「お前ら、生きてるか――っ!!」DIR EN GREY、ファイナルにして120%の夜を速攻レポ!
2015.05.14 18:20
DIR EN GREYが、4月からスタートさせたツアー「TOUR15 THE UNSTOPPABLE LIFE」の最終公演が、2015年5月12日に新木場STUDIO COASTで開催された。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。
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『ARCHE』というアルバムに込められた真意を、全身で体感するステージだった。最新クリップ集『Average Sorrow』発売の翌日、4/2より全国15公演が繰り広げられてきた「TOUR15 THE UNSTOPPABLE LIFE」のファイナル。狂った世界を丸ごと引き受け、音像化してきたDIR EN GREYは、新作『ARCHE』と前回のツアーで爆風の如き推進力を叩き出しながら突き進み、触れる者を巻き込んでゆく道を選んだ。その選択の先にあったものが、今回の「THE UNSTOPPABLE LIFE」というツアーだったのではないか。荘厳なシークエンスをDie(G)の鋭利なサウンドが切り裂き、“咀嚼”で今回のステージは幕を開ける。
薫(G)の7弦ギターが鮮烈なフレーズを走らせる“Chain repulsion”では、バンドのソリッドな音塊とオーディエンスによる悲鳴のようなコールが渾然一体となり、会場全域が唸りを上げるかのような光景が生み出されてしまう。「お前らの声、もっと響かせてくれ!」と渇望しながら、“Sustain the truth”のストレンジなグルーヴの中でステージを右へ左へと練り歩き、オーディエンスを睨め付けては煽り続ける京(Voice)である。表情豊かなマーチングビートで“懐春”のノスタルジーを増幅させるShinya(Dr)。“禍夜想”、“濤声”、“Phenomenon”と幻想的なアニメーション映像を背に披露される楽曲群は、一転してオーディエンスを押し黙らせるほどの緊迫感に満ち、“輪郭”は京のヴォーカル表現と圧巻のロックシンフォニーが手を取り合っていた。
そして“Behind a vacant image”で再びオーディエンスの高らかな歌声を誘うと、京がいつになく楽しそうに身体をシェイクして踊り歌う“Cause of fickleness”、さらにはピークタイムにうってつけのファストチューン“鱗”と畳み掛ける。会場に立つ人すべてが全力で駆け抜けるかのような本編は、Toshiya(B)がステージ上で跳ね回りながら弦を殴りつけるようにプレイする“激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇”で、京の「生きてるかーっ!!」という咆哮を浴びながら締め括られるのだった。
アンコールに応えてからも、5人は“腐海”に“RED SOIL”といった即効性高い往年のナンバーを放つ。おぞましい人間のドラマを背景にした“Revelation of mankind”を経て、《大地を蹴り進め》というメッセージを再確認するように“Un deux”をここで披露した。京はToshiyaの肩を抱いてマイクを向け、雄々しいコールを上げさせる。フロアの上も下も無い高速ヘッドバンギングによって会場に渦巻いた“羅刹国”の膨大なエネルギーは、まさにツアーの完成を目の当たりにするようだ。
他のメンバーがそれぞれにオーディエンスと触れ合う中、全身全霊のパフォーマンスを終えてステージに倒れ込んだ京は、仰向けに寝そべるようにして、満足げな、何とも言えない表情でフロアを見つめていた。そして立ち上がると、彼にしては珍しいロングMCを届ける。「今回のツアーは、個人的に毎回120パーセントの力でやろうと思ってたんだけど、難しくて、今日ぐらいしか出来んかった(笑)。次からは、毎回これぐらいの力を出せるように頑張ります。みんなも、難しいと思うけど、そういう気持ちを持って生きてくれたら、嬉しいです。また次のツアーまで時間が空くけど、それまで頑張って、生きてな。バイバイ」。その一言一句はあまりに重く、美しい。『ARCHE』で選んだ道の先の「THE UNSTOPPABLE LIFE」が、確かにそこにはあった。(小池宏和)
●セットリスト
01. 咀嚼
02. Chain repulsion
03. The inferno
04. Sustain the truth
05. 滴る朦朧
06. 懐春
07. 禍夜想
08. 濤声
09. Phenomenon
10. 輪郭
11. Behind a vacant image
12. Cause of fickleness
13. 鱗
14. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
(encore)
01. 腐海
02. RED SOIL
03. Revelation of mankind
04. Un deux
05. 羅刹国
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