米津玄師、ツアーファイナル公演完全レポ! 「今 本当に幸せです」と語った夜

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米津玄師にとって初の全国7大都市ツアーとなった「米津玄師 2015 TOUR / 花ゆり落ちる」。このツアーの最終公演が、2015年4月28日にTSUTAYA O-EASTにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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凄い。米津玄師の音楽に内包された「楽しさ」が完全に覚醒し、笑いながら胸ぐらに掴み掛かって来るような手応えのライヴだった。正式な初ライヴから1年弱の、全国10公演「米津玄師 2015 TOUR / 花ゆり落ちる」ファイナル。「自分一人の殻に閉じ篭っていては音楽が作れなくなった」という思いからアルバム『YANKEE』をバンドで制作し、昨年6月のライヴ「帰りの会」や12月の「続・帰りの会」でファンの表情と直に向き合って来た米津玄師にとって、今回のツアーで描き出す「楽しさ」には、確かな根拠があったのである。

場内が暗転するなり、もの凄い歓声が巻き起こる。絶大な支持基盤を築いている米津玄師は、生のステージに寄せられる待望感も生半可ではない。もちろん彼は、この1年でバンドメンバー(中島宏/G、須藤優/Ba、堀正輝/Dr)と共に研鑽を重ね、巨大な支持に向き合うべく会場サイズを拡大してきたわけだが、“ドーナツホール”のスリルを叩き付けるオープニングからして、以前のじっくりと米津ワールドに誘い込むような導入部とはまるで違っていた。米津、須藤、中島の衣装にアニメーションが映り込む、というユニークな演出が絡められ、そこから“パンダヒーロー”、リズムを切り替えながら芯の強いメロディで引き込む“沙上の夢喰い少女”といったふうに、ボカロ曲のセルフカヴァーを連発する。

即効性と耐久性を兼ね備えた名曲“vivi”が浴びる嬌声もまた凄い。荒ぶるようなシャウト一発からハンドマイクで傾れ込む“駄菓子屋商売”は、どこまでもストレンジな楽曲なのに、米津が腕を振り回してシンガロングを巻き起こしてしまっていた。今度は『diorama』収録曲を立て続けに繰り出すと、中ちゃんこと中島にMCを委ねる恒例タイムだ。ツアー各地で食べた美味しいものの中でも、一番は北海道の「やきそば弁当」だったという話題を受けて、米津は「美味しいもんいっぱい食べさせてもらって、なので4人、漲ってるんですけど、次の曲は美味しいものの曲です」と告げて“メランコリーキッチン”へ。漲る4人の《笑って 笑って》というコーラスは、まるで今このときのオーディエンスに向けられた願いのように響いていた。

「楽しんでる? 次から、速い曲をやりたいと思います。付いてこれますか? 付いてこれんのかーっ!?」と、ロックスターらしい振る舞いで“リビングデッド・ユース”を叩き付ける米津。オーディエンスはカウベルの音色に合わせて小気味良いクラップを一斉に打ち鳴らし、バンドの勢いに負けじと食らいついてゆくのが楽しい。『YANKEE』曲連打の一幕にトラッド&パンキッシュな“マトリョシカ”まで披露して盛り上がると、米津玄師はこんなふうに語った。

「なんでライヴをやる必要があるのかって、このツアー中もずっと考えていて。いろんなことをこねくり回してみても、結局、楽しければいいって」。以前、暮らしていた大阪の街の風景が変わってゆくことを引き合いに出しながら、「今見てる景色ってのは、簡単に過去になってしまうんですよ。残酷なぐらいあっという間に、過去になってしまうんです」「だから、今日を皆さんと一緒に過ごせて、本当に幸せです」。そんな言葉を裏付けるように、《僕らは今二人で生きていくことを/やめられず笑いあうんだ》と歌われる“Flowerwall”は、キャリアを辿ったセットリストの先の、現在地を眩しく鮮やかに照らし出していた。アンコールに応えてからも、ツアーの終わりを惜しみつつひたすらに楽しいヴァイブが育まれる。米津玄師は最後に「また近いうちに会いましょう!」と告げて、ステージから去っていった。(小池宏和)


■セットリスト

01. ドーナツホール
02. パンダヒーロー
03. 沙上の夢喰い少女
04. 演劇テレプシコーラ
05. 恋と病熱
06. vivi
07. 駄菓子屋商売
08. トイパトリオット
09. ゴーゴー幽霊船
10. メランコリーキッチン
11. アイネクライネ
12. リビングデッド・ユース
13. 花に嵐
14. マトリョシカ
15. Flowerwall

(アンコール)
16. 懺悔の街
17. WOODEN DOLL
18. ワンダーランドと羊の歌

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