【コラム】川谷絵音が止まらない! ゲス乙女、indigo、SMAP楽曲提供――彼の凄さを再考察

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川谷絵音が止まらない。9月16日にはindigo la Endの両A面シングル『雫に恋して/忘れて花束』が発売され、10月14日にはゲスの極み乙女。の両A面シングル『オトナチック/無垢な季節』のリリースが控えているのに加え、9月9日には“アマノジャク”に続き絵音が作詞作曲を手掛けたSMAPの新曲“愛が止まるまでは”が、両A面シングル『Otherside/愛が止まるまでは』としてリリースされている、というリリース波状攻撃ぶりである。とはいえ、indigo la End/ゲスの極み乙女。の作品乱れ撃ち状態が今に始まったことではないのは、すでにご存知の通りだ。

昨年4月にindigo la End『あの街レコード』&ゲスの極み乙女。『みんなノーマル』のミニアルバム2作で同時メジャーデビューを飾って以降、1年半も経たない間に絵音は、各最新シングルも含め両バンドでそれぞれフルアルバム1枚とシングル4枚、SMAPへの提供曲2曲を合わせて実に45曲(ゲス乙女の“パラレルスペック(funky ver.)”含む)を完成させていることになる。そして、何より驚くのは、そのどれもが鮮烈な輝度と深度に満ちた楽曲であるということだ。

この45曲は音源化された(&決定している)ものだけの曲数なので、実際にはもっと多くの楽曲を作り上げている可能性が高い。作詞/作曲いずれかだけならまだしも、その両方を手掛けているソングライターという観点で言えば、各バンドで制作している曲数だけでも十分多作と言える。なぜ絵音は、異常なほどのハイペースで楽曲を発表し続けているのか。

昨年9月のindigo la Endのシングル『瞳に映らない』リリース時のインタヴュー(その際の記事はこちら→ http://ro69.jp/feat/indigolaend_201409/page:1)で、彼は以下のように話していた。

 「バンドって、一回何かの線を潜っちゃうと、絶対戻ってこれないんですよ。売れてたバンドも、何かのタイミングでガッと落ちたら、絶対上がってこれないし。売れてないバンドも、売れるタイミングとか、出すべきタイミングを間違えると、その後にすごく良い曲を書いても、埋もれちゃったりするんですよ。俺はそれが怖かった――というか、そうなってたんですよ、俺の中ではもう。僕らは普通に良い曲を書いてるつもりで、でも自分のペースがついていってなくてタイミングを逃してたから」

「『良いものを作ってるのに売れない』って嘆くのってダサいじゃないですか。売れなきゃ意味がないし、聴いてもらわないと意味がないんですよね。それはバンドをやっていれば誰しも考えないといけない問題で。でも、それは良い曲が書けてるっていう前提での話なんですけど。それを考えてない人が多すぎるから。自分はそうはなりたくないなって思うと、いろいろいいことを思いつくんで。それが今の活動に活かされてますね」

自分の音楽に対して揺るぎない確信を抱いているからこそ、彼は進んで狂騒的なまでの制作ペースの中に身を投じ続けることができているのだろう。その音楽世界を研ぎ澄ませる中で、後鳥亮介(Ba)を迎え、佐藤栄太郎(Dr)と出会い、表現力と訴求力を格段に増していったindigo la Endのギターロック理想郷。「この時代に翻弄され生きること」そのものを極上のアートに昇華して、シーンを痛快に翻弄しているゲスの極み乙女。のアヴァンギャルドポップ……それぞれのアウトプットを両軸として、誰も止められないスピード感で時代のど真ん中を疾駆する川谷絵音から、ますます目が離せない。(高橋智樹)
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