11月10日にニュー・アルバム『reputation』をリリースするテイラー・スウィフトだが、アメリカの大手チケット販売代理店のTicketmasterと提携したツアーのチケット販売プログラム「テイラー・スウィフトTIX(チケット)」が波紋を呼んでいる。
「テイラー・スウィフトTIX」はインターネットでのチケットの転売などを避け、ファンが正価でチケットを入手できるようにTicketmasterと提携して考案されたものだ。
ユーザーは「テイラー・スウィフトTIX」のページからTicketmasterのアカウントにログインし、テイラーの公式サイトでのアカウントを連動させることでチケット購入の資格を得るのだが、この時点ではチケットの確保は約束されていない。
そこで、チケット購入の優先順位を上げられる措置(ブースト)として紹介されているのがテイラーの公式オンライン・ストアでのマーチャンダイズの購入、もしくは『reputation』の予約購入などだ。
この「ブースト」については、マーチャンダイズや『reputation』の購入以外にもTicketmasterやテイラー・スウィフトのメーリング・リストに登録するなどしてブーストを増やしていく方法なども紹介されている。
より多くの金額を使えば使うほどブーストが増えていく仕組みになっているため、若いファンたちに新作を何枚も買うことを推奨していることになるとして一部では批判の声も上がっている。また、ブーストを得るための購入が殺到すれば結局チケットが優先的に買えなくなってしまう可能性もある。
「Digital Music News」によると、音楽業界アナリストで評論家のボブ・レフセッツはこの件について「これにそれなりの時間とお金をかけるのは若いファンだけだし、お金を費やしたにも関わらず結局チケットが買えないとなったら、みんな腹を立てることになるだろう」とし、以下のように語っているという。
「これはあからさまに現金を確保するやり方で、自分がどれだけ成功しているか広く分からせるために手っ取り早くアルバムを売ろうとする方策といえる。まるでアルバムの売上だけが重要なことだと思っているかのようだし、アルバムが売れさえすれば自分もザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズなどのクラシック・ロックの代表格と肩を並べられるとでも言わんばかりだ。しかしそもそもストーンズは、さほどレコードの売上を上げたわけではないものの、今でもスタジアム・ライブは完売させている」