カサビアンのサージ・ピッツォーノ、地元レスター・シティFC優勝の歓喜を語る

カサビアンのサージ・ピッツォーノ、地元レスター・シティFC優勝の歓喜を語る

レスターが地元のカサビアンのサージ・ピッツォーノは、今年のイギリスのサッカー・プレミア・リーグを制したレスター・シティFCについて「トップ10に入れるだろうし、優勝も夢じゃないとわかっていた」と語っている。

レスターはイギリスのプロ・サッカー・リーグの1部(現プレミア・リーグ)と2部を長く行き来してきたことでも知られるが、14年度から10年以上ぶりにプレミア・リーグ復帰を果たしたものの結果は14位と振るわなかった。その後、イタリアのクラウディオ・ラニエリ監督を迎え、岡崎慎司のドイツ・ブンデスリーガからの移籍先としても注目されていたが、15年度のシーズン開幕とともに怪進撃を続け、5月2日に2位につけていたトッテナム・ホットスパーFCがチェルシーFCと引き分けたことでシーズン閉幕前の優勝を決めた。しかし、今期の好調さはわかっていたことだったとザ・ガーディアン紙に寄せたエッセーでサージは次のように綴っている。

「昨年の夏にクラウディオ・ラニエリが監督に招聘された時点でぼくにはなにか予感がしてたんだ。もともとうちはイタリア系だし、『これはすごいことになるぞ』と思ったんだ。ぼくの予想では、トップ10に入れるだろうし、優勝も夢じゃないというものだった。でも、ほかのみんなはぼくが狂ってるっていってたよ。そのうちメールが仲間内からいろいろ届くようになってどれも保存してあるんだよ。『(この好調さは)どうなってるんだよ? こいつらなにを考えてるの?』ってね」

なお、15年度のシーズン開幕時にはレスター優勝の賭け屋でのオッズは5000倍もついていて、今回のレスター優勝決定で38億円を超える懸賞金が発生したというが、これまでサージはほとんどレスターやプレミア・リーグの試合をバンドのツアーなどでまともに観られたことがなかったという。それを今シーズンはトム・ミーガンとともにほとんどの試合を満喫できたと振り返っていて、今年はすべてがそういう星の巡りあわせだったのだとサージは力説している。そんな今シーズンをサージは次のように振り返っている。

「素晴らしい瞬間はいくつもあったよ。ジェイミー・ヴァーディーが(マンチェスター・)ユナイテッド相手に決めたゴールは歴史的なものだったし、特別な一瞬だったね。あれを決めた時の歓声はほかではちょっと聞いたことのないようなもので、みんなにあれは特別なゴールだってわかったんだ。さらにマンチェスター・シティにアウェーで3-1で勝ったこと、それとあの勝ち方のおかげでね、ああ、これなら今の勢いが水泡に帰すことはないのかもって思えたんだ」

「ここ数週間の試合での気持ちの昂ぶり方はちょっととんでもないものだったよ。ワットフォードや(クリスタル・)パレスなどを相手に続いた1-0のゲームの数々とかね。ものすごい消耗戦になってぎりぎりのところで勝ちを摑み取っていく感じだったからね。

こういう試合の最後の10分間っていうのは恐ろしい気分だったよ。優勝までの最後のステージを観ていると、ぼくにはウェンブリー(・スタジアム)で演奏した時の気分が蘇ってくるようで、あの90分間だけでシーズンのすべての結果が出てしまう過酷さがひしひしと伝わってきてしんどかったよ。どの試合も意味するところが大きすぎて観るのがしんどかったけど、スパーズ(トッテナム・ホットスパー)とウェストブロム(ウェストブロムウィッチ・アルビオンFC)の試合を観ている方がさらにしんどくて、レスター戦を観るのより辛かったな(2位につけていたトッテナムを下位で低迷していたウェストブロムウィッチが4月25日にかろうじて引き分けに持ち込み、トッテナムの首位奪取への布石を防ぐことになった。なお、トッテナムが前半に決めた1点は実はウェストブロムウィッチのディフェンダーのクレイグ・ドーソンによるオウンゴールで、試合終了近い後半に引き分けに持ち込んだ1点もまたドーソンが自ら決めたものだった)」

今後、レスターはヨーロッパの強豪クラブで戦われるチャンピオンズ・リーグに初出場することになるが、サージは次のように今後の予定を語っている。

「来シーズンはどうするかというと、ぼくたちの仲間はみんなレスターに住んでるから、みんなで集まってチャンピオンズ・リーグの対戦相手を決める抽選会の日に宴会をやることになってるんだ。きっちり予定に入ってるから。(テレビ中継で)対戦相手が決まったら、みんなで一斉に試合のチケットと飛行機のブッキングをするんだよ。バルサ(FCバルセロナ)かレアル(レアル・マドリードCF)とやれたら嬉しいんだけど、ラニエリ(監督)と一緒にローマに還るのもいいんじゃないかと思ってね」
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