エレファントカシマシ @ Zepp Tokyo

エレファントカシマシ @ Zepp Tokyo
エレファントカシマシ @ Zepp Tokyo
5月30日にリリースとなった21枚目(なのか、もう。うわあ)のアルバム『MASTERPIECE』のリリース・ツアー。なんですが、周知のとおり、ツアーのスタート直前にドラマーのトミこと冨永義之が急性胆嚢炎で入院→手術→療養、というアクシデントが起き、ツアーの頭4本であるZepp Tokyoの2デイズとZepp Nagoyaと高知BAY 5 SQUAREの4本が延期に。なので、私が観たこのZepp Tokyoの1日目は、本来ならツアー一発目になるはずだった6月1日(金)の振替公演です。で、このあともまだ全然ツアーは続くので、曲目などは何曲かしかネタバレできませんが(それもイヤな方はこの先は読まないでください)、とりあえず、本編とアンコールが終わって、私がまず真っ先に思ったことは、これでした。

トミ、前よりよくなってないか?

トミのドラム、なんかやたらかっこよかったのです。こちとらエレカシのライヴ、もう20年以上観ているわけで、そりゃあ時期によっていい時もよくない時もあったとは思うが、その歴史をふり返っても特筆したくなるくらい、よかった。ひたすらに重たい、どすんと体当たりするようなあのトミのドラムの最強ポイントが、これでもかってくらい全編に出ていた気がする。復帰できてうれしい、みたいなこともあったかもしれないけど、それだけでこんなに変わるかなあ? と、不思議になるほどでした。単に、トミが得意なタイプの曲が多かったとか、そういう理由もあるのかもしれませんが。言っておきますが、快気祝いに誉めてるのではありません。事実です、少なくとも私にとっては。いや、私だけじゃないです。「でも、そう感じてるの俺だけかも」と思い、隣にいたジャパン編集部井上貴子にきいてみたところ、「そう! 私もそう思ったの! なんでだろうね?」と、同意されたので。

で、セットリストは、ツアー中なので全部は書けませんが、でもレーベルには「何曲か程度なら」と許可をいただいたのですが、えーと、じゃあ、自分で書いてもいいと思う範囲で書きますね。まず、“東京からまんまで宇宙”“ワインディングロード”などの、ニュー・アルバム『MASTERPIECE』の曲を中心に……というか、「中心に」じゃないか。全曲やってたな。『MASTERPIIECE』を全曲、あと、“珍奇男”や“悲しみの果て”などの過去の代表曲たちを、全体の1/3くらいの曲数やってました。いや、代表曲だけじゃなかった。ここ数年、どのツアーでも必ずやっているような定番の曲もやったけど、「えっマジ?」みたいな、めったにやらない昔の曲も、2曲くらいやった。「うわ、レア!」と、大変にうれしいものがありました。
そして。このツアーを何本か観ている熱狂的エレカシファンの知人にきいたんですが、今回、毎日同じセットリストではなく、しかも「セットリストが2パターンあってそのどっちか」みたいなことでもなく、1本ずつ、ちょっとずつ、違うそうです。だから、このツアーにおいて、昨日初めてプレイされた曲もあったという。じゃあ、このあと新たにこのツアー初お披露目の曲もあるかもしれないってことか。ないかもしれないけど。あと、『MASTERPIECE』の曲を全曲やる、というのも、今後もすべてのツアーでそうなのかどうかはわからないけど。でも、うわ、そうかあ。うー、また行こうかなあ、このツアー。今日(Zepp Tokyoの2日目)は無理なんだよなあ、俺。じゃあそのあとは……と、思わずこのあとのスケジュールを凝視してしまいました。

って、また観たくなっているのは、レアな曲を聴けるかも、というだけではなく、トミがよかったからというだけでもなく、ライヴが、全体に、本当に、めったやたらとすばらしかったのだ。MC、後半に1箇所(といってもほとんどメンバー紹介しただけ)と、アンコールでちょっとだけしゃべったのの、2回のみ。あとはひたすらがんがんどんどん曲をやっていく、という構成で、それがなんだかもう「攻めまくり!」みたいなテンションで大正解。でまた、『MASTERPIECE』の曲たち、どれもいちいちいいし。
本当にテンションが上がったし、本当に元気になった、このライヴを観たことによって。本編は、「落ち込んでいる自分を鼓舞してくれる」みたいなウェットな感じじゃなくて、バカ高いドリンク剤とかイリーガルな何かのように、身体に直接ガツンと効いてくる。で、アンコールでは、うって変わってウェットに大感動、大感涙。そういうライヴでした。というのは私にとってだけで、もちろん観る人によって受け取り方はいろいろ違うだろうが、でも、「今回のツアー、なんかいまいちだったよね」って人はいないんじゃないかと思う。特に、長年観慣れている人であればあるほど。

エレファントカシマシ @ Zepp Tokyo
今のエレカシが、なんでそんなに調子がいいのかは、正直、わかりません。思えばユニバーサル移籍以降、どのアルバムもすごくいいし、ライヴもいいし、ってことはずっと調子がいい気もするし。じゃあ、少なくとももう4年半、アルバム4枚にわたって、ずっといいわけですね。ただ、ツアーやフェスのたびに、セットリストの組み方を変えてみたり、マメにMCをはさむツアーもあれば今回みたいにほとんどしゃべらないツアーもあったり、というふうに、その時の宮本やバンドの状態、もしくは意志に合わせて、いろいろ変えているのが功を奏しているのかもしれない、という気は、ちょっとした。

そういえば、今回のツアーから、サポートメンバーも、長年活動を共にしたヒラマミキオミッキー(ギター)と蔦谷好位置(キーボード)という編成ではなく、今回からギターはフジイケンジ(The Birthday)、キーボードはなし、楽器は一応置いてあるんだけどたまに宮本が弾くだけ、というふうに変わったし。どっちも超いいプレイヤーだし、そのままでもいいじゃん、と思ってたんだけど、ライヴを観て、「ああそうか、そういうことか」と、そうした理由がわかった気がした。このソリッドでミニマムな編成が、今のエレカシには合っているんだろうなあ、と。
実際、フジイケンジ、いいギター、弾いてました。あと、メンバー紹介の時、宮本に「最近ちょっとしゃべりました。打ち合わせとかで」と言われてました。あれどういう意味? と、前述の熱狂的なファンにきいたところ、それまでのツアーでは「ギター、フジイケンジ! かっこいい!」とか「日本のスーパーギタリスト!」とか紹介したあとで、「ほとんどしゃべったことありません」とひとこと足していたそうです、宮本。だから、前回のライヴとこのライヴの間で、ちょっとしゃべった、ということですね。
エレファントカシマシ @ Zepp Tokyo
あと余談。フジイケンジって、こういう時、どう表記すればいいんだろう。FTK&K(バイン田中&亀井&そのサポート金戸とやってるバンド)でも、MY LITTLE LOVERでも、THE BARRETでも、漢字で「藤井謙二」だったけど、The Birthdayに加入する時に、バンドのルールに従ってカタカナにした、というのはわかります。わかりますが、じゃあこういうふうに、加入後によそで弾く時には、どう書くのが正しいんでしょうか。斉藤和義で弾いてる時、みんなどう書いてたっけ。ご本人のtwitterやブログでは漢字表記になってるし、The Birthday以外では漢字に戻せばいいんじゃない? という声もあるやもしれぬが、でもたとえば、キュウちゃんはよそで叩く時もカタカナで「クハラカズユキ」だし。正解は? どなたか教えてください。(兵庫慎司)
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする