6月に最新アルバム『エモーション』をリリースし、サマーソニックへの出演を経て昨日11月17日（火）より単独ジャパン・ツアーをスタートさせたカーリー・レイ・ジェプセン。
RO69では、完全ソールドアウトとなった同ツアー初日、Zepp DiverCity公演のオリジナル・レポート記事をお届けします。
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【カーリー・レイ・ジェプセン ＠ Zepp DiverCity】
驚いた。今夏「SUMMER SONIC 2015」で観たのと、まったく違う。カナダのシンガー・ソングライター、カーリー・レイ・ジェプセンによる最新ツアーはこの11月に米国でスタートしたばかりで、日本での3公演にあたる東京・大阪・名古屋以降も、来春の母国凱旋までスケジュールが続いてゆくことになる。今回レポートするのは、日本公演の初日にあたるZepp DiverCity。以下本文はネタバレを含むため、大阪・名古屋での公演を楽しみにしている方は、各ステージの終演後に読んで頂けると嬉しいです。
ギタリスト、ドラマー、ベーシスト、キーボード兼サックス奏者、女性コーラス2名というバック・バンドのイントロに導かれ、ブラックのスキニー・パンツに白のライダース・ジャケットという装いで姿を見せたカーリーは、テナー・サックスの柔らかなフレーズが浮かぶシングル曲“Run Away With Me”を歌い出す。バンドのサウンドはパワフルで、“Making the Most of the Night”ではベースのアタック感が肌を震わせるほどだ。そして序盤のうちにアウル・シティーとのコラボ・ヒット“Good Time”を投下（キーボード奏者が前線で男声パートを担当）し、まんまとフロアをバウンスさせてしまった。
今夏サマソニのカーリーは、新作『エモーション』の聴かせ方をしっかりと練り上げていて、以前よりもぐっと大人びた、エレガントなサウンドでパフォーマンスを繰り広げていた。素晴らしい内容で、筆者はてっきり今回もそのモードを踏襲しているのだろう、と楽しみにしていたのだが、良い意味で裏切られた。演奏は短期間のうちにより力強く、ダイナミックなものに変貌していた。サマソニでは、キラキラと華やかな過去曲もシックなリアレンジが施されていたのだが、カーリーは、自身の成長がファンを置いてけぼりにしてはいけない、という思いで軌道修正を図ったのではないだろうか。
『エモーション』に立ち込めていた上質な80年代ポップのムードは、単なる懐古趣味ではなく、生々しいバンド演奏とダンサブルなエレクトロ・サウンドが理想的な折衷を果たした時代のサウンドに、シンパシーを寄せる意図があったように思う。力強さを増した演奏の中で、“This Kiss”のフックが小気味好くビートに弾け、“Tonight I'm Getting Over You”ではエレクトロ・ハウスもかくや、という強烈なシンセリフが、ドラマチックな歌を後押ししていた。
広がりのある“Your Type”のあと、「みんな楽しんでる？ 次は、人を愛する気持ちはなかなか変えられない、っていう歌よ」と披露される“When I Needed You”では、コーラス隊と共にオーディエンスの歌声を求める。カーリーは、矢継ぎ早に楽曲を繰り出す合間にも、こうして何度か歌に込めた思いを説明していた。「この曲が、あなたに寄り添えるといいな」と告げて届けられる“Favorite Colour”。そして上質なサウンドを紡ぐバンドのスキルは“All That”のような美曲で引き出され、前線のファンと触れ合いながら、再び優しいテナー・サックスの音色がなびく“Let's Get Lost”で本編を締めくくる。
アンコールでは、アコギ一本の伴奏のみで、オーディエンスに歌声の助力を求めるようにしながら“Curiosity”を届け、可愛らしい、踊るような身振りを交えながらバンド・メンバーを一人ずつ紹介するカーリー。そしてワム！の“Last Christmas”カヴァー音源をリリースすることを告げると（残念ながらライヴ披露はなかった）、これまでの来日公演で最も盛り上がったのではないかという“Call Me Maybe”、そして“I Really Like You”と、アレンジの精美を見事に見せつける華やかな2曲でフィナーレを飾った。
もの凄いスピードで進化しているアーティストだし、あらためて、置いてけぼりにされてはいけない、と痛感するステージであった。カーリーは11/18の大阪、翌11/19の名古屋でステージを行い、11/20には「ミュージックステーション」に2度目の生出演を果たす予定だ。（小池宏和）
〈SETLIST〉
1. Run Away With Me
2. Making the Most of the Night
3. Good Time
4. E-mo-tion
5. Warm Blood
6. Boy Problems
7. This Kiss
8. Gimme Love
9. Tiny Little Bows
10. I Didn’t just Come Here to Dance
11. Tonight I’m Getting Over You
12. Your Type
13. When I Needed You
14. Love Again
15. LA Hallucinations
16. Favorite Colour
17. All That
18. Let’s Get Lost
En1. Curiosity
En2. Call Me Maybe
En3. I Really Like You
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大阪・名古屋公演、番組の詳細は以下の通り。
●ツアー情報
「CARLY RAE JEPSEN JAPAN TOUR 2015」
2015年11月18日(水) 大阪 なんばHatch
OPEN 18:00 / START 19:00
SOLD OUT
※未就学児(6歳未満)入場不可
INFO キョードーインフォメーション TEL：0570-200-888
2015年11月19日(木) 名古屋 DIAMOND HALL
OPEN 18:00 / START 19:00
SOLD OUT
※未就学児(6歳未満)入場不可
INFO キョードー東海 TEL：052-972-7466
詳細：http://www.creativeman.co.jp/artist/2015/11crj/
●番組情報
テレビ朝日系『ミュージックステーション』
毎週金曜日20:00～20:54 OA
司会：タモリ、弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
http://www.tv-asahi.co.jp/music/
