2017年6月21日（水）に、ニューシングル『ピースサイン』をリリースする米津玄師。TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』のオープニング主題歌でもあるこの曲は、驚くほどの熱さが疾走感のあるサウンドで表現された1曲で、彼にとっての新たなステージがはっきりと見える曲になっている。2017年5月19日発売の『CUT』6月号では、“ピースサイン”の誕生秘話を語るロングインタビューが掲載されている。

「そもそも『ヒーローアカデミア』は、この話をいただく前から好きなマンガでした。（中略）自分に足りないものを補うために考えて、『なんか違ったなあ』とか言いながら、それでも前に進んでいく。その感じが、（主人公の）出久と自分は似ていると思います」

もともとファンだったという『僕のヒーローアカデミア』に、「挫折と、それを乗り越えて進もうとする力」という点で共鳴を感じている米津。週刊少年ジャンプの人気マンガのアニメ主題歌ということで、実際の制作では子どもの頃に親しんできた『デジモンアドベンチャー』やその主題歌“Butter-fly”のことも意識したと言うが、アニメへの思いが大きい米津だからこそ、この曲がストレートに熱いアニメ主題歌になったことがわかる。
さらに、原作と本人との共鳴が特に深く感じられる数々の歌詞について聞くと、彼ならではの曲作りの方法を細かいフレーズごとに語ってくれた。

「今回、歌詞の内容を頭の中でマンガに再構築しながら曲にしていく、ということをやったんです。（中略）そうやってページをめくっていくと、サビのラスト2行のところでは、主人公の男の子が、見開きドンと2ページ使って背中を向けてピースサインを掲げている、というイメージが湧いたんです」

『3月のライオン』とコラボした“orion”も含め、さまざまな出会いを経て心に刺さる楽曲を生み出し続けてきた米津玄師。その度に彼がその楽曲に注いできた作品への深い愛情が、彼ならではの作曲のプロセスとともに語られ、さらなる音楽性の進化をも感じさせるファン必読のテキストとなっている。

『CUT』2017年6月号
http://www.rockinon.co.jp/product/magazine/143711