ザ・クロマニヨンズ @ 赤坂BLITZ

ザ・クロマニヨンズ @ 赤坂BLITZ - ザ・クロマニヨンズザ・クロマニヨンズ
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『ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン ツアー』というツアー・タイトルが、折からの好天続きのおかげでどこか居心地悪そうで、クロマニヨンズのライブではもはやお馴染み前説おにいさんの第一声も「あいにくの晴れ模様となりました!」だったのが可笑しかった。が、その後に「梅雨前線ならぬロックンロール前線がやってまいりました! ロックンロールの嵐を巻き起こせ! そしてすべてをぶっ壊せ!」と続くと、早くも赤坂BLITZにはどしゃぶりロックンロールを待ち受ける熱気が充満。全国19公演を1ヶ月半で駆け抜けた『ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン ツアー』、いよいよファイナル!

去年のアルバム『CAVE PARTY』リリース時のツアーは、最低限ステージ・セットらしき装飾があったりして、一応「ロック・ショウ」としてのフォーマットを感じさせていた。が、今回は違う。バックに白幕があるだけのステージに、楽器と機材があるだけ。素っ気ないくらいシンプルなステージに現れた4人は、かけつけ3杯的な勢いで“クロマニヨン・ストンプ”“ギリギリガガンガン”“あさくらさんしょ”“東京ジョニー ギター”“連結器よ永遠に”まで15分かけずに爆走。「どんどんいくぞ!」というヒロトの声とともに、さらに“まーまーま”“うめえなあもう”。BLITZいっぱいのオーディエンス、あっという間に絶頂状態だ。

会場の熱気をざくざくと切り裂いていくマーシーのギターもスリリングだが、驚くのはやっぱりドラムだ。昨年中野サンプラザで観た時も、イスありでキャパ2000人以上の広い会場をびりびり震わせる桐田勝治のツーバス・ドラミングに度肝を抜かれたが、それをキャパ1300人そこそこの赤坂BLITZで観ると、そのすごさが改めてわかる。クロマニヨンズよりビートが速かったり派手だったりするバンドはたくさんいるが、この「普通に一般道走ってるオープンカーが実はジェット・エンジン積んでる(だからいつでも暴走できる)」みたいなタフさとヤバさを醸し出すことができるのは、クロマニヨンズの8ビートくらいだ。

一方、ヒロトのMCはといえば、「楽しんでるかー! はじめましてクロマニヨンズです。今、世界的にも珍しいチューニングというものをやっております」とか「オモロー!なことを1つだけ言います。……うんち!」とか相変わらずくだらなさの極致を爆走していたが、それがさらにフロアの沸騰具合に油を注ぐ結果となって、異様なテンションを生んでいる。そして、ひとたび歌が始まると、≪ただ生きる 生きてやる≫(“エイトビート”)のような剥き出しの闘志を吐き出すヒロト。最高だ。「じゃあまだCDに入ってないやつやりましょう!」と言って披露した、でっかいハネ系ビートが印象的な“渋滞”を経て、「ここから先はブワーッと行くので、アキレス腱を伸ばして……アキレス腱は切れると長引くので気をつけてください!」と場の空気をほぐし――“エイトビート”から一気にアクセル全開! 本編18曲がものの1時間ちょっとで終了。

アンコールでは全員上半身裸、ヒロトは「Tシャツ1枚」(Tシャツをパンツ代わりに履く)で登場。CMでお馴染みの「日テレGO! GO!」を「赤坂GO! GO!」にアレンジしてみせた後、“レッツゴー宇宙”そして“くじらなわ”。お客さんの名前を盛り込んだコール&レスポンスの前に、ヒロトがポロッと言った「ロッケンロールって当たり前でつまんないと思ってるでしょ? でも、やってみると結構気持ちいいのよ」の言葉が、クロマニヨンズそのもののような気がしてグッときた。最後は“タリホー”で完全燃焼!(高橋智樹)

1.クロマニヨン・ストンプ
2.ギリギリガガンガン
3.あさくらさんしょ
4.東京ジョニー ギター
5.連結器よ永遠に
6.まーまーま
7.うめえなあもう
8.ヒャクレンジャー
9.ゴーロマンス
10.ワハハ
11.悲しみのロージー
12.渋滞
13.エイトビート
14.夢の島バラード
15.キラービー
16.歩くチブ
17.弾丸ロック
18.紙飛行機

アンコール
19.レッツゴー宇宙
20.くじらなわ
21.タリホー
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