12月2日(金)にリリースとなるザ・ローリング・ストーンズの新作『ブルー&ロンサム』。気魄に満ちたブルース・カバー・アルバムとして出来上がっているが、バンドはこのカバー・アルバムの成り立ちと、かねてから伝えられているストーンズとしてのオリジナル作品の行方についても言及している。
バンドはニューヨーク・タイムス紙の取材に応え、今回の新作制作の経緯を明かしているが、もともとは2015年の12月にレコーディングを行う予定でロンドンのブリティッシュ・グローヴ・スタジオに入った。このスタジオはダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーの所有するもので、クラシック音楽のレコーディングも行えるようなかなり巨大なスタジオ・ブースにストーンズは陣取ったというが、かつてのデッカ・レコードのヴィンテージ機材も揃えた設備になっていたとか。ただ、初めて使うスタジオで「スタジオとその音についてまだよく手応えがわからなかったから」馴らしていくためにブルースをやってみることにしたとキース・リチャーズは説明している。
そこで「新曲はちょっと置いといて」、なにかを馴らしでやろうかとロニー・ウッドに提案したところ、“Blue and Lonesome”でもやってみようという話になったとか。
「そんな感じでいきなり出てきた話なわけで、やってみると途端にスタジオが華やいで音が見えてきたんだよね。それで『今のすげえよかったじゃん!』ってなって、すると、ミックがこっちを振り向いて『ハウリン・ウルフの“Commit a Crime”もやってみようぜ』ってけしかけてそこからどんどん転がってったんだよ。だから、あらかじめのプランもないし、特になんかきっかけがあったわけでもないんだ。ただ、こういうのを誰よりも得意としているミックがいきなりこの音に飛び乗ってきたようなものなんだよ」
「どんどん続けろ、どんどん続けろって感じだよ。どんなにやっても構わねえから、こいつが乗り気になってる間にどんどんものにしちまおうぜっていう(笑)。だからね、まるでなんかこうなっちゃったっていうものなんだ。そこがほんとにすごいとこだと思うし、美しいところなんだよね」
さらにこのブルース・セッションがそのままアルバムになった経緯についてキースは次のように語っている。
「とりあえずテープを回しといて、使い方は後で考えればいいよってもんだったんだけど。でも、一通りやり尽くして12曲分録ったあとで、(プロデューサーの)ドン・ウォズと俺とでこの音源の話になった時、ミックもそこにいて、ミックはこういったんだよね、『これはもうアルバムだから、ばらすことはできないよ』ってね」
その一方で新曲群もまた制作を続けていることをバンドは認めていて、ロニーは次のように説明している。
「だから、ちょっと濾し器にかけておいて、時間をかけて戻ってきたらどれだけ下に落ちてるか見極めてるようなところなんだ。しばらく時間を置いて上に残ったいくつもの塊、これがその先の作業のもとになっていくものなんだよ。でも、もう一回全部やり直してみるっていわれたとしても俺は別に驚かないよ。そんなふうにしてやっていく作業なんだよ」
さらにその後の作業についてミックは次のように語っている。
「今度のアルバムを仕上げた後にいくつか作業をやってきてるんだけど、ぼくはこう言ってるんだよ、『じゃあ、とりあえずただやっちゃおうよ! どうせコードだって3つしかないんだし、ただ演奏して、もうあんまり考えるのはやめよう』ってね。『これもただのブルースだって思えばいいんだよ』ってね」