ナイン・インチ・ネイルズの新EP『アッド・ヴァイオレンス』が7月に発売された。
「もっとヴァイオレントに」という批評性と挑発的な姿勢がむき出しになったタイトルからも分かるように、スリリングで凶暴、そしてポップなNINサウンドが凝縮された1枚だ。
また、今作では今のアメリカへの反発が最強の形で露呈している。9月5日(火)発売の『ロッキング・オン』10月号ではトレント・レズナーを駆り立てた「アメリカの緊急事態」について、そして恩師デヴィッド・ボウイへの思いを語ったインタビューが掲載されている。
新作のビジョンについて訊ねられ、トレントは以下のように説明している。
「実は3枚のEPを作り、物語的な繋がりのある作品にするつもりなんだ」
「1枚目の『ノット・ザ・アクチュアル・イベンツ』は自身の内面に向かったものだった。自分の内面への扉を開けて、そこでしばらくの間這い回って探求するという作品だったんだ。だけど今作は、アメリカ人として、どうしても作らずにはいられなかった作品なんだ」
(ドナルド・トランプを大統領に選出することは)「世界にとっても、人類にとっても良いことではない。だから、このアルバムではそんな世界を映し出し、自分の中で形にしてみることで、リアルな世界で何が起きているかを理解しようとしたんだ」
また、「カルチャーにおけるロックの役割が、かつてのようにセクシーなものではなくなってしまった」としつつも、「時がくれば、ロックは絶対に再生すると思う。なぜなら、そういったものは常に循環していて、どんな意味においても、ロックは絶対に死んでいないから。自分の人生を反映してくれているようなものを必要とする人は、いつだって必ずいるはずだから」とロックへの希望を語っている。
この他にも友人であり恩師でもあるデヴィッド・ボウイから受けた影響についても読むことができる。
『ロッキング・オン』10月号の詳細はこちらから。
http://www.rockinon.co.jp/product/magazine/143875