6月から精力的にアメリカ・ツアーを敢行しているモリッシーは最近の健康状態について語っている。

アメリカのテレビ司会者ラリー・キングがネットで放映しているトーク・ショー『ラリー・キング・ナウ』に出演したモリッシーは食道がんの治療を受けてきたことを次のように明らかにしている。

「バレット食道がんで、食道にがんができてるんだよ。様子を見て摘出するもので薬物療法も受けているんだけど、ぼくは元気だよ。このがんにかかってがんが自然と消えた人はたくさんいるんだ。このがんにかかってがんが自然と消えなかった人もまたたくさんいるんだけど」

また最初にがんだと知らされた時のことについては次のように語っている。

「がんと言われても頭に入って来ないんだよね。なんか通り過ぎて行っちゃうんだよ。『ああ、そうなんですか』とだけ答えてね。その後で、階段をひとりで上り下りしたりしていると、だんだん実感が湧いてくるんだ。だけど、言われたその時はしっかり頭に入って来ないものなんだ」

ただ、現在の体調については「花が満開なくらいだよ」と答えてみせている。また、先頃、モリッシーはサンフランシスコ空港でテロ対策などのセキュリティー・チェックを行っている運輸保安庁（TSA）に対して職員に股間を不当にまさぐられたことへの抗議を行い話題を呼んだが、この時にされたことを具体的に訊かれるとこの職員は「指をぼくのお尻の割れ目の間に滑り込ませてきたんだよ」と答えている。

「フル・スキャナーも通って、その次の行程も終えて、なんにも問題なかったのにこの男はぼくの局部をめがけて取りかかってきて、お尻の割れ目に指を滑り込ませてきたんだよ」

「ぼくと一緒にいたSPの人たちはこれは暴行に値すると抗議したんだけど、その職員は『それはきみの意見に過ぎないね』とまるで取り合わない態度だったんだ。そう、彼らは法を越えた存在なんだよ。正式に抗議も行ったんだけど、まったくなんにも起きなかったよ」

そのほかではアメリカの政治状況についてヒラリー・クリントンを大統領に迎える時期のように思えるかという問いに「そう思う」と答えていて、次のように続けている。

「ヒラリーのことはもうずいぶん昔からみんなも知ってるわけだから、さすがにもうわかってもいい頃だと思うんだけど。共和党の候補者の顔触れを見てももう笑うしかない状況だからね。全員みてくれからしてまったく同じだからね」

これに「でも、ドナルド・トランプは違うのではないか」と問われると「いや、ちょっと薄暗かったらきっと区別がつかないと思うよ」と答え、「みんな同じスーツとタイっていう成りだからね。でも、期待されているのは、この人物は一体何者なんだ、なんておもしろそうな人物なんだと思わせることで、そうでなければだめなんだけど、彼らはまったく画一的で没個性だからね」と説明している。

さらにソーシャル・メディアで募った質問でかつてかかったという鬱とはどう折り合いをつけているのかと訊かれると次のように答えている。

「ぼくの場合、少しもよくなってなくて、もう何年もずっと同じ状態なんだ。ぼくとしては、鬱を自分につきまとう黒い犬と呼んでるんだけどね。たいがい、朝目が覚めるとまず襲われるのが鬱の状態で、治ることはないし、神経質だけどオープンな人間であることに付きものなことなんだろうと自分では考えているよ」