アリス・クーパー、デヴィッド・ボウイらと量子物理学について語った思い出を明かす

アリス・クーパー、デヴィッド・ボウイらと量子物理学について語った思い出を明かす

2月15日(日本時間16日)に行われるグラミー賞授賞式で、モーターヘッドのレミー・キルミスターへの追悼パフォーマンスを行うアリス・クーパー/ジョニー・デップ/ジョー・ペリーらによるハリウッド・ヴァンパイアーズだが、アリスはデヴィッド・ボウイをあらためて偲んでいる。

デヴィッドが他界した際にアリスは「演劇的ロックンロールにおける生涯の同志を確かに失ってしまった。俺たちはどちらもちょうど同じ頃に演劇的なロックンロールを試み出して、場合によってはお互いに挑発し合うことでこの領域でやれることをさらに広げていくことになった」と偲んでいたが、ここにきてローリング・ストーン誌に次のようにデヴィッドのことを振り返っている。

「ものすごい初期の頃に俺たちのライヴに来てくれたのを憶えてるよ。まだデヴィッド・ボウイになる前、デイヴィー・ジョーンズだった頃で、パントマイミストだったんだよ。アリスがまだものすごく物議をかもしていて、イギリスで公演禁止処分に遭ってた頃だよね。デヴィッドはもうこの頃にはジギー・スターダストをやろうと構想を温めてたんだろうけど、でも、アリスの公演はきっと扉を開けたはずで、というのも、こういうことでなにがやれるかわかったはずだからなんだ」

また、メディアはやたらとアリスとデヴィッドの対立軸を作り出そうとしていたが、アリスはそれに乗らず、むしろデヴィッドを絶賛することでこうした演劇的要素を取り入れるアーティストがもっと増えることを願っていたという。ただ、アリスとデヴィッドではまったくキャラクターへのアプローチが違っていて、自身がシャーロック・ホームズの悪役モリアーティ教授のような、ある決まったキャラクターを追求し続けていたのに対して、デヴィッドはキャラクターを次から次へと作り出していったところが「素晴らしかった」と振り返っている。

その後、アリスはデヴィッドと実際に友人になり、一度はSF作家のレイ・ブラッドベリと3人で食事をすることになったという。

「いやあ、おもしろかったよ、っていうのは、このふたりはもうほんと話が宇宙へとぶっ飛んじゃってたからね。なんかふたりで量子物理学の話とかしてて、俺は『ちなみにみんなの好きな車はなに?』っていう感じで」

「まあ、俺はいわゆるロック・スター的なやつだったから。ふたりの話がちんぷんかんぷんだったわけじゃないよ。ただ、あんまりそういう話に興味がないだけで。だから、俺だったら、UFOという存在の発想については興味を持つんだけど、あのふたりは異次元の世界の話とかをしてて、俺はそれを聞きながら『なるほど』って感じだったんだ。でも、聞いてておもしろかったよ。タイミングを見て話にも割り込んでみたりしてさ。俺はむしろ神学的な視点から意見を挟んだりしててね。ふたりの議論は聞いてておもしろかったんだけど、こっちも話をわざとまぜっかえしてみて、どっちかが知ったかぶりしてるんじゃないかって見極めたりしてたんだよ」
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