ゆずのデビュー10周年記念裏ベスト・アルバム(シングルが1曲も入っていない、2人の思い入れが強い曲を集めたベスト盤)『ゆずのね 1997-2007』のリリース・ツアーは、札幌・仙台・名古屋のZeppと福岡DRUM LOGOSを2人で回るライヴと、大阪城ホール1日と横浜アリーナ4デイズのライヴを行うという形で、本日は横浜の3日目。
観たことのある方はご存知だと思うが、アリーナやスタジアムでのゆずのライヴは、ライヴとかコンサートというよりバラエティショーと呼びたくなるくらい、映像があったり寸劇があったりの演出が、毎回必ずいっぱいある。今回もそうで、いや、10周年ってことでさらに気合いが入っていて、「2人で弾き語り」「バンドと一緒にやる」以外に、大きな、演出的なコーナーが3回あった。
なんだ「大きな、演出的なコーナー」って。いや、はっきり書きたいんだけど書けないのです、このツアー明日もあるので、ネタバレになると悪いから。明日来ればよかった。でも明日は明日で別のアーティストのライヴがあるので、そうはいかないのだった。
えー、とにかく、下手をすると曲を1曲も知らずに来ても楽しめそうなくらい、もっと言うと、たとえ音楽に興味がなくても面白いくらいの、サービス精神とパフォーマーとしてのプロ根性ショーに満ちたライヴをやるのが、アリーナやスタジアムでのゆずなのです。
なんだけど、いつも面白いなあと思うのが、その「歌に頼らない」バラエティーショーをやっているゆずは、アコースティック・ギターとハーモニカと歌だけという「バンドすらいなくて頼るものが歌しかない」ところから出発して、今もそのマインドを持ったままだってこと。で、このライヴでも、最も肝心なポイントになるのは、やはり2人での弾き語りの時間だ、という事実。
他に、バラエテショー的なライヴをやるアーティストというと、米米CLUBや氣志團やDJ OZMAなんかが思い浮かぶが、例えばそれらのアーティストのライヴの中で、ほぼ歌しかない弾き語りのコーナーが何度もあって、それがライヴの重要なポイントになっている、なんてことはありえないでしょ? そこがゆずは矛盾しているというか、こんがらがっているというか、業が深いというか、とにかく面白いなあと思うわけです。今日も思いました。
さらに今日は、10周年ということでその面白さ「感動」や「しみじみ」が加わって、とてもいい感じの空気になっていました。3時間20分の間に何度「ありがとう」と口にしただろうか、北川悠仁は。あと、あんなに何度も深々とお辞儀するミュージシャンを、僕は北川悠仁と岩沢厚治の2人以外知らない。それから、マイクを通していてもはっきりとわかるくらい、あんなに地声がバカでかいシンガーも、ゆずの2人以外知らない。(兵庫慎司)
ゆず @ 横浜アリーナ
2007.10.27