7月にリリースしたシングル『夏の魔物』を携えてのワンマンライブ『ENDLESS SUMMER MONSTER〜終わらないアフロ〜』at 恵比寿リキッドルーム。
鶴史上、最も大きな箱でのワンマンライブは見事チケットソールドアウトで、フロアには3人の登場を今か今かと待ち構えるお客さんでごった返していた。中にはチラホラと鶴のトレードマーク、アフロヘアで万全態勢な人も。とにかくその熱気は半端なかった。
始まるや否や、フロアにいるオーディエンスはほぼ全員手を挙げて、いきなりハイテンションに振り切れる鶴に負けじと応える! お馴染みのご挨拶、〜こんばんは鶴です〜でフロアを埋め尽くした鶴ポーズは、あまりにバッチリ揃いすぎてて本当に壮観な光景。恵比寿にかけて“恵比寿様ポーズ”で「こんばんは恵比寿です!」コールも飛び出す始末。本人たち、それをやりながら「ちょっと無理あるかな?」という苦笑が交じりながらも、無理やり貫き通してたけど…。でも、「初めての人もいると思うけど、初めてと思いません!」と宣言して、ぐいぐいオーディエンスを引っ張っていくもんだから、3曲目にしてみんなが知らない新曲を披露しても面白いように盛り上がる、盛り上がる。この新曲がまたいい! 鶴、お得意のディスコナンバーだ。
そして、“夏の魔物”ではアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディングテーマ曲ということで、なんとあの「アフロ目玉おやじ」が登場! ドラムの笠井にモロかぶりの(後のMCで笠井は「かわいいけどさ、完璧かぶってた!」と文句言ってましたが…)、でっかいアフロを装着した目玉おやじがやたら可愛らしいダンスを披露する中、夏の終わりの心地よくて伸びやかなナンバーを届けてくれた。
その後に続いた“手紙”から会場の空気は一転、バラードナンバーやアコースティックセットで聞かせるパートへ流れた。実は本編16曲のうち約半分はその聞かせる曲だったりする。鶴の凄いところは、この空気を一変させるほどの本気で泣かせるバラードを何曲も持っているところだと思う。アフロを強調したルックスと、そのルックスから想像できる通りにみんなを踊らせるキャッチーなディスコ・ナンバーで盛り上げるというのが彼らの一面でもあるけど、“手紙”もそうだし、その後に演奏された“桜”もそう。鳥肌立つような感涙もののバラードがライブの中で絶妙なスパイスとなって、メリハリのある流れを作るのだ。
そして、秋野の一人弾き語りでは、今回は木村カエラの“happiness”を披露。「歌詞が好きなんだよね〜」と言っていたけど、本当にいい詞。秋野による弾き語りでよりダイレクトに伝わってきた。
ライブ後半は“踊れない to フィーバー”“恋のゴング”“Tonightはパーティー”の3連発で大団円! オーディエンスの盛り上がりが沸点に達したところで、ここから秋野による自由奔放すぎる客いじりが始まる!「夏の魔物」にちなんで「M・S! モンスター!」とコールさせて、モンスターのような変顔をしてもらって5回も写真を撮ったり、再びアフロ目玉おやじをステージに呼び込んで「M・O! 目玉のおやじ!」コール。挙句の果てには、突然、ラッツ&スター の“め組のひと”を演奏し出して、みんなで「めっ!」と大合唱してみたり。観客を散々かき回して、ラストは目玉のおやじを大フィーチャーして終了。盛りだくさん過ぎて楽しすぎて、みんな満面の笑みを浮かべていた。
アンコールの時、秋野はMCで1年に何回もワンマンライブができることの喜びをかみ締めていた。「昔はワンマンライブなんて1年に1回できるかできないかの代物だったんだよ。バンドを始めた頃は、すごく小さなライブハウスでやって、そこでワンマンライブをやるのだって大変で・・・」。確か、私が初めて鶴を観たのは下北沢Basement Barだったなぁ、とこちらまで感慨深くなってしまった。これまでで一番大きな箱でワンマンが実現して、しかもチケットがソールドアウトで、そのライブがものすごい盛り上がりで。メンバー自身が一番嬉しかったと思う。その嬉しさが滲み出るような素敵なライブだった。最後の最後、ラスト1曲という時に、秋野のギターのチューニングがくるっていて、テンパリつつももう1回やり直すという場面もあったけど、そんなお茶目な部分も鶴らしくていい。
今日も新曲を数曲やっていたので、近いうちに新作を届けてくれるでしょう。どれもいい曲だったので、期待して待っていいと思う。(阿部英理子)
鶴 @ 恵比寿リキッドルーム
2008.09.04