【世界で話題】防弾少年団のMVを英メディア「DAZED」が解説! “No More Dream”から“Not Today”まで

7月2日まで行っていたワールド・ツアーも成功を収め、5月に行われた「2017 ビルボード・ミュージック・アワード」においてはジャスティン・ビーバーを抑え「トップ・ソーシャル・アーティスト(Top Social Artist)」賞を受賞するなど、世界的な注目を集めているBTS(防弾少年団)。

2013年のデビューからわずか4年、彼らの勢いはとどまるところを知らない。

英スタイルマガジン「DAZED」ではそんな彼らの楽曲5曲をピックアップし、独自の視点でミュージック・ビデオの解説を行っている。

本記事では「DAZED」に掲載された解説の一部を抜粋、ミュージック・ビデオの映像と共に以下に紹介していきたい。

【世界で話題】防弾少年団のMVを英メディア「DAZED」が解説! “No More Dream”から“Not Today”まで

“NO MORE DREAM”

デビュー曲“No More Dream”のミュージック・ビデオでは、まずメンバーの若さに驚かされる。ジョングクは当時まだ15歳だ。そして、「フッド・バイ・エアー」と「KTZ」の着こなしも見事。スケートパークと学校の教室、そしてグラフィティとは少々詰め込み過ぎにも見えるが、「学校3部作」の最初の作品としては効果的なシーンの配置だといえる。BTSを「ヒップホップ・アイドル」たらしめる未来への道筋が見えてくるこの曲では、自分たちの未来を決められてしまうことへの反発心と、決まり切った日常への反抗心が表現されている。まだ若く、そして新人という状況にも関わらず驚くほど自信に満ち溢れ、ごちゃごちゃとしたセットに負けず自分たちへの注目を自在に操っているのだ。


“I NEED U”

歌詞を聴く限り、これはシンプルな失恋の歌である。しかし力強いボーカルと洗練されたアレンジのおかげで、このミュージック・ビデオはあなたの心にストレートに突き刺さるはずだ。すべてを語らない意味深なストーリーによって、楽しげなシーンは感動的に、暴力的なシーンは誰かの夢の中での出来事のように見えてくる。暗示的な描写のおかげで深みを持ち、且つファン心理を的確に掴むこのビデオは、好奇心旺盛な新たなファンを獲得することだろう。K-POP界全体で見ても珍しいダークな色彩のミュージック・ビデオは、「花様年華」シリーズとして“Prologue”、“Run”、“EPILOGUE : Young Forever”の映像とストーリーが繋がっている。


“FIRE”

“Fire”はBTSの二面性を表している。彼らの大胆不敵さ、スター性、そして大規模なパフォーマンスが、可愛らしさや気取らないユーモアのセンスと相まってリアルな魅力を醸しているのだ。このミュージック・ビデオでは、ミュージック・ビデオというものをあくまでもビジネスのツールとして作るには、というその方法が提示されている。彼らのウインク、感情が秘められた眼差し、そして唇を噛む仕草も、そのすべての要素が「ビジネスとしてのミュージック・ビデオ」の中で効果的に使われているのだ。マイケル・ベイの映画風の大胆な車の破壊シーンもその要素のひとつとして同じく作用しており、歌詞のリフレインと並外れて緻密なダンスのルーティンに縁取りを与えている。


“血、汗、涙”

“血、汗、涙”は、セクシーでありながらも知的なムーンバートンの扇情的なサウンドと共に、様々な要素の組み合わせでできている。そしてこのサウンドによって、彼らがそれまで作り上げてきた方向性から完全に転換することに成功しているのだ。“I Need U”や“Run”ですべての男の子たちに共通する無骨な現実を描いたのに対し、“血、汗、涙”ではアブサンの幻惑のようなバロックのファンタジーの中に自分たちの存在を見出している。このミュージック・ビデオがヘルマン・ヘッセの『デミアン』(1919)をベースにしていることに気づかずとも、しなやかなダンスと贅沢なセット、そして彼らのハンサムな顔立ちを賞賛するようなカメラワークに魅了されることだろう。

“血、汗、涙”がリード・シングルである『WINGS』では、第31回日本ゴールドディスク大賞のBEST 3 ALBUMS ASIA部門と、韓国の音楽賞「2016 MelOn MUSIC AWARDS」のアルバム賞を受賞している。


“NOT TODAY”

“Not Today”は、“Fire”と同じくらい素晴らしい作品だ。重々しいベースと空気のように軽いダンス、そして(ザ・フーの“My Generation”のような)吃りつつも威勢の良いコーラスが活きている。このミュージック・ビデオは、映画的でありつつも親しみやすい(歌詞の中にも、ARMYへの親しみのメッセージが暗に含まれている)という両方の要素を持ち合わせている。しかもBTSは、この両方をいとも簡単に実現してしまう。“Not Today”には、成功には甘んじない、という単なる宣言にとどまらず、羨望の的である自らの立場に自惚れてはならない、という誓いが込められているのだ。


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