ゼッド、2夜限りのプレミアム・ライヴ初日の模様を徹底レポート!

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セカンド・アルバム『トゥルー・カラーズ』のリリースを記念した2夜限定のプレミアム公演「ZEDD TRUE COLORS PREMIUM LIVE」のため現在来日中のゼッド。

RO69では、両日ソールドアウトとなった同来日公演初日、昨日6月4日(木)に行われた新木場スタジオコースト公演のオリジナル・レポート記事を公開しました。

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【ゼッド @ 新木場スタジオコースト】

5/20の新作『トゥルー・カラーズ』リリースが差し迫るタイミングで発表された、ゼッドの「TRUE COLORS PREMIUM LIVE」。公演まで1か月を切っていたにも関わらず、チケットは即ソールドアウトとなった。6/6の大阪・堂島リバーフォーラム公演を楽しみにしている方は、以下ネタバレ含む本文をぜひ終演後に読んで頂きたいのだが、開演前から「ストロボライトを使用した大音量ライヴ」となることの注意がアナウンスされるほどの、凄まじい内容であった。

スタジオコーストの大きなステージを埋め尽くす、巨大DJブースとパネルスクリーン。そこに姿を見せたゼッドことアントン・ザスラフスキーが大喝采を浴び、まずは“Spectrum”を投下するというオープニングだ。クリーン・バンディットの“Rather Be”リミックスへと繋ぐ辺りでスクリーンにZEDDロゴが浮かぶと、ド派手なCGアニメーションの視覚効果がもたらされる中でゼッドは巧みなブレイクを組み込み、溜めに溜めてゼッド印の強烈なエレクトロ・ビートを解放する。早くも沸騰するフロアに、彼は笑顔を見せていた。

『トゥルー・カラーズ』は、一面的なダンスの高揚感だけには収まり切らない、深い歌心に彩られた作風だったけれども、予想通りと言うべきか、DJブースに収まったゼッドがダンスの熱狂を手放すはずはなかった。イングロッソ&アレッソのプログレッシヴ・ハウスやスクリレックスのダブステップといった強烈なナンバーを並べ立てては煽り、はたまたコールドプレイ“A Sky Full of Stars”(宇宙空間を駆け抜ける映像もピッタリ)やバスティル“Pompeii”のリミックスで歌声を攫う。昨夏公開されクラブ・ヒットとなったゼッド自身によるマジック!“Rude”リミックスは、トラックをミュートさせて序盤で最も大きな合唱を巻き起こしていた。

ゼッドは、いわば制球力に長けた豪速球投手である。EDMカルチャーが巨大化する過程で「歌」はより多くの人々を繋ぎ止める武器になったが、ゼッドは決して「ダンス」をおろそかにしない。「ダンス」と「歌」、どちらもベストの一点目がけてまっすぐ全力で放ち、その配球の組み立てによって建設的にフロアの高揚感を育んでいく。鍛え抜かれたボトムがモノを言うのは当然である。直球が来るのは最初から分かり切っているのに、ついつい踊らされてしまうこの感じ。理をもって勝ち星を重ねるからこそ、彼は若くしてスーパースターDJの座に君臨しているのだ。

ある程度プレイリストは決まり切っているのだろうけれども、同一曲でもリミックスを巧みに織り交ぜては繋ぎ、“Stay the Night”では情感豊かな歌メロの直後、ビートが決壊する瞬間にテープが降り注ぐ。新作曲の披露は“Addicted to A Memory”や“Beautiful Now”などで、今夏サマソニではもうちょい多めに披露してくれることを期待したいところだが、イングロッソ&トミー・トラッシュ“Reload”から繋ぐ“I Want You to Know”の盛り上がりは実にえげつなかった。“One More Time”や、ピッチをベンドする『ゼルダの伝説』テーマ曲(巨大スクリーンには感涙の8ビット・キャラクターが)といった、ゼッドのルーツ開陳も定番のパフォーマンスだ。

本編をデヴィッド・ゲッタ&シーア“Titanium”から“Spectrum”に舞い戻る形で締め括ると、アンコールにも応えてエンパイア・オブ・ザ・サン“Alive”のゼッド・リミックスまでを駆け抜ける。2時間きっかり、片時も冷める隙を与えないステージであった。今回の来日公演を見逃してしまった人も、サマソニの最大規模ステージ登場をぜひ楽しみにして欲しい。幾ら期待しても、し過ぎることはないはずだ。(小池宏和)

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ゼッドは明日6月6日(土)に大阪・堂島リバーフォーラムでも単独公演を行い、8月にはサマーソニックへの出演が決定している。
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