ゲット・アップ・キッズ @ 赤坂BLITZ

ゲット・アップ・キッズ @ 赤坂BLITZ
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ゲット・アップ・キッズ @ 赤坂BLITZ
ゲット・アップ・キッズ @ 赤坂BLITZ - ゲストはCOMEBACK MY  DAUGHTERSゲストはCOMEBACK MY DAUGHTERS
2005年に解散、しかし2008年に突発的な再結成を遂げ、ついに来日ツアーでカムバックを果たしたThe Get Up Kids(以下ゲットアップ)。3月4日に大阪BIG CAT、3月5日に名古屋CLUB QUATTROと巡り、今夜の赤坂BLITZファイナルもキッズ(および多数の元キッズ)でソールド・アウトの大盛況だ。一時期雨後のタケノコのごとく発生したエモコア・バンドの先駆として、一部ではWEEZERやJIMMY EAT WORLDと同等か、あるいはそれ以上にリスペクトされ続けている彼らの根強い人気を感じさせる光景に、がぜん期待感は高まる!

オープニング・アクトは、このツアーの全カ所をサポートしたCOMEBACK MY DAUGHTERSフロム・ジャパン。1曲目“Spitting Kisses”からエモーショナルなプレイで場内の熱を高めていく。「今日は、というか、このツアーに誘ってもらえてホントに光栄です。最後まで楽しんでいきましょう!」とボーカルの高本。メンバーが心から敬愛し、またサウンド・メイクにおいても少なからぬ影響を受けてきたゲットアップとの共演とあって、本当に楽しそうなメンバーの笑顔が印象的。中盤にはゲットアップのギタリスト・ジムのテーマ・ソング(?)=“酒ジム”って曲のカバーも披露し(勢い一発のショート・チューン!笑)、会場のムードをみるみるワームアップ。「僕もよく海外のバンドのライブ観に行くんで、皆さんの気持ちはわかります(笑)。でも、最後に一曲だけ、ゲットアップがまた日本に来てくれるように盛り上げましょう!」(高本)とエバーグリーンな佳曲“Bored Rigid”で清々しくライブを締め括り、主役にバトンを継いだCOMEBACKだった。

転換も10分を過ぎると、フロアからは開演を促すホイッスルや「フォー!」という歓声が飛び交う。そして、時刻は20時10分。大きな喝采を浴びて遂にゲットアップがオン・ステージ! ちょっぴり丸くなったマットが「ハロー、ウィー・アー・ゲットアップキッズ!」と呼びかけ、ギターのスクラッチ音と共に鳴らされたのは、そう、大名曲“Holiday”! フロアのお客さんは文字どおり飛び上がってフリーク・アウト。クラウド・サーフも次々に巻き起こって、BLITZの熱気はアッちゅう間に最高潮となった。続けて“I'm a Loner Dottie, a Rebel...”、“Coming Clean”と曲が鳴らされるたびフロアはいちいち大熱狂。「ユー・ガイズ・アー・ベリー・ラウド!(笑)」とマットも笑っちゃうくらい特大のシンガロングも沸き起こり、「みんな、本当にゲットアップを待ち望んでいたんだなあ」とひしひしと感じ入ってしまった。残念ながらベースのロブの来日が叶わず、代わりにバンドと仲の良い友人である元Waking Ashlandのネイトが参加(スタッフ・パスにロブの写真がプリントされていて、メンバーを大爆笑させたそう)。マットの精悍なボーカルを前面に押し出したサウンド・プロダクトで、“Overdue”、“The One You Want”、“WOODSON”と歴代の名曲を躍動的にプレイしていく。「ちょっと時間はかかったけど戻ってこれて嬉しいよ。何度でも戻ってくるから!」とギター・ジムもMC。とにかくフロアのお客さんが饒舌で、「Mass Pike! Mass Pike!」とシャウトするオーディエンスに「大丈夫、後でやるから(笑)」とマットがなだめるような場面も。そんなふうに、フロアとステージの距離がとても近くて、みんなが同じ想いを共有する同志とでもいうような温かいムードは、身を置いていてじんわりと心地良いものだった。

まさしく全編がハイライトと言えるステージだったが、やはりゲットアップ屈指の名バラッド“Mass Pike”プレイ時は格別。あのピアノ・フレーズが鳴りわたると、自然とフロア中にハンドクラップが広がり、みんなであのアドレッセンスで哀切なサビメロをシンガロング。まるで世界から一切の不協和音が消え去ったような、心穏やかでピースフルなひと時だった。バンドはダブル・アンコールにも応え、「じゃあ、あと一曲だけ」と“酒ジム”をプレ(笑)。<♪サケサケサケサケ、サ~ケ・ジム!>とCOMEBACKのCHUN2&小坂も加わってひと盛り上がりした後、「ホントに絶対また戻ってくるから!」と最後に“Action and Action”で幾度目かのクライマックスへと駆け上がり来日ツアーは大団円となった。MySpaceのブログによると、実に6年ぶり(!)の新作『Simple Science』が自主制作EPとしてリリース予定とのこと。お楽しみはまだしばらく続きそうだ。(奥村明裕)
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