キャプテン・フェニックスなどを迎えた6回目から半年、7回目の33/45 JUNKIESは、とにかく楽しく、瑞々しい後味を残してくれるイベントとなった。今回出演した3バンドはすべて、英米以外の国で結成されながら、イギリスはじめ外国からも注目、評価されている面々だ。それぞれ音楽性は異なるが、どのバンドも極めてポジティブなポップさが溢れかえっていた。
トップバッターはスウェーデンからの5人組、エンヴェロープス。トーキング・ヘッズを彷彿とさせる男の子ボーカルと変拍子、少女というか少年というか、イノセントかつ無鉄砲な子供声の女の子ボーカルのミックスを軸としたサウンドは、それだけ取ればかなり「変てこ」なもの。けれどそこは黄金メロの泉とも言うべきスウェーデンの為せる業か、牧歌的でキュートなキーボード・サウンドを絡めながら繰り出されるメロディは「ポップ」以外の何物でもない。ボーカル君のクネクネ&アイドルばりの指差しには完全降伏でした。
2組目はフランス発のブルックリン、こちらも女子メンバー1人を含む4人組だ。ストロークス、リバティーンズといった2000年代バンドの息吹を感じさせるバンドだが、それらから影響を受けたバンドが陥りがちな、うつむいてどしゃめしゃパンクやロックをやる、という方法論ではなく、あくまでも前向きなポップスになっているのがいい。マイペースかつ陽気なフロントマンのキャラクターも手伝って、シンガロング必至のシンプルなメロディ&コーラスにフロアはあっという間に熱気と一体感に包まれた。
最後を飾るのはオーストラリアからの新星オペレーター・プリーズ。以前にO-NESTでのライブを観たときは、若さで突っ走る(実年齢も平均20歳以下)パフォーマンスがとにかく圧倒的だったのだが、あれからわずか半年しか経っていないのに、佇まいが大人びているのにまずはびっくり。しかし、言ってみれば勢いだけで乗り切っていたとも言えた前回に比べ、メロウな楽曲も書けて聴かせられるということがしっかりと伝わってきた今回のライブは、これからの成長を期待させるに十分なものだった。とは言えやっぱり本編最後に投下された、“ピンポン!”と“Zero Zero”のキラー力はすさまじいものだったけれど。(羽鳥麻美)
VINYL JUNKIE RECORDINGS presents 33/45 JUNKIES @ 代官山UNIT
2008.06.07