来月からザ・ヴォイズとのヨーロッパ・ツアーに乗り出すジュリアン・カサブランカスだが、自身で運営しているカルト・レコードについて「今現在は赤字だが、まだ自分の考えていることの始まりでしかない」と語っている。
カルト・レコードからはジュリアンのセカンド・ソロ『ティラニー』のほか、カレン・O、セレブラル・ボールジーらの作品をリリースしているが、ジュリアンは『ティラニー』をイギリスでリリースした際には3ドル87セント(約457円)に価格を設定していて、この価格設定について公平なものだとNMEに語っている。
「ぼくは志が感じられる形でいろいろやっていきたいんだ。たとえば、公平なレコードの価格を設定したいということになったら、ぼくとしては3ドルか4ドルが公平な値段かなと思うんだ。でも、業界の誰からも驚かれて言われてるんだよ、『お金をたくさんなくしちゃうよ』ってね」
実際、損が出ているのかと問われるとジュリアンは次のように答えている。
「まあ、今のステージでは『アート出資プロジェクト』と言った方が正確なのかもしれないね。自分が足を突っ込もうとしてるのはどういうことかもわかってたし。CMソングとかで稼いだお金をつぎ込んでるんだよ。だから、どぶに金を捨てるようなことにするつもりはないんだけど、ある程度現金を使うことにはなるんだろうなとはよくわかってたからね」
また、ジュリアンはザ・ストロークスとしての新作も将来的にカルト・レコードからリリースしたいとも語っているが、今現在のストロークスのヴァイブはどんなものかと訊かれて「より神秘性が薄れたね」と語っていて、次のようにバンドの現状について語っている。
「みんなお互いに正直に付き合ってなんかいい仕事をしたいという純粋な気持ちだけをもって、自分が持っている不思議な力をすべて使ってしまいたいと思って、人の持つ不思議な力も借りて、なにかかっこいいことを友達やみんなと一緒に作り出したいと思った時、そこにはいいケミストリーが生まれるものなんだ。でも、そういうヴァイブはここ数年の間、失われてしまってたんだよ。よりプロフェッショナルなものになってたわけでね。でも、今のぼくたちはそのどちらの要素も組み合わせていこうと思ってるんだ」
「(ストロークスのメンバーとは)音楽以外のことで今では一緒につるんだりしてるくらいだから、新章に入ったんだと思うよ。まだ自分たちの中にも不思議な力は残っていると思う。でも、クリエイティヴな意味では、ぼくには音楽以外のいろんなものにも不思議な力を感じ取れるんだよ」
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