アジカン、 王道ロックの未来へ更に驀進!結成20周年への想いがたぎる国際フォーラムレポ!

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7月より全国ツアー「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2015 『Wonder Future』」を敢行してきたASIAN KUNG-FU GENERATION。2015年10月15日、16日の2日間、そのセミファイナル公演が、東京国際フォーラムにて行われた。RO69では、2015年10月16日の模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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「あと2本でツアーが終わっちゃうんですよね……なかなか寂しいもんで。なので、今日は最後まで、噛み締めて演奏していくんで。でも、みなさんはそういうのを飛び越えて、楽しんで帰ってください」。万感の想いとともにツアーの充実感を語る後藤正文(Vo・G)の言葉に惜しみない拍手が降り注ぎ、ダイナミックなロックンロールの開放感そのものの歌とバンドサウンドが、序盤から東京国際フォーラムの広大な客席を熱く激しく揺さぶっていく――。

今年5月にリリースされた最新アルバム『Wonder Future』を携えて、7月から27会場・30公演にわたって開催されている全国ホールツアー「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2015 『Wonder Future』」もこの日がセミファイナル。ツアー序盤の横浜アリーナ公演の模様もRO69でレポートされている(http://ro69.jp/live/detail/127750)が、国際フォーラム2DAYSの2日目となるこの日にアジカンが繰り広げていたのは、「『Wonder Future』が最高のロックンロールアルバムだから」「ロングツアーで演奏が磨き上げられたから」だけでは説明のつかない感動とスケール感に満ちたアクトだった。

ゴッチ/喜多建介(G・Vo)/山田貴洋(B・Vo)/伊地知潔(Dr)にサポートキーボード&ギター=シモリョーこと下村亮介(the chef cooks me)を加えた5人でステージに臨んだアジカン。今回のツアーの大きな特徴はやはり、真っ白なブロックをいくつも不規則に積み重ねたような、建築家・光嶋裕介のデザインによるステージセット。「架空の街」をモチーフにしたその舞台に投影されるのは、映像作家・鶴岡雅浩の監督による3Dプロジェクションマッピング。時に街を描いた絵画で彩られ、時に各ブロックが極彩色に塗り変わり、時に立体的なグラフィックが地軸が歪むような回転運動を描き出し……といった具合に、曲ごとにまったく異なる空気感を生み出していく。

そして何より、そんな演出と渾然一体となって鳴り渡る4人+1人の歌とサウンドが素晴らしかった。“Little Lennon / 小さなレノン”のようなソリッドなロックナンバー、シモリョーとのトリプルギターで奏でた“Eternal Sunshine /永遠の陽光 ”の凛としたドラマ性、“Signal on the Street / 街頭のシグナル”の清冽な高揚感……『Wonder Future』で伸びやかにロックンロールを繰り広げていた全11曲が、満場のシンガロングを呼び起こした“リライト”をはじめ、“N2”“新世紀のラブソング”“今を生きて”など同時代へのメッセージを真っ直ぐに掲げた既存曲群と自然に織り重なって、途方もない生命力に満ちたロックの祝祭空間を展開してみせていた。衝動や情熱をこれでもかと過剰にバーストさせることではなく、音と演出が一丸となったアートフォームを構築することによって、これまでのどのアジカンのライヴとも違う、しなやかな訴求力と加速感、さらには誰ひとり疎外しないポップ感まで実現していたのが印象的だった。

「ツアーもセミファイナル、本当にたくさんの方々が来てくれて嬉しいです。来年はASIAN KUNG-FU GENERATION結成20周年です。キヨシはまだ来年18周年ぐらいなんで、ひとりで『俺はいいよ』っていじけてましたけど……」と語る喜多が「お前、今日MC調子いいね?」とゴッチにいじられて「……調子の悪い曲を1曲(笑)」と自身のヴォーカル曲“シーサイドスリーピング”へ流れ込んだり、「来年、成人式なんで。2回目の成人式(笑)。20歳の時に始めたんで。もう20年も、この人たちと一緒にああだこうだやってきてるんですけど……ネットで言われてるよりは仲良いですからね(笑)」とゴッチが会場を沸かせたり――と終始リラックスしたモードで行われていたこの日のステージ。野性や反骨心ではなく「今を変えていく意志」をロックンロールの原動力とするアジカンにとっては、コンセプチュアルな薫り漂う環境での今回のツアー、特にこの国際フォーラムというクールな巨大空間は、その闘志を純音楽的に発揮できる格好の舞台だったのだろう。冒頭に挙げたMCに続けて「ずっとやってほしい!」と客席から飛んだ言葉に応えて、「ずっとやっていたいけどね、そういうわけにもいかないんで。進んでいかなきゃいけないから」と語りかけたゴッチの言葉からも、このツアーの形態の手応えとその先への意欲が伝わってくる。

『Tour 2015 「Wonder Future」』はいよいよ10月24日の沖縄公演でフィナーレ。「ツアーが終わったら、ヨーロッパ、南米に行って、帰ってきたらレコーディングなどする予定がありまして。来年中に何らかの、太めの作品が出ますので。20周年、お楽しみに。これからもよろしくお願いします」とゴッチはバンドの「これから」への展望を告げていた。ロックシーン最前線を切り拓いてきたバンドが、さらなるロックの可能性を鮮やかに体現してみせた、最高のステージだった。(高橋智樹)

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