Perfume @ O2 Shepherd's Bush Empire

Perfume @ O2 Shepherd's Bush Empire
Perfume @ O2 Shepherd's Bush Empire
「ロンドン公演、初めてやらせてもらったんですけど、こんなにも熱く思ってくれている人たちがいて、こんなにも理解しようとしてくれてる人たちがいるなんて、思ってませんでした。ありがとうございます」。そんな、あ~ちゃんが最後に語った言葉を、遠く離れた日本から観ている自分たちも実感できるような公演だった。

昨年11月のシンガポールに続き、2度目となった「Perfume World Tour」からのライヴ・ビューイング。今回の舞台は、ついにヨーロッパ――チケットを発売するやいなや僅か2時間ほどで完売したため、倍のキャパシティに会場を変更して行われるロンドンのO2 Shepherd's Bush Empire公演である。その盛り上がりは当然ホームである日本でも共有されていて、生中継は午前4時という開始時間であったにもかかわらず、渋谷会場は多くの人でごった返していた。会場ではグッズの販売も行われていたが、自分が着く頃には、あらかたのものがソールド・アウトとなっている。

3時58分、開演前のShepherd's Bush Empireの様子が映し出される。もちろん、日本人の姿も見受けられるのだけど、思っていた以上に欧米人が多く驚かされる。大層な被り物に身を包んでいる人もいたりして、会場では3人への歓声も飛ぶなか、予定時刻を少し過ぎた日本時間4時12分、ついに客電が落ちる。

暗闇のなか、白を基調とした衣装に身を包んだ3人が現れる。そして、先日のカンヌでも披露されていたが、その衣装にプロジェクション・マッピングの映像が映し出され、3人のダンスと同期する。大画面で観るこれがむちゃくちゃカッコいい。このオープニングだけで完全に心を掴まれてしまう。そこからなだれ込んだショウの冒頭はのっけから圧巻の展開。最新楽曲“Magic of Love”を含めてキラーチューンを連発。オープニングのプロジェクション・マッピングもそうだけれど、ステージ・バックに映し出される映像もコンセプチュアルで、PerfumeがPerfumeのまま、アートとして昇華されている。

「かしゆかです」「のっちです」「あ~ちゃんです」「3人合わせてPerfumeです」の挨拶も今回は英語ヴァージョン。「I'm Kashiyuka」「I'm Nocchi」「I'm Aa-chan」「We are Perfume」の自己紹介に会場は大喝采に包まれる。英語でのMCも披露しながら、観客の中から通訳を募って、のっちは「教えたい言葉」としてFacebookの「Like」に相当する日本語が「いいね!」であることを伝え、「いいね!」で観客とコール&レスポンスを生み出し、一方、あ~ちゃんは、ロンドン公演ゆえに会場の客席を「Fish」と「Chips」に分けて、盛り上げてみせる。

中盤では、“だいじょばない”の更に進化したハイパーなダンスで自らの現在形を更新するなど、「世界進出」だからといって無理に自画像をゆがめるのではなく、あくまでPerfumeはPerfumeでありながら、観客と対峙する。そして、そんな姿から改めて思い知らされたのは、Perfumeというエンタテインメントはなんてユニバーサルなコミュニケーションなのだろうということだ。「アジアのアイドル」でもなく、「日本のアイドル」でもなく、それは「Perfume」だからこそ成立している。その象徴とも言えたのが、恒例のP.T.A.で、「上のTeeth、下のTeeth、前のTeeth」なんていうマイナー・チェンジがあったり、ご当地ネタとしてクイーンの“We Will Rock You”が機能したりと、現地に寄り添う部分もあったのだが、あのShepherd's Bush Empireが、“survival dAnce”で揺れ、“ultra soul”でジャンプする光景は、痛快というほかなかった。

終盤は更に代表曲を叩き付けつつ、「Next song is a last song. Let's make next song together」というあ~ちゃんのMCによって会場中の手が上がるなか、本編最後に演奏されたのは“MY COLOR”。<手のひらが世界中 繋がるウィンドウ/指先でつかむのはどの未来?>。歌詞通りの光景がロンドンで広がっている、その事実に純粋に感動する。何度も何度も3人は感謝の言葉を述べながら、アンコールを含めて、2時間弱に及んだライヴは終わった。

Perfumeは、世界と出逢うために、世界にPerfumeを伝えるために、「World Tour」に出た。そして、この日のパフォーマンスに凝縮されていたのは、たとえば「クール・ジャパン」とか、そういうタームとはまったく別のところで、Perfumeがなぜ世界と出逢いにいかなければならなかったのか、という必然性そのものだった。PerfumeはPerfumeのまま、この道を走り進む。しかし、なんて有言実行の人たちなんだろう、この3人は。(古川琢也)
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