンとツイン・ボーカルを披露!)。 いずれの楽曲も、とにかくチアフルな音楽的高揚感に溢れていて、繰り返し聴いては励まされてきたものばかり。だもんで、なんだか自分自身の10年史を振り返るような気持ちにもなってしまって勝手にグッときてしまった筆者だったのだけれど、イッチャンもMCでは感慨深げに語っていた―「ひと言でいっていい? ……幸せです! 捨てたもんじゃないですね、ボク(笑)。ずっとね、オレは何をしてきたのかなって考えてました。音楽がなかったら、まぁ半人前以下だね。ギターとか持って、やっとこういう感じになれました。ありがとうございました!」と、自分を育ててくれた恩寵ともいうべき音楽に深い感謝を。そんなイッチャンに惜しみない賞賛の拍手が送られた。

終盤も「WAY IT IS」、「Super Prodigy」と畳み掛けて本編を終えたイッチャンだが、いやいや、お祭りはまだまだこれから! しばしの転換ののち、いきなりド派手なドラム・ソロが鳴り渡り、垂れ幕のむこうに現れたのはイッチャン&ツネ(恒岡章)によるLOW IQ & THE BEAT BREAKER! 転換でのクール・ダウンを帳消しにするヒート・アップで「五日はまた雪」を畳みかけ、続く「LITTLE GIANT」ではイッソンこと磯部正文(MARS EURYTHMICS、ex.HUSKING BEE)も登場して勇猛なボーカルを響かせた。さらにダブル・アンコールではベースのシゲを加えたLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSとして「GAME」を、そこにMASTER LOWの面々も加わって、怒涛のツイン・ドラム編成で「T・O・A・S・T」をプレイ! ACIDMAN・大木&一吾が乱入し(ステージ袖も仲間たちでいっぱい!)、狂騒的なお祭り騒ぎに沸き返った場内。「MASTER OF MUSIC」は、そんな目もくらむような大フィーバーのもとフィナーレを迎えたのだった。最後に「オレ、音楽やっててよかった!!」とイッチャン。末筆ながら10周年マジおめでとうございました。そして、今日からの次の10年も4・6・4・9!(奥村明裕)
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