ORANGE RANGE @ 東京国際フォーラム ホールA

ORANGE RANGE @ 東京国際フォーラム ホールA
ORANGE RANGE @ 東京国際フォーラム ホールA
ORANGE RANGE @ 東京国際フォーラム ホールA
8月に出たニュー・アルバム『world world world』のリリース・ツアー、今日は5000人キャパの国際フォーラム・ホールA。って、これはホール・ツアーなんだけど、これと並行して、ライブハウス・ツアーも行っている。さらに、その2本のツアーが全行程終わったあとには、2月20日にさいたまスーパーアリーナも控えている。
という、3部構成というか、3部同時進行というか、2部同時進行・追加で1部、みたいなことになっているORANGE RANGE。なので、セットリストや細かい演出はまだ書けませんが、1回目のMCで、YAMATOはこんな内容のことを言っていた。

「今日は、みんなの持っているORANGE RANGEのイメージとは違うライブだと思いますが、最後まで楽しんでいきましょう」

正にその通りのライブだった。要は、当然『world world world』の曲をいっぱいやるわけで、そしてあれは以前からこのバンドが持っていた音楽雑食性のキャパを目いっぱい広げた作品だったわけで、それはあたりまえに「ミクスチャー中心、ちょっとエレクトリック」みたいなORANGE RANGEの王道な範疇を、大幅に踏み越えたライブになっていた、ということです。
過去の代表曲もやったけど、過去の代表曲なのにやらなかった曲もあった。そういうバランスだった。つまり、「安定」と「冒険」でいうと、明らかに後者に軸足を移したライブ。

ただし。ほんとにすごかったのは、そういうライブであるにもかかわらず、「正にその通りのライブだった」ことだ。
何それ。それはさっき書いたでしょ。いや、さっきのは、「みんなの持っているORANGE RANGEのイメージとは違うライブ」にかかっていて、今のは、「最後まで楽しんでいきましょう」にかかっています。つまり、最後まで楽しんでいけたのだ。俺がじゃなくて、いや俺もだけど、それだけじゃなくて、ホールを埋め尽くした5000人の、おそらくほぼ全員が。

ニュー・アルバムの曲のゾーンに入っても、「踊れない」「跳ねられない」曲が続くブロックになっても、「早く踊れる曲やってくんないかなあ」「昔のあの曲聴きたいなあ」ってムードにならない。客席を見渡しても、不思議なくらい、みんなニコニコと楽しんだまま。なんでだろ。あ、でも俺もだ。早く“ロコローション”やってくんねえかなあ、とか思ってないもん、今。(注:で、やったかやらなかったかは書きません)そんなことよりも、今目の前で起きている音楽のほうが面白くて、そういうことを思うのを忘れてた。
終始、そんな感じだった。で、そのままアンコールまで終わってしまった。

要は何が書きたいのかと言うと、ORANGE RANGEの実験って、ポップなのだ。ということだ。人なつっこいのだ。誰も拒絶しないし、広く拓かれているのだ。正直、アルバムを聴いた段階では「これ、ライブだとしんどいかもなあ」と思ったところもあったんだけど、逆だった。むしろ、ライブのほうがよりいっそう、しっかり届くものになっていた。

それは、「実験的でもポップなものにしないと」みたいな意識から生まれたものでは、たぶんない。ただ、自然にやるとそうなるのだと思う。逆も言える。ものすごいキャッチーでベタでおいしくて、「うわあ、やられたあ。売れるわこりゃ」みたいな曲、ORANGE RANGEにはいっぱいあるけど、それらの曲にもそういう作為的なものを感じないのだ。ただ自分たちが面白いと思うものを作ったら、そうなった感じなのだ。いや、実際は、狙って作っているところもあると思うけど、にもかかわらず、そういういやらしさを感じない、という話です。で、そこがとてもいいなあと思う、という話です。

ステージ上の、メンバーのたたずまいを観ても、いつもそう思う。特にフロントの3人。
RYO、HIROKI、YAMATOの、あのバランバランな格好。まったく統一のとれていない、曲ごとのステージ上での動きかた。ゆるいアクション。スタイリストついてたりとか、舞台監督が演出を考えていたりとか、そういう匂いがしない。
いや、したっていいんだけど。あと、実はそれも戦略で、そういう「演出っぽさがないというふうに見せる演出」なのかもしれないけど。でも好きだ、あの感じ。なんで。自由を感じるからだと思う。というか、自由って、立派だったりすばらしかったりするもんじゃなくて、ああいう、なんかこう、ダラーンとしたもんなんじゃないの? という気がするからだと思う。

観ていて文句つけたくなったのは、2ヶ所だけ。ひとつは、ブログにも書いたけど、個人的にとても楽しみにしていたある曲を、前半にあっさりやられてしまったこと。「ええっもう? 後半にやってよぉ」と、食前酒の次にメインの肉料理を出されたみたいな気分になりました。
あともうひとつは、MCで、「メッセージを伝えたい」「僕らのメッセージが」みたいなことを、何度か言っていたこと。説明しなくても大丈夫、充分伝わってるよ、と思いました。(兵庫慎司)
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