ACIDMAN @ ZEPP TOKYO

12月22日の日本武道館を最終目的地として、この夜を皮切りにスタートしたトータル21本の全国ツアー“A beautiful greed”。ZEPP TOKYOのフロアは、もう人っ子ひとり入る隙間もないほどチョー過密状態!(2階席から観ると、まさしく“人海”って言葉がぴったりの光景だった)。オーディエンスの熱気あふれる待望感のなか始まったステージは――初日とあってまだセット・リストなどの詳細は明かせないのだけれど――ちょっと圧倒されてしまうほど、ロック・バンドのコンサートとして既に完成された域に達していた。

なにしろ3人の演奏は極めてアグレッシブかつアキュレイト(精密)だったし、ニュー・アルバム収録曲を軸として、緩急巧みにACIDMANソングスを散りばめたよく練られた構成だったし(なんと言うか、「序」をスッ飛ばしていきなり「破→転→急!」って感じ?)、大木の歌声も伸びやか、かつ、声量豊か。また、MCでも真摯にオーディエンスに語りかけ、時に大いに笑わせ、時に胸に迫る言葉で会場を沸かせた。例えば序盤に一悟――「記念すべき“A beautiful greed”初日へようこそ! 今日から21本のライブ・ツアーが始まり、ファイナルの日本武道館へ向けて走り出します。各地で会場を揺らしまくっていこうと思ってるんですけど、まずはスタート・ダッシュが大事でございますから、ZEPP TOKYOの熱い、熱い、熱い、気持ちを見せてください4649!」。そして大木――「1年以上ぶりですけど、ワンマンってホントに楽しいです。ありがとうございます! (場内を見渡して)なんか上手く言えないですが、こういう景色を1秒たりとも忘れないように、すごく刻んでライブをしたいと思います」。さらに中盤に大木――「俺、すごく宇宙が好きで(笑)。たった何十年だけの人生じゃくて、僕らはもともと、僕らだった前は“何か”だったわけで。それを考えると何億年、何十億年と、何かしらであったわけで……そこで、こういう場所で、同じ時代に生まれて、たまたま巡り会って、同じ時間を共有できるというのはとても奇跡的なことだと思います」。

また、前回のツアーでは一悟のダイエット企画が話題を呼んだが(一時78キロだった体重が、なんと現在64キロ!)、今回は一悟の“改名”が裏テーマとなっているそう。なんでもネットで試した姓名判断の結果がありえないくらいの“凶”で、怖くなってちゃんとした鑑定師に観てもらったところ極めて苦々しい顔をされたそうで(笑)、このツアーを機に転生を計りたいとのこと。果たして武道館で一悟はどんな名前でステージに立っているのか、こちらも密かに楽しみである。

とにかく今のACIDMAN、過剰な期待も数段上回るライブをカマしてくれると思うので、“A beautiful greed”ツアー参戦予定の方は乞うご期待!(奥村明裕)
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